ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

気が付けばどこもかしこも草だらけ

2016-08-22 09:11:16 | 農業

 サボってるつもりはないんだよ。朝から晩までってわけにはいかないんだ。フルタイム農家さんじゃないんだから。それでも、田んぼの草は粘り強く頑張った。6月初めから8月初めまで、ほぼ2か月間、毎日田んぼに入って、除草機を押し、Qホーを操って草を刈り続けた。努力は報われる。今年はこれまでにないきれいさだ。ただし、株元から目を背けている限りはね。

 そうなんだ!人間、見たくない時には見えない!これ、永遠の真理。

 でもね、いくら目をつぶり続けても、見えてしまう瞬間があるんだよ。そう、必ずある。田んぼなら、稲刈りの時。株元に密生した雑草たちは機械に絡まり、必死に刈り取りに抵抗する。ああ、穂が出る前にもっと徹底して草取りしときゃよかった、って激しく後悔するね。畑なら、翌年、目を覆うほどの雑草の種が発芽して、ああ、草刈りしとけばよかった!と思い知る瞬間。毎年のことだから、一つキーを叩くだけでおのずとわかることなんだ。なのに、見えない、見ない。近寄らない。

 ある日突然、気づいた!逞しく育ちびっしりと実をつけたアオビユ、アカザ、このまま取らずに枯らしたら、大変なことになる!瞬間、春先の悲惨な畑が頭に浮かんだ。いや、覆いつくした、草が頭を。

 まずは、ハウスだ。今年は神さんの手からこっちに経営管理権が移って、これまでのトマト単作主義から、トマト、メロン、ナス、ピーマンの多角経営への転換を試みた。ワラも敷くし草丈が高い分、株元は日が当たりにくいからか、全面トマトだと、雑草もなぜか控えめだ。しかし、今年は、一部トマト占領地域を除けば、ありきたりの畑状態、しかも、散水チューブによる水やりの回数も格段に多くなった。てことは、雑草にも最適環境を提供したってことなんだ。雑草ども、ご主人様のメロンなどどこ吹く風とこの世の夏を謳歌しておる。

 いかん!これはしたり!なんとしてもこやつらを刈り、しかも外に追放せねばならない。雑草ってやつはほんと逞しいから、まだ未熟な種でも発芽能力は十分だ。大人、若者ばかりか、ガキがどんどん子ども産んでいくようなものなんだな。だから、刈り倒しただけじゃ解決にならない。ハウスの外に運び出さにゃならん。

 旺盛な生命力は種ばかりじゃない。根っこも強靭だ。草刈り機や鎌で刈っても、そこからさらに枝葉を広げる。だから、引っこ抜かねばならないのだが、これが実にしぶとい。大きな蕪みたいに家族総出で引っ張りたいほどにがっちりと根を張っている。根元に近いぶっとい茎を両手でつかみ、やっこらさ!と引っこ抜く。どうしてもダメなときは、土の中に鎌を差し入れ、できるだけ深く根っこを抉り出すように切り取る。

 炎天下のハウスの中、温度は確実に40℃超!抜き取っては一輪車に乗せ、たまれば道路に止めたトラックの荷台へ。繰り返すこと10回弱、1時間を超す拷問作業もどうにか終わった。抜き取った草は隣家のヤギさんに差し入れ。これでどうにか、ハウスに関しては、来年の雑草の進撃を阻止できたかな。

 さらに、大豆畑、あんなに何度も中耕して草取りしたのに、ところどころアオビユ、アカザが自慢気に顔をのぞかせている。これも抜き取っては畑のヘリまで運搬、どうにか済ませ、最後はイチゴ畑。そうだ、ここはカナムグラだ。トゲトゲの触手を縦横に伸び広げるこの侵略生物、これに覆われれば、ものみな枯れる。恐ろしい生命体。なんとしても駆逐しておかねばならぬ、とこれまた半日。ようやく畑雑草との戦闘も膠着状態まで押し戻すことができた。やれやれ、さらにやれやれ。

 あっ、そうだ。ブルーベリーの株本除草がまだだったぁぁ!も一度、やれやれ!

 

コメント
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