(カッコおはよう。起きたばかりでスベルべの瞼がはれて、一重だぞ)
「烏」
あーあ、今年もまたやられてしまった。あいつの好奇心の強さにはいつも参ってしまう。
せっかく植えたサツマイモの苗が、畑から抜かれそして並べられている。
そうカラスの仕業である。
人間の奴め、何を面白そうに植えているのかなー。よし、居なくなったら調べてみよう。
とばかりに引き抜くのである。いやただ引き抜くばかりでは無くて、
またしっかりと並べておくのだから始末が悪い。
まるで、苗は配ったのに植え忘れたかのように見えるのだ。
テレビで紹介されたこともあったように、レールの上に石を並べる事さえあると言う。
いたずら者の代表。悪知恵の持ち主。と悪評ばかりのカラスだが、本当は実に知能指数が高く、
驚くべき頭脳の持ち主でもある。
子供のときから、動物好きだった私の愛読書に、「シートン動物記」がある。
その中にもいくつかの言葉を持ち、仲間とコミュニケーションを図る、カラスの生活が紹介されている。
そんな、不思議な小動物、カラスを私は飼育したことがある。
残っている写真で私がその後名付けた「カッコ」の頭を撫でている写真では、
中学校の制帽を冠って写っているから、そんな年齢の時代の事である。
(続く)