ウリパパの日記

自由気ままに・・・

N響定期公演(Cプロ)

2008-05-17 15:03:08 | 音楽
昨日都心へ出かける機会があり、当日券を購入してNHK交響楽団の定期演奏会(5月公演Cプログラム)聞いてきました。金曜日とはいえさすがに平日で、空席がかなり目立ちます。座席は舞台向かって左側の前から9列目。少々前過ぎましたが、ピアニストの右手の動きやN響団員の表情がよく見えました。

最近オペラ公演にはちょくちょく出かけるのですが、オーケストラの演奏会は5年ぶりです。NHKホールは外来オペラ公演で時々来ていますが、その時のワクワクする雰囲気とは異なりアットホームな印象でした。観客には定期会員になられているお年寄りの方が目立ち、その影響かもれません。

さて前半はブルーノ・レオナルド・ゲルバーを迎えてのベートーベンピアノ協奏曲3番。ゲルバーは小児麻痺を乗り越えベートーベン弾きとして世界的に活躍し、日本にも度々訪れていますが、私は始めてその生演奏に接しました。1941年生まれなので今年でもう67歳。もう中堅ではなく巨匠という年齢ですが、確かにステージに現れたときはその貫禄に圧倒されます。そして物凄いメタボです。丸いお腹に腕がつっかかってしまうのではと真面目に心配しましたが、それも杞憂に終わりました。やや遅めのテンポ?で余裕たっぷりに奏でられる音色、特に弱音の響きは決してロマンチックになりすぎず、でも心に深く響いてきます。1楽章のカデンツアや3楽章など、決して重厚にならず、でもベートーベンらしさに溢れています。”ハラハラドキドキ” がなくちょっと物足りないかも知れませんが、安心して聴けるベートーベン。久しぶりの体験でした。逆にN響のほうが緊張気味?で心配になってしまうほどで、ゲルバーも少し物足りなかったのでは?ゲルバーさんは、さかんに指揮者の尾高さんにメッセージを送っていたように感じました。終演後の観客の反応はそれほど熱狂的ではありませんが、私は満足しました。今、ゲルバーさんは全国ツアー中のようなので、機会があればピアノソナタ(勿論ベートーベン)を聴いてみたいです。

休憩後の後半はエルガーの交響曲第一番。指揮者尾高忠明の本領発揮です。あのエネルギッシュな指揮振りも健在で、N響ものびのびとした演奏でした。私はエルガーという作曲家を詳しく知らなかったのですが、昨年生誕150年をむかえイギリスでは熱狂的なイベントが続いたようです。そして今年はこの曲が作曲されて100年目。つまり20世紀初頭の音楽なのですね。かなり玄人好みの大作らしいのでうが、一言で表すと、ブラームス作曲、スメタナ編曲「スターウオーズ」という印象です。
第1楽章(アンダンテ)は勇壮な旋律と解説にはありますが、私には退屈。このまま50分も耐えられるかなと不安になりましたが、第2楽章(アレグロ・モルト)に入ると突然眠気が吹っ飛びました。解説書の表現 「まるで、ジョン・ウイリアムスを先取りしたかのような映画音楽に出てくる行進曲風のメロデイ」。まさに!ブラームスだけなくモチーフの使い方にはワーグナーを連想させます。そしていつの間にか第2から、第3、第4楽章へ。私には楽章の切れ目が分かりませんでした。第4楽章ではスメタナの連作交響詩(わが祖国)を思わせるボヘミアの香りが漂ってきます。終わりそうでなかなか終わらないクライマックス。そして、威風堂々を思わせる最後。ここへ来て、ああ、これこそエルガーだ!といった感じでした。終演後は拍手喝采。楽団員も足をバタバタ。N響の皆さんも満足のいく演奏だったのではないでしょうか。疲れきったせいかアンコールはありませんでした。

私はエドワード・エルガーを演奏会で始めて聴いたのですが、安心して聴ける作曲家ですね。でも主題がしつこく繰り返される割には印象に残らない旋律。やはり超有名な威風堂々第一番のイメージが強すぎるのでしょう。
コメント
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