畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載92-2「烏」

2016-12-10 04:32:04 | 暮らし

    (烏のカッコと母と妹)

         「烏」-2

 ある日の事、小学生たちがはしごを担ぎ賑やかに来る。見るとまだ羽根の生え揃わない、

カラスの雛を何羽か抱いている。私が独活(ウド)を採りに行った際に見つけて、

巣の在りかを教えたカラスの巣から、親の襲撃をかわしつつ、捕まえてきたのである。

 

 私が教えたのだから、一羽を譲ってくれと頼み、小柄ではあるが気の強そうな一羽を選んだ。

幸い家族全員が動物好きな我が家。誰も非を唱えることも無く、私のいない日中は、

母が面倒を見ることになった。

 

 他の家に行った子カラスは、全て死んでしまったが、母の世話のお陰か「カッコ」と名付けた、

我が家のカラスはすくすくと成長した。雑食性であり、餌に困ることも無い。

猫と同じに家に上がり込み、食卓のおかずをさりげなく見回し、気に入ったとなると、

すばやく咥えてしまうのだった。

 

畑仕事には当然のような顔をして付いてくる。母の背負った籠の縁にとまり、

坂道をゆらりゆらりと揺れて行く。畑ではコオロギなどの昆虫が大好物で探し回る。

 

赤い布切れを首に巻いてあげていたので、隣の畑に行ったりすると、

その畑の主は「赤い首飾りをしたカラスがいる」なんて大声を上げて驚いていたものだった。

            (続く)

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雪大根を採った後は・・・。

2016-12-10 04:02:13 | 山菜

 一人で大根を採り終えたけれど、お昼までには時間に余裕がある。

むくむくと、起こるキノコ採りの気持ちにあらがえず、藪に入るとほら、やっぱりありましたよ。

 

 木の高くて手は届かない幹に出ていた。周りを見て手頃な枯れ枝を見つけてつつき落とした。

はい、これはスーパーに「シメジ」として売られているキノコの原種で「平茸」と言う美味しいキノコ。

 こんな美味しい宝物が、少し農道を外れて探すだけで見つかるのだから田舎って良いですよ。

先日の「ナメコ」と言い昨日の「平茸」と言い、野性味たっぷりのまさに山の贈り物です。

 

 はいはい、遊んでばかりいる訳にも行きませんね。

昼食後はまたも一人で大根洗い。凍える手で束子を持ち雪大根を磨き上げました。

 

 大根は青首系だけではなく、残っていた変わり大根も採ってきました。

この大根だって、雪を浴びきっと甘さが増していることと思います。

 

 さて、大根を洗い終えても仕事に終わりは来ない。

今日の「越後の台所 すずきち」さんの仕入れに向けてクレソン採りに行きました。

 いやー、日が当たってきたとは言え、水が冷たい事冷たい事。

たちまち手は凍え、体は寒さで固まってしまいました。クレソンもそろそろ終わりかも知れませんが。

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