サプリメントの有効性は? 平成25年9月14日
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テレビをつけていると
サプリメントの宣伝がとても多く
どれもこれも その効用は素晴らしい。
サプリメント服用だけで、
元気で若く、お肌つやつや、やる気満々の人生が
約束されているかのようだ。
医師の立場から近藤医師は ”心得31”の項目で
”コラーゲンでお肌はぷるぷるしない。
グルコサミンはひざに直接届かない”
という表題で、サプリメント効用について、
意見されている。
著書から抜粋してご紹介すると・・・
”口からとった、コラーゲンが肌を直接 ぶるぶる
させるわけではなく、グルコサミンが膝に届く
わけでもない。
ゼラチンは100%コラ―ゲン由来で5g袋に
コラーゲンが4500mgほど含まれています。
もし、本当にそれが肌に届くなら、ゼリーをよく
食べる人はお肌が一生ブルンブルンに弾んで100歳に
なっても、皺と無縁でいられるはずです。”
これらのサプリメントは 食べてから胃の中で消化が
始まり、腸で分解されたり、血液に入り込んでアミノ酸
や糖として活用される。
だから、どんなに、コラーゲンやグルコサミンを摂取して
(食べて)も 結局、わずかなタンパク質や糖分を取るの
と変わらないと近藤医師は言う。
消化されてしまえば、同じというわけだ。
”体内に吸収されたアミノ酸の一部はコラーゲンや
グルコサミンに合成されます。しかし、コラーゲンは
肌だけに活用されるのではなく、全身のあらゆる組織
に存在して、体や皮膚を臓器の形を支える構造材の
役目をします。”
”グルコサミンも全身の結合組織のあちこちにあり、
軟骨細胞を形づくるために、もっとも大切な栄養素の
ひとつです。”という。
食べて体に取り入れたときに、タンパク質が分解されて
アミノ酸になり、その一部がグルコサミンになる。
グルコサミンを直接口にいれてもそれはタンパク質と
いう素材を口にしているのと変わりなく、直接必要な
体の部位に補強されるわけではないということらしい。
購買者がもう少し知識をもって効果に関しても判断
しながら、それらの 品物を購入するよう 近藤医師は
アドヴァイスする。たとえば、
”ナノ化コラーゲンというのがありますね。ナノ化とは、
分子量を10億分の一・・・
地球ならピンポン玉の大きさにまで小さくすること。
分子量が小さいから、口からとる場合も肌に塗る場合も
吸収されやすいという 謳い文句ですが、本当にナノ化
されたコラーゲンはただのアミノ酸。
アミノ酸が多数結合したものがコラーゲンなのです。
グルコサミンを ナノ化ミネラルイオンの働きで吸収
しやすくした などという意味不明の商品もあり、
おまけに一か月分が 1万2千円もします。
コンドロイチンや ヒアルロン酸なども含め、原理は
すべて同じです。食べても 飲んでも、おなかの中で
バラバラになり、目的部位には到達しない”
これらのサプリ商品は過剰に摂取すれば、がんや心臓病
の原因になることがあると近藤医師は指摘している。
コラーゲンやグルコサミンの役目は人間の体の構造材と
なること、それらの合成能力を高めることがまず必要で、
それらしき名前のタンパク質や糖分をとっても、実際の
効用がないということだ。
自然治癒力を促す、私たちの生命力、その力を十分発揮
していれば、体に必要なそれらの要素は体が自然補給して
くれる。
つまり、新陳代謝がすすみ、気の流れの整った、心身調和
のある健康を保つことで、サプリメント知らずで
過ごせるだろう。
近藤医師も
”栄養バランスの良い食事、程よい運動、早寝早起きを
心掛ければ、新陳代謝が良くなりコラーゲンや
グルコサミンの合成能力を保つことができる ”と
記している。
サプリメントはあまり効用が望めないようだが
コーヒーの適宜の飲用は体に良いと聞いていた。
実際、筆者は、時々、炭火でコーヒー豆を
自家焙煎して飲んでいるが、利尿作用があり、
腎臓の働きも軽くなるような気がしていた。
すると、それを裏付けるような記事を目にした。
時々行く喫茶店に ”コーヒーを飲む人は癌を遠ざけます”
という新聞記事のコピーがテーブルに置いてあった。
近藤医師もそのことに関して著書の中で触れている。
引用させていただくと・・
”コーヒーは頭痛、胃痛をなだめ、眠気をはらう煎じ薬
として、世界に広まった飲み物。
最近世界各国の大規模な調査で画期的な健康効果が
発揮されている。
日本国立がん研究センターを中心とする研究班は
40~69歳までの男女9万人を10年間追跡調査して
一日に5杯以上コーヒーを飲む人の肝臓がんの発症率
は 飲まない人の4分の1と発表。”
さらにその長所をまとめると
・コーヒーの抗酸化・抗炎症成分がC型肝炎 肝臓がん
への進行を抑えると推測
・大腸がん発症率が毎日1杯以上飲む人で女性の場合、
飲まない人の半分以下に抑えられていた(岐阜大学
グループ1992年から8年間35歳以上の地域住民3万人
対象調査)
・死亡リスクが一日2杯以上飲む人は、飲まない男性
より10%低い/女性は13%
4~5杯飲む男性は飲まない男性より12%/女性は
16%死亡リスクが低い
(米国衛生研究所/1994~2008、50~71歳
の男性23万人、女性17万人対象調査)
・よく飲む女性ほど、(ただしタバコは吸わない)
脳卒中のリスクが低い
男性の場合、2~3杯飲む場合、飲まない男性に
比べて40%胆石になるリスクが低い
(米ハーバード大学医学部研究グループ/
8万3千人女性対象24年間の追跡調査)
・飲む量の多い女性ほど、肌にできるシミの量が少ない
(30~60代女性131人/お茶の水女子大学
近藤和雄教授)
まだ、データの紹介が続くが、結論として、近藤教授
は中高年でコーヒーを一日3~5杯飲んでいた人は
認知症やアルツハイマー病の発症リスクが飲まない人に
比べ 65%も低かったことをあげて、健康・美容・
長寿の秘訣がコーヒーに有りという結論を出している。
そういえば、淀川長治氏という映画解説で名前を馳せた
人がいたが、”私の長寿の秘訣はコーヒーです”と答えて
いたのを想いだした。
当時(30年ほど前)は、コーヒーは胃を荒らす飲み物
とか癌になるとかいうイメージしか無かったようだ。
そのような時代だったから、淀川氏は、あえて、コーヒー
を”この年で(たぶん80歳以上で・・)何杯も飲む”が
健康に長寿を楽しんでいることを強調されたのだろう。
実際、近年になって、長年かけた追跡実験結果で
コーヒーの健康への効果を証明されてきたが
淀川氏も きっと、その結果に、納得されるだろう。