ゼロといれば暗闇でも怖くない 「一生懐中電灯は必要ないな」
非常識なほど頭が光り輝いているから
「証拠って」
「自分たちでベラベラ喋ったろ あれリアルタイムで録音送信
今頃 部隊が ここへ向かっている」
「で終わり?」
ゼロは答えなかった
ゼロの両親が捕まるのだ 異母弟も
内心どうなのだろう
「檻の中にいていただいた方が安心できるってものさ」
レベッカの心を読んだかのように ゼロが言った
「そうはさせんぞ~~~」
戦車のような車椅子に乗ったオオゾン・フエルズが 追いかけてくる
「待て~金儲けの素~~~」
待てと言われて待つ奴は ふつういない
だがゼロは壁に張り付いた 「先に行かそう」
勢い良く車椅子は走っていく 何処かに衝突したのか 凄い音がした
「気の毒な人だ こっちへ行こう」ゼロは次の角を曲がった
「ところでターザンごっこ好き?バンジージャンプは?」
ゼロの問いにレベッカは凄くスゴーク嫌な予感がした
「こっちの道は早道だから」 言うやゼロはロープを掴み レベッカに端を巻き付けた 「行くぞ」
床がバタンと音立てて開き 二人の体は外に 空中に投げ出された
「地下にいたんじゃなかったの?」
「作り手がいかれてるだけに 常識外れの建物なんだ」
すると下で声がした 「レベッカちゃん み~~~っつけ」 アンディだった
どうにも緊迫感に欠ける
しかし取敢えず脱出なのだった