夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

福井晴敏著「亡国のイージス」講談社文庫

2005-04-28 00:57:32 | 本と雑誌

如月行 母は自殺 極潰しの父親は 事あるごとに 行を折檻し 女や賭け事に狂って 借金を作り 返済できなくなると・・・

行が漸く心の交流を無器用ながらも始め 愛情を抱いていた祖父を 遺産目当てに殺した

それを知った時 行少年の中で何かが弾けた 彼は・・・・・大切な祖父を殺した父の存在を許せなかった

父と息子

この関係が 物語の本筋の陰に存在します

こうあって欲しい父親を得られなかった息子 息子を国家権力に奪われた父

様々な男達の思いを包んで 物語は進みます

川は海へつながる

そうして海は何もかも受け止めて 浄化します

あくせく じたばたする人間達へ 希望を失わず生きること 再生が命さえあればできることを 教えてくれるのです


福井晴敏著「川の深さは」講談社文庫

2005-04-28 00:38:10 | 本と雑誌

若者は少女を守る為に命を賭けた

少女と その父により{人間}に目覚め・・・

元刑事で妻子に去られ 燻っていた男は そんな若者との出会いにより 生きる意味を見つける

ある意味「亡国のイージス」の原型とも言うべき また「亡国のイージス」へ 続く物語でもあります

デビュー作は「トゥエルブ Y・O・」ですが

この「川の深さは」を 本当のデビュー作と言ってよいでしょう

作家の大沢在昌氏をして{この作者のファンになった}と 言わしめた作品です