うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

市川雷蔵の陸軍中野学校

2008年05月26日 18時34分20秒 | わたしの日常です。
昨日の雨が嘘であったような快い晴れ。青葉繁れる‘小満’も既に過ぎた。野外の温度も上がり、紫外線が強い、もうすぐ衣更えの季節だ。
 休みの日、活字中毒のわたしは10年以上も前の総合雑誌を読んでいる。新刊はたまに買う。押入れの中から綿ぼこりのかぶったものを引っ張り出す。文芸春秋、諸君、新潮などだ。石原慎太郎の青嵐会、細川内閣がどうだとか、北朝鮮の拉致疑惑判明の頃とか、小沢一郎の自由党だとかが記事になっている。そういう古い読み物を読むと、いかに将来予測が難しいか、思わず笑ってしまう。得々として、学者などが小賢しげに現状分析して読者に知らしめている構図がなんだかたとえようもなくおかしい。

 ところで、この間、やっと探し求めていた大映映画の市川雷蔵の陸軍中野学校の5枚組DVDを入手できた。セット価格¥21,000,わたしは購買力が落ちているので、もちろん,分割払いだ。過去の映画俳優では赤木圭一郎、垂水悟朗が好きであったのだが、市川雷蔵の魅力にひかれたのはずうーと後で30才後半のころ。静的で明るいのか暗いのかわからないキャラクターがいいのだ。役回り上もせりふは全体的に気障なのだがそういう風に感じさせない。京都弁を下地にして標準語をしゃべると独特の雰囲気を出す。正直にみるとイントネーションはめちゃくちゃだ。しかしあえて言うと思索的な音律だ。感情を出さず抑揚のない叙述体の会話。
 1966年代製作なのでカラー化されていたはずだが(総天然色と言った)、このシリーズは白黒で撮影されている。そこに様式化されたものを感じる。
 ・陸軍中野学校
 ・陸軍中野学校--雲一号指令
 ・陸軍中野学校--竜三号指令
 ・陸軍中野学校--密命
 ・陸軍中野学校--開戦前夜
 女優陣ではきりりとした小山明子、初々しい野際陽子、個性的で演技派の村松英子がいい。小川真由美はこんな若い時から薄倖な役なのだ。でもなぜこんなにも生き生きしているのだろう。この間、雑誌で、乙羽信子の若い時のポートレートを見たが、さすがにあの笑顔には恐れ入ったもの(当時、百万ドルのえくぼと唱された)。
 今の映画と比べては失礼千万だ。抵抗もなくリメイク版を製作する。今はすべてにおいて貧しい。現代の俳優はきっと日常生活もそうなんだろうなと簡単に想像できるような舌足らずそのまんまの演技力しかない、不勉強さえ気づかずにいる横着な姿勢。
 もうひとつ、余計な事を言う。ビートたけしは、映画製作だけはやめた方がいい。すべて無内容の凡作ばかりだ。所詮、才能がない、ということだ。もう俳優業も先が見えている。せいぜいが、稀代の万能ディレクターという役どころを褒めてもいい。
 ちなみにわたしは、年を取っているから昔のものがいいというのではなく、いいも悪いも数をこなしてきているから言っているに過ぎない。

 37才でガンで逝った市川雷蔵、わたしにはこの人の持つ昏さが気にかかる。40年弱経った今でも、女性によるファンクラブが活動していると聞く。
      

コメント (1)
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