次に尋ねたのはJA前橋市が経営する「産直ゆうあい館」でした。
天気予報は悪かったのでしたが、雨も降らず暖かなさすがに関東と言う雰囲気。
この研修の参加者は曲がりなりにも野菜の生産者で有り、直売所の経営者、参加者です。
でも、皆が多少の棚の隙間は有るとは言え、圧倒的な野菜の量に感嘆の声しきり。
しかも、ホウレンソウなどの葉物野菜を中心に一束70円と言う低価格に二度の驚き。
「えーっ!こんな値段じゃ百姓なんて出来ないよね、可哀そう」なんて声もしきり。
春の彼岸のさなかと言う事で、右のテントの中では花卉も販売されていました。
これもやはり低価格です。
ここの責任者の方に、資料を頂きお話を伺います。
資料によると平成18年のピーク時にはなんと6億5千万円の売り上げが有ったと言います。
常時出品する生産者は600人と言いますから、平均では一人100万円以上の売り上げですね。
なお、70円と言う価格が多いのはそれが決められた最低価格だからだと言う説明でした。
蛇足ながら取扱手数料は10.5パーセントで0.5パーセントは出荷者への還元との事。
と、言うことは経営主体のJA前橋市には6千5百万円が入り、それが人件費などに充てられていると言うことでしょう。
出荷者が儲かり、経営者が儲かり、お客も低価格で儲かる。
いわば三方一両損ならぬ『三方一両得』の存在感のある直売所でした。
参加者はほぼ全員が沢山の野菜を買い込み、バスのトランクを開けて頂く始末。
「何の団体か内緒にしておいた方が良かったかな」なんて、冷やかした私もも山のように買い込んでしまった。
でも、直売所そのものの存在感もさることながら、周辺に雪が全く見えないと言う事も夢のよう。
あらためて、雪国で暮らす、雪国で野菜を作るハンディの大きさを感じさせられました。
こりゃもう、特徴のある美味しい野菜を作って勝負するしかないと、心の中でつぶやいたのでした。