夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

京極夏彦著「数えずの井戸」中央公論新社

2010-03-23 20:45:42 | 本と雑誌

京極夏彦著「数えずの井戸」中央公論新社
京極夏彦著「数えずの井戸」中央公論新社
京極夏彦著「数えずの井戸」中央公論新社
京極夏彦著「数えずの井戸」中央公論新社
京極夏彦著「数えずの井戸」中央公論新社
美しい装丁の本だ
カバーを外した中の井戸がまた怖い

凝っていると言えば 凝っている

扱われているのは皿屋敷

怪談ばかりか落語にでも出て来るお菊さんの話だ

私はこの話を幼い頃 母に教えられた

姫路城にもお菊の井戸はあるし 市内にはお菊神社もある

似たような話は全国にあるらしい

番町皿屋敷ー幾度もドラマ化もされている

そう私が母から聞かされた話はー

お菊と言う女中が家宝の皿を割ったことを責められ 斬り殺されて井戸に死体を捨てられた
やがて夜になると井戸から お菊さん・・・腰元姿のずぶ濡れの女の幽霊が殺された時そのままの姿で出てきて 世にも哀しそうな声で一枚二枚三枚と皿を数えていく

幾度繰り返し数えても 割った皿の数は足りない

声は繰り返すごと泣き声が混じる

啜り泣きが入る

七枚八枚九枚 九枚 きゅ・・・う・・・ま・・・いぃ・・・
一枚足りない いちまい・・・たりな・・・い・・・

割ってしまった十枚目の皿はたとえ死のうとも数えられぬ

毎夜 幽霊は足りない皿を数える

終わらない

終わらないから お菊の祟りは終わらない

矛盾がある
自分が割ったのなら数は足りなくて当たり前

それなのに死んでまで 自分が割った無くて当たり前の皿の数を数えるとは もしやお菊さんは馬鹿なのだろうか

いやいやと 実はお菊は密偵で播磨を探りある証拠を見つけようとして正体がばれ責め殺されたのだよと

いやいや実は播磨とお菊は恋仲であったのだ
播磨に縁談持ち上がり
お菊は男の気持ちを家宝の皿を割ることで試そうとして
その心の浅はかさが 播磨の怒りをかったのだと

また色好みの殿様が 最初からひびの入った皿を菊に運ばせ それは家宝の皿
その罪赦して欲しくば 儂の言うことを聞けと迫ったとか

話の種類は色々ある

なぶり殺し
斬殺される
自害する

死に方はどうでも お菊の死体は井戸の中に入り沈み

やがて井戸から幽霊となって現れ 皿の数を繰り返し数え 屋敷の者達に祟るのだ

その話を 京極夏彦氏が 常連の小股潜りの又市 幻術の徳次郎を配して組み立て直した

一度壊し ばらばらにし 皿 お菊 播磨 井戸

要素を入れ撹拌し 取り出してみせる

その物語は 父が死に屋敷の主人となった播磨に おばが勧める縁談相手が押しかけてくる

事情あって播磨の屋敷で働く菊に 播磨の縁談相手の娘は 悪感情を抱く

そして播磨と家宝の皿を求めた

播磨と同じ道場でもある主膳は 播磨の縁談相手・吉羅を凌辱する

播磨を慕う仙は 主膳に抱かれながら 平然と屋敷に居座る吉羅が許せない

お菊の幼なじみに お菊の育ての母

播磨の父のしていたこと

主人に褒められたい側用人

諸々の因縁がじわじわと絡み ぐるぐるととぐろを巻き 捻れに捩れ ばん!と弾ける
人は狂う

見失う

望んで壊れるか

正気が消えないから哀しいのか

この物語でも 菊の死んだ体は井戸へ消える

この物語で青山播磨は悪い人間ではない
悪人ではないのだ
馬鹿でもない

ただ 私のようながさつな人間は

ええい このスカタン お前がしっかりせんかい!と蹴飛ばしてやりたくなる

しかし それでは物語にならないのだ

書きも書いたり
よくぞ書ききったものだと思う


雨の朝 庭から

2010-03-23 07:56:18 | 子供のこと身辺雑記

雨の朝 庭から
雨の朝 庭から
雨の朝 庭から
雨の朝 庭から
雨の朝 庭から
牡丹が蕾をつけていました
春というより初夏の花の印象もある牡丹
バラと競うように咲きそうです

雪柳の花もかなり咲いてきています

林檎の芽も元気です 惜しいなと熟すのを待つうち 小鳥さんに食べられてしまう林檎の実
今年は食べられるでしょうか


リック・リオーダン著「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」ほるぷ出版

2010-03-23 00:11:48 | 本と雑誌

リック・リオーダン著「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」ほるぷ出版
リック・リオーダン著「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」ほるぷ出版
リック・リオーダン著「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」ほるぷ出版
リック・リオーダン著「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」ほるぷ出版
リック・リオーダン著「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」ほるぷ出版
難読症で何か事件が起きてしまい問題児と見られ転校を繰り返してきたパーシーは 父親を知らない

大嫌いな義父は・・・いる

寄宿学校の校外行事で行ったメトロポリタン美術館で ドッズ先生は怪物となりパーシーを襲ってきた

もう一人のブラナー先生の助けが入って パーシーはきり抜けるが

ブラナー先生が投げたボールペンは青銅の剣と変化した

パーシーの母は一緒に旅行に出ようと誘う

その旅先に同じ寄宿学校にいた友人のグローバーが現れ危険を教える

車で逃げ出す三人だが 追いつかれパーシーの母親が怪物に捕まって消えてしまう

どうにか怪物を倒しグローバーを連れ 逃げたパーシーは倒れる

やがて気がついた彼は自分が神と人間のハーフだと教えられるのだ

パーシーはゼウスの大切なものを盗んだ疑いをかけられてもいた

それを取り戻し 無実を証明しなければ 命を狙われるし大変な戦いが始まってしまうのだ

パーシーを守る為 人間界にいたグローバー(正体はサテュロス)とアテナを母に持つアナベスと共に危険な冒険の旅に出る

パーシーの父親はポセイドンだった

ゼウスにポセイドン そしてハデス 三兄弟がそれぞれに戦うよう企む存在があった

パーシーはその企みを暴くが 信じていた人間に裏切られる

迫力ある映画にもなったこの小説は 全5巻
ちょっと厚いので 読了に時間がかかるだろうなと 買ったものの暫く読みあぐねておりましたが
読み始めてみたら なんて楽しい 面白い

子供の頃 ギリシア・ローマ神話や英雄冒険潭など夢中で繰り返し読んだことを思い出しました

ああ昔の英雄が主役の特撮映画また観たいです