「ジーン・ワルツ」の内側的ストーリーとでも言うか
産む人間 生まれてくる命
頭が良すぎて{何か}が欠落して見える人間
医療問題
産婦人科が抱えるあれこれを小説の中で示す
みどりは産科医の娘の理恵から子宮に問題があり妊娠を継続できない自分の代理母として出産してほしいと依頼される
何処か理解しきれず寂しい思いを娘に対して複雑な想いを抱いてきたみどりだが 妊娠が確定してから 理恵が自分に黙ってアメリカで暮らす夫と離婚したこと
更に理恵がみどりのお腹に息づかせた精子の持ち主についても 苦悩を深める理由となる
貸し腹
しかし産む以上 代理で産んでも 一定期間お腹の中で命を育む以上 産み終わって無関係な他人と言えるのか
医学的な見地だけでは片付けられない問題
人の心 感情を忘れてはいけない
命を玩具にしてもいけない
誰かの一生を破壊して
もしくはこれから生まれる遺伝子上の自分の子供達を利用して それでも医療現場の為に魔女と呼ばれる理恵は 革命を起こすのだろうか
減り続ける産婦人科 安心して出産できない妊婦
一定期間お腹に大事に抱いてきた赤ちゃんが産めない
産む病院がない
その現実
作者の作品に借りて訴えたい現実
たとえそこまで 母となることを願う人間が存在しても
代理母
この言葉に抵抗する気持ちがある
産婦人科医の戦わなければならない問題とは別に
物語の中では 代理母でもあるみどりは 理恵と母と娘としても理解しあう
読後ーう・・・んと色々考えてしまいます