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楽しい、楽しい昼食タイム。
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「鬼ヶ面」山頂のスベルべ夫婦。
後ろの高い山は「浅草岳」です。
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さて、帰る事にしましょうか。
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帰りは、多少雪が緩んだけれどもまだ「カンジキ」は不要。
「守門岳」へ向かって下るスベルべママの背中に揺れる「カンジキ」。
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雪の上はコース取り、登山道を歩く心配も無く、雪原全てが登山コースです。
早春の「鬼ヶ面」を歩く(その5終り)
私は帰宅するまで、気取って赤いバンダナで頭をキリリと縛っていた。
それをほどいた私の顔を見て、妻と娘は吹き出した。
鏡を見ると自分も吹き出した。額の真ん中で顔が見事に二色に分かれていたのである。
春の雪山の怖さで太陽と、雪の照り返し。上下からこんがりと焼き上げられるのだ。
数日して、皮が剥け始めた顔でプリントした写真を、妻と一緒に仲間に届けた。
いつも遅れて歩いた先輩は、大きな写真を持って玄関に現れた。
私の写真などかすむ、見事な風景写真だった。その写真の稜線に、雪庇の上に必ず誰かが立っている。
遅れて歩いた二人は、風景に人物を取り込むことに腐心していたのだ。
今まで写真展で何度も入賞している実力を見せつけられたのだ。
次の訪問者のところに向かいつつ、ふと思った。
妻に「この顔の皮が向け始めたと言うことは、何も被らず歩いた先輩の薄くなった頭の運命は」と言って顔を見合わせた。
お邪魔してお茶を頂きながら、皆で大笑いした。先輩の頭もボロボロになり無残な姿になっていたのだ。
(終り)