長い一週間だった。
先週末部活登録があって、月曜から水曜にかけて楽器適性チェックなどをして、楽器決めをした。
希望がかわななかった新入部員もいたので、そのあとちゃんと来てくれるかという心配もあった。
毎朝「日刊スポーツ」の占い欄を見てるけど、「トラブルの矢面に立たされる可能性がある」と書いてあった日はドキドキしてた。何人もやめるって言ってきたらどうしようとか思って。
楽器決めのあととか、選択科目の説明会のあととかに大体話すことだが、人生は一本しかない。
AとBと選択肢があったとき、同時に両方を試してみて選べるなら、より正しい判断ができるのかもしれない。
でも、Aを選んだときはBはできないし、Bを選んだらAはできない。
ひょっとしたらAにものすごい才能があるかもしれなくても、Bを選ぶとそれは試されないままに終わる。
自分だって、吹奏楽部の顧問を何の経験もないまま引き受けて(与えていただいて)、今でこそ自分にあってる部活でよかったなと思うけど、同じように経験のない野球部の顧問にたまたま配属されていたら、今頃甲子園の常連になっていたかもしれない。
そんなことは絶対にないとは誰もいいきれない(ないけどね)。そしたらプロ野球のヘッドコーチに招かれるかもしれないのだ。
吹奏楽部があってると思うようになったのも、しかし、最初からではない。指揮も自分でしなさいと指令をいただいた十数年前から、少しずつ譜面を読んだり、他の学校を見学させていただいたりし、いろいろ自分なりにやった結果そう思うようになったのだ。
昔みたく音楽の先生に全部まかせた状態で続けていたなら、今ほど充実感を持てているかという疑問だ。
結局自分にあっているかどうかというのは、自分が選んだことで、いやむしろ他から与えられたことでも、それをきちんとこなしていこうという姿勢で取り組んでいけば、それが適性となるのだろう。
人間には無限の可能性があるとよく言われる。
たしかにそうかもしれない。
ただ、その可能性を試すことがらは有限、というか一時に一つだけだ。
その一つをとりあえず一生懸命やってみようという姿勢が、なんといっても大事で、部活でも大学でも就職したあとでも、その原則は変わらない。
新入生たちは、それなりに楽しそうに取り組んでいるように見えた。
楽器決めのあとに、入部させてくださいという子があらたに三人きた。
ありがたいことだ。何十人来てもOKだ。