畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載3『コゴメ』

2015-01-23 05:36:38 | 山菜


  「こごめ」

 待ちわびた春となり、まず一番は「蕗の薹」、次いで「こごめ」が顔を出す。
和名は「クサソテツ」と言う。処によっては「こごみ」とも呼ぶようだ。

 昔からの、曲がりくねった暴れ川で、春秋の出水時期には田を荒らし、
農民を泣かせたが代償に大鯰、大鰻、大鯉その他色々な魚が生きるある意味では素晴らしい自然の川が近くにあった。
その川が、流行の河川改修とやらで、水量の割にやたら川幅のある、大きな土提を持った立派な川となり、
三十年余りの月日が経った。

 歳月は何時の間にか別の自然を育て、提内地とも呼ぶべき川端には、「こごめ」の群生が見られるようになった。
なに、家から歩いて何分もかからない所である。
他人に自慢するのに、鍋を火にかけてから採りに行くと話す。

 茹でてシンプルに醤油、マヨネーズ、又胡麻和え、
淡白でそれでいて野の香りのする「こごめは」いくらでもお腹に入ってしまう。
長くて辛い冬を越え緑の命を貪り食らうのだ。

 近くの魚野川の河原にも群生し、多くの人たちを喜ばせていた。
時には関東地域のナンバーを付けた自動車さえみかけるようになっていた。

 しかし、三年前の「新潟福島豪雨」により、「こごめ」が群生していた河原は跡かたも無く消え去ってしまった。
また何時の日か「こごめ」が発生する時が来るのであろうか。
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山の動物たちの今は

2015-01-23 05:13:55 | 山菜

 一面、2メートルに近いような雪に覆われた山で、動物たちはどうしているのだろう。
雪崩防止の鉄柵の隙間から、跨線橋に向かって降りる足跡は「テン」のようです。



 真ん中の雪の上にも、雪崩防止柵から直線的な足跡と、そして、横に伸びる足跡。
除雪のために切り立った形になってしまった雪の上から、飛び降りる場所を探している。



 ホームの端付近にも山からの足跡が見えるが、これは「タヌキ」だと思う。
先の足跡の「テン」は長い身体を足を横に揃えて、芋虫のように伸縮して前進するのです。



 写真では捉えきれなかったけれども、尾根にも足跡が見える。
きっと尾根の横、沢の僅かな地面を求めて降りたのだろう。



 驚くべき事に、反対側のホーム、住宅側からの足跡も有る。
これもやや、横に開いた足跡できっと「タヌキ」です。



 ホームに薄く雪が積もった日には、ホーム上を歩き、ホーム端で線路に飛び降りた足跡も見えた。
そこには飛び降りる事にためらいを見せ、乱れた足跡が有ったのです。

 何のために危険な線路に降りるのでしょう。
きっと、上下線の線路の間に見える、雪が消えた大きな溝が川か何かに見えるのでしょう。



 山に行くと、小さな沢に向かう「タヌキ」の足跡が多く見られます。
無事に沢に辿り着くと、小石を剥がしてその下の沢蟹などを探すのでしょう。

 いえ、彼らの行動は夜中の事で、スベルべが実際に見たものでは無い。
でも、雪の上に残された色々な動物たちの足跡で、彼らの命懸けの越冬の様子がうかがわれるのです。

 
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