畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載91-2「狸とスイカ」

2016-12-02 06:34:08 | 自然

       こちらの畑への珍客は「ムジナ」で彼等もスイカは大好き


   「狸とスイカ」-2

 それまで全く狸の進入の形跡が無かったので油断して、

簡単に結び合わせて補修した。

 目敏い狸は、わずかな隙間を見つけ出し侵入し始めた。

ある日の朝、大根の畝を作ろうと山の畑に行って驚いた。

 

スイカ畑から二十メートルも離れた畑の中に、

大きなスイカが一つ鎮座している。

回りに狸の足跡はあるが、スイカには噛み跡一つ無い。

転がしたような形跡も見当たらない。

 

「狸とスイカ」-2

私の頭の中を色々な推理が渦巻いた。

もちろん見た訳ではないので真相は分からない。

しかし、何匹かで担ぐ。何匹かで抱える。

などと想像して、犬のマックスに推理を話しかけ、一人で笑ってしまった。

 

 そして昼食に帰宅し、一休みして再び畑に行って驚いた。

畑の真ん中にあったスイカが、影も姿も無く消え失せていたのである。

午前中私が仕事をしている間、藪の中からスイカが心配で見ていたに違いない、

と思わせる様な状況である。

 まー良いだろう。今のところは深刻なトラブルも無い。

ここは一つ気前良く狸たちにプレゼントしよう。

                               (終わり)

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連載91「狸とスイカ」

2016-12-02 05:41:37 | 自然

   狸とスイカ」

  山の畑で出来る作物は、土の質と標高の差で何でも美味しく出来上がる。

 しかし、人家からの物音も全く聞こえない程の山の上のため、

野兎・狸・キツネ・リスなどの野生動物の天国であり、

最近ではカモシカさえも出没する。

 

 農作物への被害は、と言えば今のところ目くじらを立てるほどの事も無い。

味が自慢のサツマイモに目を付けられたらと、

恐れているのだが私にとっては失礼なことに、

野鼠が地中でかじるだけで、大型動物による食害は無い。

 

 しかし、スイカは油断すると攻撃を受ける。

まず注意しなくてはいけないのがカラスだが、

これは黒色の木綿糸を張り巡らすことで撃退できる。

 

カラスに次ぐ難敵は狸である。

犬が天敵であり、その抜け毛や糞を回りに置くと良いとも聞くが、

我が家の犬は私に似て動物好きで、

優しいらしく試みても効果が無い。

結局狸の襲撃には手を焼き、ネットを張り巡らして防いだ、父の方法を受け継いだ。

 

 手をかけない割には、スイカは今年も上々の出来具合となった。

しかし、私に油断があった。

七月末から八月の初めにかけて収穫したジャガイモの後に、たっぷりと堆肥と石灰を撒いた。

次の秋の楽しみ、大根・野沢菜・キャベツ・白菜等秋野菜の下準備である。

そしてトラクターで耕したのだが、

ネット際まで後退し過ぎてプラウに一部を巻き込み、

大きな隙間を作ってしまった。

                                       (続く)

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