夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

鵜飼克郎・岡田晃房・別冊宝島特別取材班「貴の乱」(宝島社)

2018-02-22 20:13:27 | 本と雑誌
貴の乱 日馬富士暴行事件の真相と日本相撲協会の「権力闘争」
鵜飼 克郎,岡田 晃房,別冊宝島特別取材班
宝島社



帯には{相撲協会に巣食う「悪いやつら」 爆弾スクープ
貴乃花VS八角理事長「一触即発の120分」密室の「理事会議事録」全文スッパ抜き!}

などと 御大層な言葉がある


が!あえて言うならば 中身は「すっかすか」だ


劇画「鳥取の惨劇」に至っては散々ワイドショーでがちゃがちゃ騒がれた危機管理会T野氏発表の途中報告をほぼそのまま漫画にしただけ

数年前から これまでK氏として週刊誌で書かれ2ちゃんねるでも名前の挙がった小林慶彦氏を貴乃花親方と結びつけていかにも貴乃花親方が悪いのだーと楽しそうに書かれている

そこにさして目新しいものはない
あるとすれば だから貴乃花親方は信用できない 悪い奴なんだ

正義の味方でも何でもないよ

相撲協会の方がさ 八角理事長の方がマトモなんだ
大相撲のことをよく考えているんだよ

だから貴乃花親方を英雄のように思う貴乃花信者なんてさ やめなさいよ
騙されているんだよ


そんなふうに思うように書かれている

でも根拠はあくまで相撲協会側の誰かからの情報

相撲協会側の誰かの意を汲んで書かれた この時期 貴乃花親方ってヘンな奴なんだ
ーって人気落としのせこい了見で出された本のようにも思える


ジャーナリスト鵜飼氏の書かれた―貴乃花親方が許せない「モンゴル互助会」の知られざる仕組みと掟のー
209頁から228頁は読むに価する

続いて住む評論家の中澤潔氏のー「貴乃花潰し」で得をする者は誰もいないー」角界の未来を暗転させる貴乃花と相撲協会の長く不毛な対立ーも
全面同意はできないが その考え方は理解できる


ある週刊誌に貴乃花親方はこう答えていた
「これまでも散々書かれてきたから (本当でないこと)書かれることには慣れている」

そして噂の小林慶彦氏については「会えば挨拶はします するとまたあれこれ書かれてしまう」


もうこうなると貴乃花親方が好きか嫌いかで何を信じるかは分かれる
嫌いな人間は「やっぱり貴乃花あかん奴や」
「こんなん書かれてる これ読んでもまだ貴乃花親方を信じる人間は頭がおかしい」となる


考えてもみてほしい
あれだけの横綱としての実績と現在も続く人気があれば おとなしくしていればー理事の座も理事長の座も転げ込む

それなのに何故 いままでも騒動になるようなことを貴乃花親方がしてきたか
それは大相撲がこのままでいいーと思わないから
何を書かれようと どう思われようと正しくありたい
大相撲の世界がずうっと続く誇れるものであってほしい

人間はいつまで生きられるか分からない
その人間に残された寿命は命は 誰にも分らない

この本を読んで それでも貴乃花親方を信じる
応援したいーと書けば

だからアホなんや 貴乃花信者はーと笑う人間も多いだろう


で?
それが どうした
と私は思う


白鵬は貴乃花親方が行くなら巡業に行かない

自分が負けると抗議する


そして自分の優勝に万歳三唱を観客にしいる



大相撲は白鵬のモノか?



相撲協会は暴行事件の現場にいながら口をぬぐうような そんな横綱を有難がる

それでは相撲での暴力事件は無くならない
これはさ兄弟子が土俵の上で稽古が強く行き過ぎた「かわいがり」ではない

何故か酒の席に揃ったモンゴルの先輩三横綱
流血するまで止められなかった暴行
それこそ流血の惨劇だ


暴力の犠牲となった貴ノ岩を不遜で無礼な人間と描いた漫画も問題だがー

この途中の相撲協会側の報告が真実か?!
ジャーナリストというなら名乗るのなら そこをこそ追及し調べて書いてほしかった


これは ただ相撲協会が問題にしている貴乃花親方のテレビ出演
インタビューに答えた貴乃花親方を貶める
信用できない人間ですよー
って宣伝したくって出しただけの いわば相撲協会の陰険な意趣返しの本とも呼べるかもしれない

ま~
私も買ってしまったけれど この時期 出せば売れるでしょうし
出版社には本が売れることが何よりのことなのだし


貴乃花親方の人気を落としたい相撲協会の誰かさんには 繰り返し言っておきましょう
「だから どうした?!」「それで?」


そんなに貴乃花親方の人気が羨ましいか
妬ましいのか


貴乃花親方が理事長になっては困る そう それこそ何かがあるのかと
この本を読んで 私はますます相撲協会側の誰かさんの闇を感じましたが