無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

自然菜園コンサルタント atせたがや自然農実践倶楽部

2013-12-22 04:54:41 | 出張菜園教室
本日、の予報。


先日、東京に出張してきました。

出張先は、せたがや自然農実践倶楽部という、東京のど真ん中で、自然農を実践されている熱心なグループです。

私も19才の頃東京の日野市の市民農園デビューしたので、東京で、自然農を行う難しさは経験があります。

私のさせていただいているお仕事の一つに、自然菜園コンサルタントという仕事があります。
元々菜園講師業から始めたのですが、主にレストランや宿業からの自社農園のご相談が相次ぎ、自社農園の菜園プランをご提案したり、ワークショプを通しての勉強会を行ったりしている内に、生まれた仕事です。

せた農さんでも、縁が重なり一度農園を見てほしいとご依頼があり、講演会を開いていただき、今年一年コンサルとワークショップを行ってきました。
今回の出張は、せた農のメンバーの菜園区画の相談や来年にどのように菜園と付き合っていくのか学び合いました。




野菜や菜園は直接話してはくれませんが、雄弁です。

育っている姿や生えている草などから、今年一年どうだったのか、どうして欲しいのか訴えています。
いわゆる自然観察ですが、私もそうでしたが、なかなかこの自然観察が難しく、修業時代師匠たちが翻訳してくれる野菜や菜園の訴えに耳を傾け、いつか自分でも読み解くことが出来るようになりたいと思って勉強してきました。

自然農、自然農法の入り口として自然菜園を行っているわけですけれど、
自然とはなにか?自然に野菜が育つとは何か?どうお世話するのか?未だに自問自答しているわけです。

通常1年間に1回が栽培経歴ですが、私の場合幸い生徒さんの菜園の数だけ経験値が上がる有難いお仕事をしている関係上、年100人程度の経験がわが身のようについてくるのでこの数年とても学ばせていただきました。


今回は、メンバーのみのほぼ非公開の学びの場でしたので、せた農さんにぴったりの非公開講座も行いました。
菜園だけでなく、座学により理解を深めていただけたらと思いました。

私は座学が結構好きです。菜園は菜園で学ぶことが多いが雑然としていて、体系的に学ぶことが困難です。
そのため、カルチャーセンターを中心に、体系的に学ぶ座学を行っています。

今回は、自然農2年目の課題、菜園プランと初期の不耕起の困難をいかに乗り越えていくのかを学びました。
いつもの座学は一般論でしたが、今回はせた農さんの現状を踏まえ、せた農さんにぴったりの内容を即興で組み立てました。

「少年老い易く、学成り難し」
まさに、学びの道は深く、いまだ興味しんしんです。

特に、原点の一つ自然農は、まさに究極で、完ぺきです。
完璧な自然を理解するのは難しく、野菜から学ぶことはとても多く、今回も多くの学びをいただきました。ありがたいことです。

現在、Azumino自給農スクールなど各菜園教室の案内や受け入れ準備を行っており、12月末には募集を始めたいと準備中ですが、
今回せた農さんで求められた、初期の不耕起栽培の付き合い方、乗り越え方などは、今後も研究の余地が多いと思います。

つまり、初年度は畝立てのため耕してしまい、本当の不耕起栽培は2年目からです。
初期の不耕起栽培は、困難が続きます。
例えば、腐植が少なく、草が多いため野菜が育ちにくく、明らかに初年度よりも減収します。
または、モグラやネズミなど耕していた頃にはあまり被害がなかったのに、不耕起にしたら被害が多くなったり、多くの方がそれで不耕起栽培を断念してしまいがちです。


しかし、その先には、年々草マルチにより腐植が多くなり、多くの生き物に細やかに自然に耕された豊かに土があり、野菜が自然に育つ場が生み出されます。
そうなれば、毎年、里山のようにその場を守り育てながら栽培を行えば、野菜は自然に育ち、本当に楽に育つようになります。

その内容は興味深く、面白いためAzumino自給農スクールでも現在、新コース「仮称:不耕起コース」を検討しているほどです。

いずれにせよ、自然と付き合いながら持続可能な生き方の一つのはじめ方として自然菜園があり、今後も勉強させていただきながら、その学びは分かち合えたらと思っております。

だんだん寒くなり、雪景色が当たり前になってくると、冬モードになってきてブログのネタもつき、更新がままなりませんが、何か菜園のご質問がございましたら、コメント欄よりご質問を投稿ください。

今年一年誠にありがとうございました。
来年も実り豊かな一年でありますよう、願います。

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15 コメント

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不耕起と中耕について (たつき)
2013-12-23 16:57:44
『初期の不耕起栽培は、困難が続きます。』なんて水口文夫さんの本にも(野菜だより最新号にも)書かれていなかったんですが、不耕起の理屈を考えるとおっしゃるとおりだと思います。

ところで、タマネギ、麦など、根が空気を好む場合の栽培管理では中耕が効果的なこともあるようです。
不耕起栽培を続けていくと、根穴構造がしっかりして通気性も良くなり、中耕は不要になっていくのでしょうか。

農業全書を読んでいると、中耕など耕すことについて色々書かれていますが、不耕起については書かれていません。不耕起とは最近の考え方なんでしょうかね?
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ご質問ありがとうございます。 (たけうち あつのり)
2013-12-23 22:31:48
たつきさんへ

そうですね。ほとんどの農法の基礎には、耕起があり、草を除草することで、収量をあげ、安定させる工夫があります。

不耕起の考え方は、意外と新しく新しい農法といえます。

不耕起は発想としてとても面白いのですが、耕さないイメージのみ先行してしまうので、あえて「自然耕」と呼んでおります。

「自然耕」とは、文字通り自然に耕されることであり、植物本来の根張りをよくする技術=業(わざ)です。

自然耕は、自然の営みがなせる業(わざ)なので、耕す場合と異なり、年々その積み重ねがものを言うので、風土や栽培の仕方に左右されるため、年数だけで表現できないこともあります。

その上で、ご質問の作物別の中耕の是非は、それまでの栽培管理や風土によって何ともいいきれないところがありますが、以下のように考えてみてはいかがでしょうか?

1)耕すと、作物の生育も前半良くなるが、草が伸びやすく、除草や追肥の必要もあり、中耕が効果的な条件にもなっている。
つまり、耕すから中耕が必要になっているともいえる。

2)中耕(除草、空気を入れるなど)≠根穴構造(除草効果は無い)で単純に置き換えることはできない。

3)耕したため、途中土が硬くなり、空気が入りにくくなるのに対し、不耕起(自然耕)では、人為的には耕さないが、ミミズなどの土の生き物によって耕されて、根によって根穴構造が発達し、団粒構造も発達するため、耕した畑よりも水たまりができにくく、気層(空気の層)が多く、空気を入れるための中耕などは不要になる。

など、単に中耕(耕す技術)と根穴構造(耕さない技術)はそのまま置きかえるのは難しいと思います。

つまり、耕すのであれば、耕す技術を駆使する必要があり、耕さないのであれば、耕す必要がなくなるまったく違った考えたや異なる技術で栽培する必要があります。

中途半端に耕し、中途半端に不耕起にすると失敗しやすいのはこの点からだと思います。

ちょっと長くなりましたが、自然菜園では、畝立てという耕やしてしまう行為から、如何に耕さなくても育つようになるのかを体系化できないかと考えてきました。

不耕起をはじめやすく、続けやすくなるために精進しております。
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耕すことと畝上げ・リレー栽培 (むらかみ)
2013-12-24 14:16:48
いつも新しい考え方に元気を頂いています。ありがとうございます。質問が2つあります。キャベツなどを植え畝が平らになったり前より低くなったとき、次にsその畝にトマトを植えたい時など畝上げが必要なのでしょうか。この畝上げをできるだけ不耕起に違い状態で行うにはどうしたらいいのでしょうか。もう1つの質問は、次にナス科の畝になるところには、秋、牛蒡を植えてはいけないのでしょうか。ご本の24ページで1年目のC畝には牛蒡があり、2年目のC畝にはナス科になっています。これは春が牛蒡などの根菜で、その後、ナス科を植えるまでの間にキャベツなどの葉菜があるので大丈夫なのでしょうか。よろしくお願いいたします。
返信する
「自然菜園」熟読中です (kei)
2013-12-24 16:37:36
初めての蕎麦栽培、無事にそば粉になりました。
200gほどです。

次は、もっと・・・と欲が出てきました(*^_^*)

今は、来年から本格的に「これならできる自然菜園」に添って作付けしていこうと考えています。
広い自然菜園のリレー栽培プランをヒントにしてやってみようと思います。
とても楽しみになりました。この本と竹内さんとのブログでの出会いに感謝していますm(__)m
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Unknown (たつき)
2013-12-24 17:32:37
なるほどですね。よく分かりました。ありがとうございます。言葉遣いもこだわりですね。「不耕起」と「自然耕」ではイメージは全く異なります。「耕作放棄地」と「遊休農地」以上のイメージの差があります。
いずれにしても、私の借りている畑の大部分では、3年後を見据えて畝立てからリセットし、自然耕のやり直しです。
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ご質問ありがとうございます。 (たけうち あつのり)
2013-12-25 00:10:06
むらかみさんへ

1)一つめのご質問の畝上げとはなんでしょうか?どのような状態か分からずご返答できません。

2)24ページのリレー栽培のざっくりとした流れをご紹介しているので、前後の作付は25ページに書かれているように相性を加味して計画します。

そのため、ナスとゴボウの前後の相性は悪いので避けます。ナス科全般がゴボウと相性が悪いわけではありません。

工夫してみてください。
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コメントありがとうございます。 (たけうち あつのり)
2013-12-25 00:12:37
keiさんへ

そうですか、200gあれば2~3人前のお蕎麦が打てるし、初収穫をいただけるのは感動ですね。

リレー栽培はまだまだ研究の余地が多く、各地の風土に合わせて改良していってください。
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コメントありがとうございます。 (たけうち あつのり)
2013-12-25 00:19:19
たつきさんへ

そうなんですか。ブログ拝見するととても興味深い実験的な試みでとても勉強になります。

現在、『現代農業』さんの原稿執筆中の内容でもありますが、緑肥作物などによる土の改良には、ただ緑肥作物の種を蒔くだけでなく、緑肥作物が健全に育ち、効果を発揮しやすくする事が大切です。

また、市販の食用のムギは、根の張りが弱く、意外と育ちが悪く、自然耕力も弱い感じがします。

自家採種を何年か重ねていくと、根の張りが良くなってきて、自然耕の馬力が違ってくるようです。

自然菜園の様な栽培では、種のもつ根の張る強さ≠根性がとても大切です。

自家採種した優良系統で自然耕をしてみてください。
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畝上げについて (むらかみ)
2013-12-25 12:24:02
畝に畝の側面の土を削ってあげたり、畝間の土をあげて畝の土を増やす事です。わかりにくい表現で申し訳在りません。これをしたいのですが、畝の環境を急に変えるように思えてできません。土を寄せたり削ったりして畝の上に土を上げてもいいのでしょうか。
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ご質問ありがとうございます。 (たけうち あつのり)
2013-12-25 22:38:38
むらかみさんへ

そういうことでしたか。わかりました。ありがとうございます。
そうですね。私の場合、畝は土質などに応じて高さを決めたら(火山灰土の場合低く、粘土の場合高くなど)、ずっとその畝の高さのまま使いますので、畝上げはしません。

ジャガイモとネギに関しては、土寄せの際、畝の上の土を動かすのですが、どこから土をあげることはせず、その場の土のみの移動になります。

さて、ご質問の回答ですが、不耕起の場合トマトも、キャベツも畝の高さは同じままでも問題はなく、生えてきた草を草マルチし根元に敷きながら育てます。

不耕起にし草マルチすると、土が団粒化したり、根穴構造が発達し、水はけが良くなり、水持ちも良くなるので畝の高さを変えなくてもよくなるためです。

もし畝上げする場合であれば、生えている草の上に土を盛ると草が腐敗するかもしれないので、草を刈っ手一度脇にどかし、土を盛った後に草マルチするなどすれば問題は起こりにくいと思いますが、未知の領域なのでわかりません。
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