山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

熱量放射のチームワーク

2024-02-05 23:07:43 | アート・文化

 東京では久しぶりの大雪だが、オラたち界隈は思ったより多い雨の日となった。予定していた農作業ができないので、前から気になっていた「髑髏城の七人」(劇団「新感線」)の舞台DVDを観る。時代は秀吉が天下統一を狙っているころ、関東ではその隙間から権力をめざす髑髏党の蛮行があり民衆は命がけで暮らしていた。その理不尽を変えるべく立ち上がった戦士らの物語という設定だ。前半は「劇団新感線」らしい漫画チックな内容が気になっていたが、後半からは見ごたえあるシーンに引き込まれていく。

       

 1990年に初演して以来、舞台は勿論若者を中心に人気が広がり、テレビ・映画・小説などにも進出していく。中島かずき作、いのうえひでのり演出。いわゆる現代版の「いのうえ歌舞伎」の登場だ。見どころは、殺陣のキレのよさ、ダンスのような華やかさ、が目立つ。とくに、早乙女太一(蘭兵衛)と森山未来(天魔王・党首)との殺陣、主演の小栗旬(捨之介)と森山未来との殺陣の迫力は圧巻だ。また、ミュージカルのような群舞・集団の仕草などの見事さは、困難でハードな練習を共有してきた仲間意識の形成が感じられた。

  (画像は劇団新感線から)    

 後半からどんでん返しがあり、高齢者にはついていけない複雑な展開になってしまうが、単純な物語にキャストの苦悩を強いるところの煩悶も見どころかもしれない。主演の小栗旬が「みんなに支えられてできた」舞台だったと言い切ったが、そのふるまいはそのまま彼の謙虚さ・包容力そのものが演技に醸し出されていた。また、周りから出演者の屋台骨だったと言われた小池栄子(極楽大夫)は、その風格・存在感は確かにその通りだった。ふだんは無口ではにかみ屋の早乙女太一の殺陣は出演者のみんなが認める鮮やかさだった。

     

 テンポの速さ・ロック調の音楽・照明の多用・アップテンポなダンス・ギャグなどは現行の歌舞伎を越えるものがあるが、それが若者の心をつかむ要因でもある。衣装の派手さは歌舞伎と似ている。

 天魔王による血をドバっと流すような残酷な殺戮シーンもあったが、それは彼が信長親衛隊だったこともある。が、信長のジェノサイドを見てきた捨之介や蘭兵衛らはむやみに敵を殺戮しないところに救いがある。68回の公演をやってきただけあって、軽薄そうだがみんなの心をつないでいく兵庫役の勝地涼のパワーや熱量は、舞台上だけではなくまわりの尊敬と感動と元気とを与えていたのも特筆すべきことだった。きっと、生の舞台を見ていたらその熱量を作品全体から感じるに違いない。  

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意外にオーソドックスなデザイン

2024-02-02 20:55:22 | 路上観察

 港が見える丘界隈の横浜をひょっこり歩いてみる。公園には保育園や幼稚園の子どもたちの絶好の場となっていた。おらはそこから一歩外を出て、いつものマンホール探しを始める。やはり、最初に出会ったのは横浜を代表するベイブリッジを刻んだマンホールだった。yokohamaの横文字と4羽のカモメかウミネコかわからないが海鳥が描かれている。雨水用か汚水との合流型か明記されていなかったが、12個の穴が開いていた。同じデザインでもその穴の個数が違うのもあるらしい。外側の受枠には■模様が散りばめられていた。      

  

その近くに、汚水と雨水とが並んでいるマンホールがあった。地の模様はシンプルな菱型だが、その線が太いのと細いのとが交互に構成されていた。これは滑り止めを考慮したのだろうか。地紋が同じなので汚水と雨水とがわかりにくい。

  

 中央の「W」は、waterだろうか。外国人にはちょっぴり優しいかも。

空気弁は水道管内に入った空気を抜く弁。空気が管内にあると流れが悪くなるなどを防ぐために設置され、空気がたまりやすい周辺より高い所や橋に設置されているという。なるほど、ここは高台だ。

  

 下水道の汚水が明示されているが、字が小さくて読みにくい。円心状で、外周の受枠は四角だが長方形であるのが珍しい。中央の三本の線に囲まれて下水と表示されているが、この三本線の意味がわからない。どうも市の水道局マークらしいが、川をイメージしているようだ。しかし川と言っても少なくても5本の水源地から導入している。浄水場は三つあるが説得力にやや欠ける。「水」という漢字を草書でかくと三本になるのかもと類推もしたが、もう過去のかなたのものとなったのか。マンホール収集家は集めることしか眼中にないのかその理由を明らかにしてほしいものだ。

  

 地紋が二重の亀甲模様になっているが、よくみると、外側の亀甲は「Y」の字からなっているのがなかなかすごい。外側の受枠は■型で散らしている。穴が10個あり、雨水型かとは思うが、合流型かもしれない。

  

 歩道には周りと違った木目調のレンガが使用されていた。その違いをあえてやってみる余裕がいいね。中央のカバの「だいちゃん」は市の環境創造局のイメージキャラクター。やっと、青のカラーを使ったマンホールに出会った。観光地なので今はやりのカラーマンホールが多いのかなと思っていたが意外だった。

 この山手地区は、一八五九年に横浜港が開港したことからはじまる。生麦事件からイギリスとフランスの駐屯兵約千人が占拠し、当時の山手居留地には、日本人が住居を構えることはできなかった。たしかに異国情緒のある、そんな歴史が漂う界隈だった。

  

 

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