中国土産の定番シルクのパジャマ、着る事も無く箪笥の肥やしだったのを大人用Lサイズをダウンサイズして子供用150に直してみた。既製品の手直しは二回目で手順は承知だけれど絹地の扱いにくさはなかなか慣れる事が無い。縁かがりすれば丸まるし待ち針は止まらずすっぽ抜けやすいし、何とも扱い難いのだった。その縫い方のムラを無くす方法は「紙を敷いて縫えば良い」と教えてもらった結果、綺麗に縫えたのだったが直線縫いならまだしもジグザグ縫いでは縫い目の中の紙が外せない。つらつら考えた末に洗濯機の「お洒落着コース」で水洗いする事を思いついたのだ。行ってみると挟まれた紙は綺麗に外れてくれたのだが結局、「紙を挟んだことで水洗い一回手間が増えた」事になる。
しかしながら手間を掛けた事が幸いして縫い目が綺麗に揃い変な皺よりも無かったのである。紙が抜ければ、その厚さ分、縫い目が緩くなるけれど最終的には縫い合わせた切り端はジグザグミシンをかけてから倒して生地に縫い付けたので支障はない。さてズボンの縫い合わせをする段になって左右とも同じ型なのに気が付いたこれではズボンが出来上がらない。確認すると裏表間違って縫ってしまったのだった。結局は縫い目を切り外し新たに縫い合わせる事になった。概ね一作品に一回程度は間違いを起こし縫い目をほどき縫い直しする羽目になる。まあ、お約束みたいなもんか…
それでも何とか完成したのだが仮縫いが出来る訳も無し、着る当人の趣味や意向を知っていてでは無しなので多分に押しつけがましくお仕着せなのは自覚している。それでも雨の日や早い日暮れの季節の暇つぶし・手慰みとしては上質だし楽しめた分だけ一文の得。作家なら「文才がある」と言われるのだけれど裁縫では「才縫がある」では意味わかんないし「縫才がある」と言ってみたところで「ホウ、そうかい…」で終わるか。やはり孤爺は孤爺なのであった。あーあ、人生は努力していても認められるとは限らんものだ。