村雨の 露もまだひぬ 真木の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ
歌意: 降り過ぎていった村雨の露もまだ乾いていない真木の葉の辺りに、
霧がほの白く湧き上がってくる秋の夕暮れであるよ。
作者: 寂蓮法師(じゃくれんほうし)
1139?~1202 俗名 藤原定長(ふじわらのさだなが)
『新古今集』の選者の一人であるが、完成前に没。
秋の夕暮れの美の典型を詠んだ歌。
上の句では近景に焦点を合わせ、常緑の木々をとらえている。
下の句では、視点を変えて遠景をとらえるという構成になっている。
にわかに降り過ぎていった雨、真木の緑の葉にある露、雨上がりの白い夕霧など、
自然の動的な変化が見事にとらえられている。
「村雨」とはにわか雨のこと。特に秋から冬にかけて断続的に激しく降る雨のこと。
「真木」は、杉・檜・槙などの樹緑樹の総称。
「霧」は秋の景物。同じ自然現象であるが、平安時代以降、春のものを「霞」、秋のものを「霧」と呼んだ。
※参考 文英堂 「原色小倉百人一首」
今日で三月もおしまいです・・・
今年は早々とソメイヨシノが満開になりました~
今日は寒い曇り空でしたが・・・近所の散り始めた桜を撮ってみました
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