韓国ドラマ・ガイド トンイ 後編 (教養・文化シリーズ) | |
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前回の記事は、こちらから。
トンイの真意を聞いた王様。どういう行動に出るか、トンイも想像が出来なかったようです。
それ以来、王様は一人になり、思考を重ねていました。
そして出した結論が、周囲を驚かせました。
なんと、トンイを宮廷からイヒョン宮に下がらせる…と言うのですから。
また、それを最初にトンイに話さず、中殿に話し、中殿の口からトンイに告げさせたのですから。
いつものトンイを寵愛してきた王様の行動じゃありません。
それに、世子を世継ぎとして会議に加わらせ、次世代の王様としての教育を本格的に始める・・・という内容の宣旨を出したのです。次の王は、世子であると、それに関してのいかなる争いも許さぬ・・・とね。
その理由は、はっきりとは言いませんでしたが、ヨニン君を王位に・・・と画策したからだとにおわせました。
少論派は、とうとう王様がトンイに三行半を突き付けた・・・と喜びました。
でも、ムヨルだけは、その決定に疑問を抱いてました。
トンイは周囲の者たちが王様に抗議すると言うのを押さえ、静かに過ごしていました。
チョンスは、黙っていられず、王様のところに押し掛けました。どうも、その時王様の本意を聞いたようです。
王様は、トンイを宮廷から出し、その宮で自分も一緒に暮らすつもりなんです。
つまり、世子に王座を譲り、一線から退くと言う事ですわな。
多分、自由な身になって、若い世子の後ろに控え、政治の助言をしていく…って事でしょう。
その時、ヨニン君を世弟とすると言うのです。そうすれば、世子もヨニン君も王座に付けるし、二人とも守れると。おそらく世継ぎを授かる事が出来ない世子のためにも、ヨニン君が世継ぎとして控えてくれれば、世継ぎ争いが起こる事も無く、有力両班による政治の混乱も起こらないであろうと考えたのです。
そして、王様は、仮病を装い、地方に行くのですが、出発時刻をトンイにもきちんと知らせず、とっとと出発。それには、目的がありました。
以前、チャン妃達が、息子を世子と清に認めてもらおうとしましたが、それと同じです。・・・多分。
自分の譲位と世子の即位を認めてもらうため、清の使節を呼んでおいたんだと思うんですよ。
王様は、トンイに手紙を残していました。
“トンイは中殿になる事を拒んだが、それは、世子とヨニンと、自分を守ろうとした為であるとわかっている。今度は自分がトンイを守る番である。・・・”
ムヨルは、出発前に王様が調べていた事等をもとに、王様が譲位するつもりだと気づきました。
そして、ヨニン君を世弟とするつもりだということも。
だから、阻止しようと王様の留守中に事を起こすことを決断。
宮中に残る兵を全て自分の指揮下に置きました。
その上で、トンイの出宮を早めるよう中殿に進言。トンイ達が世子を狙っているとの嘘を申し立て、自分にそれを防ぐ策があるからと言いくるめたのです。
それは、昔、コムゲが陥れられたような策でしたね。
世子が出かける日程、行程とトンイの出宮を合わせたのです。トンイが狙われている・・・と見せかけているから、当然チョンスがそれを守ろうとします。
でも、兵は全てムヨルが握っているから、味方の両班の私兵を率いました。そして、トンイの出宮の行列を遠くから警護しようとしたのです。
しかーし、トンイの一行は時間を遅らせるよう輿を担ぐ者達の体調を崩すよう薬を盛られていまして、チョンスが見たのは、世子の一行。でも、一見するだけじゃ、それが世子だかトンイだかわかりませんからね。
で、世子一行がある場所にさしかかった時、爆薬が爆発
チョンス達は、それが、トンイを狙ったモノだと勘違いして、一行を守ろうと押し寄せたのです。直前に策に気づいたトンイからの“動くな”と言う伝令から、チョンスはそれを止めようとしますが、一人じゃ無理。
一気に騒乱になってしまうのです。
それによって、チョンスは捕縛。トンイが世子を狙って起こした反乱だとムヨルは中殿に上申。トンイ、ヨニン君をはじめとした一味を捕らえよと言う内旨を出すよう、中殿に迫りました。
中殿は、迷ってました。
トンイが権力を握れ、ヨニン君を王座に就かせる事も思いのままになるはずにもかかわらず中殿の座を拒んだ事。世子を守りたいと言った事等々の言葉や事実が、ムヨル達の言う様な、世子を狙っている話しとは辻褄が合わないからです。
それに、トンイの言葉は、真実に聞こえたようですから。
でも、決断したようです。
内旨を出しました。
ムヨルが意気揚々とトンイの元にやって来ました。
そして、兵に、トンイを捕縛するよう申しつけるのです。
しかし、兵は動きません。
ヨニン君の住む殿にも兵がやって来ます。内人は焦りましたが、それは、ヨニン君を警護するためのモノだと判りました。
捕まえられたのはムヨル達。
中殿の内旨は“世子の命を狙った者たちを捕まえよ”と言うモノで、それは、トンイを指しているのではなく、ムヨル達だったのです。
さあ、最終週です