ブラック・デモクラシー
2015年11月13日(金)
大阪市長選挙が告示されました。
10日付けの朝日新聞です。
同日付けの朝日新聞には、政党支持率の世論調査も載っていました。おおさか維新が2%(余談ですが、少数一位まで載せるべきでしょう。)。ほぼ地域政党と思われるのに、いきなり2%とは侮れません。この2%は大阪の寄与度が極めて高いと思いますので、大阪のみであれば、二桁は間違いなくいくでしょうから・・。
京都大学教授の藤井聡さんは、橋下「維新」政治に非常な危機感を持っておられます。
私も共感するところ大でありまして、氏の講演の要旨で長文になりますが、引用させていただきます。
橋下「維新」の政治は「ブラック・デモクラシー」です。ブラック・デモクラシーとは、議論を無視した「多数決至上主義」と結託した民主政治のことです。
ブラック・デモクラシーは、別名、全体主義です。「多数決崇拝」「詭弁」「議論封殺」「プロパガンダ」の四つの要素があります。
多数決崇拝とは、多数決の結果こそ崇高なものだと主張する、議論を度外視した考え方です。
根拠なく否定・肯定することや、話をすり替えたり、言ってもいないことを言ったとして否定し、相手が間違っていると印象付けることは詭弁の一種です。弁証法的議論のすべてを遠ざけ、詭弁を弄して真実に基づく批判を無力化し、封殺するということです。また、議論に見せかけた交渉、公開討論などは単なる暴力です。
権力を駆使して言論封殺、あらゆる心理操作を駆使して、自説への賛成を増すためのウソにまみれたプロパガンダを徹底展開する。これがブラック・デモクラシーです。
橋下「維新」の政治にはこの要素があります。
学者が「都」構想の危険性を明らかにする記者会見を行うと、橋下氏はツイッターで「実務を知らない学者の典型」などと主張しました。しかし、学者の会に所見を供述した学者は100人を超え、その全員が実務を知らないとは到底考えられません。これは根拠を示さず否定し、間違っていると印象づける詭弁の一種です。
私が1月下旬に「都」構想についての「7つの事実」を公表すると、2月に維新の党の当時の幹事長名で在阪放送各局に〃藤井をテレビに出すな″との文書が送られました。「大阪都構想について反対している政党及び団体を利することになる」という理由です。すなわち、〃藤井が出たら損をするからテレビに出すな″ということです。これは公権力による明確な言論弾圧です。
住民投票の期間中には、テレビCMなどで、「チェンジ大阪」「ワンチャンス」と流しつづけるプロパガンダが徹底して行われました。
このようなブラック・デモクラシーは言語道断です。これが成立すると日本がめちゃくちゃになり、自由が失われてしまう。絶対に許してはなりません。
藤井氏は、ブラック・デモクラシーを主なキーワードにしていますが、ファッショとか独裁者というのが、抜けてやしませんか・・。もっとも、これは衆人周知のことがらなので、あえて言わずもがなかも知れません。