夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「恋する魔法使い」-23-

2017-05-01 22:37:24 | 自作の小説
ー初めて見た時の君は何の愁いなく輝いていた
その輝きに僕は魅せられた
ひと目で恋に落ちていた
自分が何者であるかも忘れ ごく普通の若者のように
僕は ただ恋に落ちていたんだー

シャンデ将軍と別れてから少し一人になろうと城の外に出たベルナーは いつかロズモンドと初めて会った川辺にたどり着き知らぬ間に歌っていた

ーこの忙しい時に何をやっているんだ 戻らねば 城にー

踵を返したベルナーは・・・ロズモンドの姿を認めた
特徴ある緑を帯びた栗色の髪は太い一本の三つ編みにして肩に垂らし 城にいる時よりは少し短めの動きやすい服を着て 覆いをかけた篭を両手に抱えていた

ほぼ同時にロズモンドもベルナーを見つける
知らぬ顔をして素通りできる距離ではなかった

ベルナーは 初めて会った時より痩せて愁いを帯びてはっとするような美しさを湛えるようになったロズモンドを暫く見つめた
「その篭は」

「祖母から城の皆さんへのおみやげです -暇つぶしに作ったお菓子なのだとかー
長い事 顔を見せないと心配するから会いに行っていました」

以前の屈託ない笑顔でなく口許だけの笑み
声の響きも少し暗いロズモンド

ーもう あのくだけた物言いは 言葉遣いを聞くことはできないのか
そうだ この俺のせいだ
もとはといえば俺が作った壁だ
あの明るさを壊して 奪ってしまったのかー
「アクシナティへ行くことも話したのかな」

「いいえ・・・言えば大反対しますもの
母は祖母とはうまくいってなくて 祖母は祖母で母のあら捜しばかりするので
どちらも用事があると私を通すんです」

「それは 疲れるね」
ベルナーは話しながらロズモンドの持つ篭に手を添える「僕が運ぼう」

ー両手をふさいでいないと この手でロズモンドを抱きしめてしまいそうになる
ロズモンドのいじらしさに負けてしまいそうになるー

「すみません」


ーもうベルナーとすら呼んでもらえないのか
どれほどこの女性(ひと)にベルナーと呼ばれるのが嬉しかったか 好きだったかー


ーできるなら・・・ああ・・・・-
同じくロズモンドも辛い思いを抱えながら それでもベルナーと一緒にいられることを嬉しく思いながら歩いている
「ファナク様は 貴方様に心を寄せておいでです」

「あの方は頼る人間を必要としている たまたま今はそれが僕だというだけです」

「好きという気持ちは そんな単純なものじゃありません」
ベルナーがファナクの想いに気付いていないはずないのに言ってしまうロズモンド
つい つっかかるような物言いをしてしまう
自分と同じようにベルナーも苦しんでいることに気付けない


「僕は・・・」
言いかけて唇を噛むベルナー
ー大切なのは君だけだ!叫びそうになるのをギリギリのところで抑えている

ベルナーもロズモンドも本当に言いたいことを言わずに 言えずに歩いている

「僕は?」ロズモンドが問いかける


「いや・・・ただ船旅は危険だから
君にアクシナティへの旅をさせたくない」


「ファナク様は とても心細い思いをしておられますもの」


城門まで来るとベルナーは篭をロズモンドに戻した
「すまない・・・用事を思い出した」

「ベルナー・・・様・・・」

「様はいらない 
船で眠る時は気を付けるんだ 船の中では一人きりでは動かないように
ひとりで何もかも引き受けるんじゃない」

言うなり大股でベルナーは遠ざかっていく
その後ろ姿を ただ見つめるロズモンド


アクシナティの船の護衛と ベルナーやロズモンドの帰途の為にレイダンドの船も出航する


ーすっかり美しく成長してから存在を知った娘ロズモンド
初めて姿を見た時 その娘は自分の恋する男の命を案じて泣いていたー
カズール・シャンデ将軍の中でロズモンドはベルナーと対で浮かぶ

ロズモンドをロズモンドだけを守ってほしいと頼んできたベルナー

一人でかの領域へ戻らねばならない身だと言うベルナーの表情

男親としては非常に複雑ではあったがー

ベルナーがロズモンドを連れて逃げたなら 追いかけただろうが

ー娘が幸福でない状態でいるのは嬉しくないー

 かの領域の弟子たちを連れアクシナティ国へ向かうレイダンドの船に乗り込む予定のバイオンのもとへと 不本意ながらカズール・シャンデ将軍は向かったのだった

皮むけば 小さくなりし 筍よ

2017-05-01 22:31:31 | 子供のこと身辺雑記
30cmの鍋にいっぱいの筍も皮をむいてくと 着ぶくれしていたのね 君(笑)状態になってしまいます



横着してスジをむいてから切って茹でた蕗






厚揚げと一緒に煮ました


炊き込みご飯

煮物

ーときたら次は筍を焼いて 筍ステーキとしゃれてみようかな^^;
また筍 買ってこようっと

真面目に笑いを取る方々

2017-05-01 12:13:48 | テレビ番組
Eテレで「第38回俳優祭」の様子の放送がありました

昭和32年に始まり今年で60年になるそうです
これまでの俳優祭の様子も流れます

過去の演目は「白雪姫」「シンデレラ」「ベルサイユのバラ」などを扱ったものもあり

ものすご~~~~いお姿の「ベルサイユのバラ」でした
でもって宝塚の「ベルサイユのバラ」の「愛~~~~それはかなしく」なんてお歌もー
ー世の中には観ないー知らない方がいい世界もあるーお舞台でした

普通の舞台が終わってから 深夜までずうっと俳優祭の準備をする役者さん方
Tシャツの数が合わない

お客さんと一緒に撮影するコーナーはこの広さで大丈夫なのか
看板の位置はー


舞台のセット
大道具の動きはこれでいいだろうか
歌舞伎俳優の役者の方々 皆さん力を合わせて意見を出し合って
お客様に喜んでいただけるように汗だくでー

当日の案内をされる女優の石田ひかりさん

出演者と演目は(ちょっとコピーしてきました^^;)

■演目(昼夜同一狂言)
坂東亀三郎 監修
藤間勘十郎 振付
一、
舞踊二題 
(上) 「二つ巴」(ふたつどもえ)
 
 
(下) 「石橋」(しゃっきょう)
 
坂東亀三郎 監修
二、模擬店
 
三、「月光姫恋暫 ―かぐやひめこいのしばらく―」 
尾上菊之助 監修
市川海老蔵 監修
中村京蔵・山崎咲十郎 作
尾上菊之丞 振付
 
 
■主な出演予定者(順不同) 
坂田藤十郎
尾上菊五郎
中村吉右衛門
中村梅玉
片岡仁左衛門
坂東玉三郎
松本幸四郎(昼のみ)
市川左團次
中村魁春
中村鴈治郎
中村雀右衛門
中村時蔵
中村又五郎
水谷八重子
 
中村歌六
市川團蔵(夜のみ)
坂東彦三郎
嵐 橘三郎
市川右近
市川右團次
市川右之助
市川海老蔵
市川笑三郎
市川笑也
市川猿之助
市川猿弥
市川男寅
市川男女蔵
市川九團次
市川弘太郎
市川高麗蔵
市川寿猿
市川染五郎
市川團子
市川中車
市川門之助
市村家橘
市村橘太郎
市村竹松
市村 光
市村萬次郎
大谷桂三
大谷友右衛門
大谷廣太郎
大谷廣松
尾上右近
尾上菊之助
尾上左近
尾上松緑
尾上松也
片岡愛之助(夜のみ)
片岡市蔵
片岡亀蔵
片岡千之助
片岡孝太郎
片岡秀太郎
片岡松之助
上村吉弥
河原崎権十郎
澤村宗之助
澤村由次郎
中村歌之助
中村梅丸
中村歌昇
中村壱太郎
中村歌女之丞
中村勘九郎
中村亀鶴
中村吉之丞
中村錦之助
中村児太郎
中村芝翫
中村七之助
中村獅童
中村寿治郎
中村扇雀
中村鷹之資
中村種之助
中村玉太郎
中村鶴松
中村東蔵
中村虎之介
中村梅花
中村梅枝
中村橋之助
中村隼人
中村福之助
中村松江
中村萬太郎
中村米吉
波乃久里子
坂東亀三郎
坂東亀寿
坂東秀調
坂東新悟
坂東巳之助
坂東彌十郎
松本錦吾
松本金太郎
 
 
出演された役者さんとかの情報あるサイトさん↓楽しいですよ!

https://togetter.com/li/1095428

丁寧な感想あるブログさん↓

https://ameblo.jp/theatregoing/entry-12261168045.html

http://blog.livedoor.jp/ryo_ktrg/tag/%E7%AC%AC38%E5%9B%9E%E4%BF%B3%E5%84%AA%E7%A5%AD

、「月光姫恋暫 ―かぐやひめこいのしばらく―」 
尾上菊之助 監修

これがね メチャクチャ楽しかったです

中村獅童さんは確か絵本「あらしのよるに」を歌舞伎にして演じられているのですが
その役そのままにオオカミ
尾上松也さんがヤギ

舞台は最初 月にてもてあまされたやんちゃな姫(市川猿之助)が地球へ出されることになり
(姫の父親は片岡仁左衛門さん 母親は板東玉三郎さん お美しいです)

地球ではおじいさん(尾上菊之助)が「子を授かる夢を見た」とおばあさん(市川海老蔵)に話します

ー尾上菊之助さんと市川海老蔵さんはこの催しの実行委員とかー

竹林ではオオカミとヤギが光る鏡を見つけて取り合います
そこに山男(中村勘九郎)と松若(市川染五郎)が現れ どちらも鏡と取ろうとしますが

授かった子供を捜すおじいさんやおばあさんも現れ
山男の父親と仕える女性も現れて 暗い夜の中ー

何故かEXILEのぐるぐる回る動きをしたり 見得をきったり 大騒ぎ

そんな中 出現した姫の輝くような美しさ(そういう設定になっています^^;)を見た山男は一目惚れ

大切な鏡は松若が持っていってしまいます

山男は花道で星野源さんと新垣結衣さんのドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で人気の恋ダンスを踊ります
はい 彼は恋に落ちたんです その表現です

深く考えてはいけません

あれやこれやのつっこみどころを重ねつつ 物語は進んでまいります

姫はおじいさんとおばあさんの子供に強引になるのです
自分を大切にするように半ば強迫して

何しろこの物語はかぐや姫と誰も寝てはならぬーで有名なトゥーランドットの話も交じっております
他にも色々合体している多面体

姫の為にブランド品を買いあさるおじいさんとおばあさんは自分達も姫のいいつけできんきらきんの恰好をしております

姫様の力で得た豪奢な屋敷には美しい姫の婿になりたいと押しかける男達
三度の謎に正解しなければ 首をはねられるのに・・・
殺されても殺されても 押しかける男達

出される問題は 〇〇駅の近くのクリーニング店の名前
〇〇の角にあるお店の名前
行列のできるラーメン屋さんの名前
など時代考証無視の いつの時代や~~~というものも

また去年の紅白歌合戦の大トリの名前は
去年の漢字は

とっても簡単な計算問題もありましたが

どの問題にも正解は出なくて みんな斬首の憂き目にあいますが
思い思いの死に方をされます

赤いパンツをかぶり死んだことにしたお方は 死んでいるのに動きます

おじいさんとおばあさんも姫からお仕置きされようという時に 声がかかり現れたは山男
姫の美しさが忘れられずー
ところがこの山男 姫自らが出した問題に全部正解

山男が好みのタイプでない姫はいやだと拒否ります

すると山男 自分の実名を夜が明けるまでに答えなければ 姫の婿になるーと

姫は山男の実名を知る者は名乗り出るように国中にお触れを出せ

捕らわれてきたは山男を追ってきた老人と侍女

名前を知っていようと責められる老人
庇う侍女

侍女は自分が名前を知っている 言うから縄を解いてくれーと 縄を解かせて
お慕いする若様(山男のこと)の仇になることができようかと 責め手の刀を奪い取り我が身に突き刺し自害します

その侍女の無償の愛に心打たれる姫

山男も目が覚めます
姫の美しさに大切なしないといけないことをおろそかにしていた
何としても奪われた大切な鏡を見つけ出し家を再興するのだと

舌を噛んで死のうとする老人(実は山男の父親)を押しとどめます


鏡の行方は姫が知っておりました
間抜けな筍の姿に身をやつしている松若

姫の力で鏡は取り戻され
暴れた松若は竹の向こうへ消えていきます

松若を演じる染五郎さん 中々退場せずに笑いをとってくれます

羽根突きの羽根のような紫色の羽根を幾枚もつけた謎の冠をつけた帝(尾上菊五郎)が現れ 姫に求愛するも 
姫は月に帰らねばならず 不老不死の薬を置いて迎えにきた天女と共に花道を月へと帰っていきます

帝は美しい高い山へとその薬を投げ入れるように言います
「不老不死の薬よりも 台詞を覚えられる薬がほしかった」そうです

内大臣が薬を入れた山は煙を出します
帝さん「不死の山 ふし ふし ふし これからは富士と呼ぼう」


大団円にて幕


帝に呼ばれて答える陰陽師さんのセリフ
何かのセリフを(忘れた)言いとちり 内大臣より教えてもらう

ピコ太郎のふりをするお方あり


そうそうたる名優たちが 大真面目にあほをやる無茶苦茶だけど歌舞伎だよん

日頃 歌舞伎を見ない長男も大笑いの出し物でございました