トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

Bee団地にスズメバチの巣‼

2022-08-27 | 小人閑居して憮然
 考えてみれば見る程、スズメバチの営巣するに格好の条件が揃っている。大きな腐木の根っ子を日当たりの良い草地に転がしてあるのだ。これは刈り払われないように草地との境界にした結果なのだが斜面を掘り進めるより巣の取り付け体として大株は安定性抜群であろう。
 写真の中央部、草の立ち上がっている背後の暗い部分の下部に巣穴があって、その前には土の細粒が広がる。ハチを撮影して確認するとどうも腹部の黒い部分が幅広い。オオスズメバチはもう少しスマートの様に思えて図鑑もネットもと比較してみたものの一致するような画像は無かった。

 地中に巣穴を作っているし体長も35mm~40mm程度に見えるから働きバチに間違いないと思いつつ黒縞の感じで,
この段階では判別頓挫である。

  

 いくらBee 団地とは言えスズメバチ類は入居制限したい。高級ホテル「Bee Beetton」脇に巣穴ではいつ何時襲撃を受けるか分からない。今のところ巣穴の前に立っていても警告行動はしてはいないけれど紛れもなく防衛境界線の範囲に入っているのでウカウカしてはいられない。巣房の蛹が更に羽化羽化して来れば一挙にその数は増えるのである。

 そこで翌日に巣の撤去を慣行した。頭部を覆うネットやゴム手袋は用意できても白色の長袖上着が無い。近い物と言えばYシャツしかないから不快さはこの際我慢して久しぶりに着用したのだ。やはり通気性も吸湿性も悪く直ぐにびしょびしょになって気持ちが悪い。傷みの無いYシャツが数あっても日常的に使えるような生活では無し、作業衣としての不快さも半端ではないから結局は箪笥のゴミである。
 まずは巣穴付近にスズメバチ殺虫剤を緩やかに噴霧して巣の入り口付近の草を刈り込み鋏で刈り取って露出させた。切株の下から羽音をさせながらハチが出てくるたびに薬剤放出して捕獲する。巣穴の周囲から土を取り除きつつ奥まで穴を広げたものの巣に到達できない。

 羽音がしなくなってから顔を地面に横たえ中を覗くと僅かに蛹室の白い繭が見える。手の届く場所ではないから牽引器で根株を起して取り外す事にした。これしか選択肢がないのだ。根株にベルトを掛け牽引器で曳き起こす。倒してしまうと後が厄介だから巣が見える範囲に留めて巣を撤去した。
 この間に取り逃がしたハチは4匹程度だったから12匹はいたのだろう。観察していた時の印象は数匹程度と思っていたものの群れの中では狩りに出かける個体ばかりではないので全てを外部で確認するのは無理だったし女王バチは判明しなかった。逃げた個体の中だったかも知れない。

 自宅でハチの薬剤を洗い落としてからネットで検索・対照してみたらどうもヒメスズメバチらしい。腹部末端が黒い事が決め手になった。巣の出入りの個体を見ていても気になった腹部の黒色はやはりオオスズメバチのそれでは無かったのだ。ハチの出入りを確認した時に「何故遅い時期に営巣開始したのか⁉」と言う疑問はヒメスズメバチの習性を知って理解できた。
 そもそも餌はアシナガバチだけと資料にあったからアシナガバチが営巣し、ある程度個体が増えてから自らの繁殖行動を開始するしアシナガバチが活動を終える前に繁殖を終わらせなくてはならない条件がある。故に巣の規模も働きバチ30匹程度までなのだとか。
 大きさはオオスズメバチにつぐ大きさなのだが性格はおとなしいものの針が太く痛さはオオスズメバチを凌駕するともある。それらはともかく、これでようやくBee 団地への立ち入りが安全になった。

  


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