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ジウォンは、夫がト・ヒョンスからペク・ヒソンに成り代わったのには、それなりの理由があると思いました。
その事情が、自分が許せるものであってほしいと思いました。
刑事として、冷静に、その事情を探ろうと考えていました。
そのためには、今まで通りの自分でいなくてはいけません。決してヒソンに気づかれてはいけないのです。
ジウォンは、新しい腕時計をヒソンにプレゼントしました。
以前の時計は、どうしても見つからなかったとヒソンには言いました。
この時計にはGPSが仕込んでありました。
チョン・ミスク事件の目撃者から提出された留守番電話の音声を、キム刑事はネットで公開しました。
ヨンジュ市連続殺人事件には共犯者がいたと言う事が、あっという間に世間に広まりました。
キム記者は、テレビの番組で目撃者の証言内容を詳細に発表。
ヨンジュ市連続殺人事件が再度世間の注目を集めることになったのです。
チョン・ミスク事件が目撃者によって通報された時、車のナンバーからト・ミンソクが容疑者となりました。
しかし、息子のト・ヒョンスがアリバイを証言したこと、目撃者が脅迫者の留守電を聞いて証言を撤回したことから、事件は曖昧なままになってしまいました。
なのに、その後、ト・ミンソクが自殺したのです。
そして、ト・ミンソクの地下の工房から被害者たちの爪と所持品が発見されたものの、公訴権が消滅したことにより、事件は終結。
直後、ト・ヒョンスが自治会長を殺して逃亡したというのが一連の事件の流れでした。
この番組を、多くの人が見ました。
ヒソン、ヒソンの両親はもとより、ジウォン、ト・ヘスも。
ヒソン父は言いました。
「もし再びお前の正体が露呈しそうになったら、去れ。誰にも見つからない無いところに、皆のために。お前の妻子は一生面倒をみてやる。最悪の事態を防ぐためだ。それが何かは分かるな?」
ヒソンは頷き、了承しました。
ヒソンは、共犯者の声に何か引っ掛かるものを感じました。
で、キム記者に連絡したのですが、キム記者は一気に注目されるようになって天狗になっていました。
ヒソンの言葉など、聞く耳を持ちませんでした。
ジウォンは一人でト・ヒョンスを調べました。
少年のころの資料が見つかりました。心理相談所に通っていたのです。
先天的な反社会性人格障害だと診断されていました。
一つ気になる事がありました。
通常はとても大人しいのに、レコーダーを他人が触ると豹変し、相手に酷い暴力を振るってしまう事です。その理由は、家族にも分からなかったようです。
資料に写ってるレコーダーに、ジウォンは見覚えがありました。
ナム・スンギルの妻から渡されたト・ヒョンスの私物のカバンの中に入っていたのです。
ト・ヒョンスがそのレコーダーに執着していたと、ナム・スンギルは話していたようです。
中国料理店のオーナーも同じ証言をしました。
ジウォンは一気に真実に迫ろうと考えました。
ト・ヒョンスを捕まえようと思う・・・と、ヒソンに言いました。揺さぶりをかけています。
協力してほしいとヒソンに言いました。
敢えてト・ヒョンスのバッグを見せ、レコーダーやスケッチブックを見せました。
「ト・ヒョンスは今でも金属工芸の仕事をしていると思うの。作風の似てる人を見つけられないかな?」
ヒソンは、工房に並んでいる自分の作品に目をやりました。ト・ヒョンスがスケッチブックに描いたデザインと同じ物が、工房に並んでいました。マズいです。
これでは無理だな・・・とヒソンは言いました。
ジウォンはヒソンがそう言うと予想していたようです。
次に、ト・ミンソクの工房に一緒に行ってほしいと言いました。そこにト・ヒョンスの作った物があるかもしれないからと。
ヒソンは、断る理由が見つかりませんでした。
久しぶりに訪れた実家。荒れ果てていました。
かなり大きな家です。
工房に入りました。が、特にこれと言った収穫はありませんでした。
これも、ジウォンは予測していました。ト・ヒョンスの作品が見つかるとは全く期待していなかったようです。
彼女が本当に行きたかったのは地下室だったのです。
ヒソン、ジウォンの先に立って地下室に向かいました。入口など、知らない筈なのに・・・。
マズいんじゃ
地下室は、事件が発覚した当時のままでした。
思わず立ちすくむヒソン。
ジウォンは、あのレコーダーを再生しました。
女性の鼻歌のような声が地下室に響きました。
それは?と、ヒソンが聞きました。表情が強張っています。
「これはト・ヒョンスにとって引き金よ。大人しいヒョンスが誰かがこれに触れると狂暴になったそうよ。」
誰もこのテープがどこで録音されたのか、どうやって手に入れたのか、知らないの・・・とジウォン。
それでも、ヒソンは耐えていました。
ここから出たい・・・とヒソンが言いました。息が詰まるようでした。
その言葉を聞かなかったようにジウォンが言いました。
「もうそろそろ着くはずなんだけど。」
中国料理店のオーナーに、家にあったト・ヒョンスの作品を持って来てもらう事になっているとジウォンが言いました。それを見てほしいと。
事件後の作品だから、今の作風により近い筈よ・・・と。
オーナーから、もうすぐ着くと言う連絡が入りました。
ジウォンは、ヒソンを追い詰めて、仮面をはぎ取り、ト・ヒョンスの顔を見せるよう仕向けたのです。
狂暴さを表し、自分に危険が及ぶことも承知の上でした。
ヒソンはますます体調が悪くなってきました。息も出来ません。朦朧として来ました。
オーナーは自分を見たらト・ヒョンスだとキッパリ証言するでしょう。
よろよろとジウォンに近づき、ジウォンの首に手を伸ばしました。
ジウォンは懐の銃を握りました。
しかし、次の瞬間、ヒソンは崩れるように倒れたのです。
「息が出来ない。ここから出たい。」
ジウォンは、ヒソンを外に連れ出しました。
ジウォンはヒソンの様子を見て、心がくじけそうになりました。こんなになるほどに追い詰めた自分を責めようとしました。
でも、必死に気持ちを奮い立たせました。
14年間も、騙し続けて来た人なんだからと。弱気になってはダメだと。
実は、ジウォン、中国料理店のオーナーを呼んでいたのは、ト・ミンソクの工房ではありませんでした。
ナム・スンギルの法事を行っているお寺で待ち合わせると伝えてあったようです。
直接対決させるほどに、ジウォンは冷徹になれなかったのでしょう。
キム記者を、ト・ヘスが訪ねて来ました。17年ぶりの再会です。
重要な話があると言いました。
キム記者はト・ヘスが初恋の人だったようです。昔、どうも交際していたようですね。
だから、舞い上がっていました。
しかし、そんなキム記者に冷や水を浴びせるような事をト・ヘスは言ったのです。
「ヒョンスじゃない。共犯者の声。自治会長を殺したのは私よ。お願い。これ以上ヒョンスを苦しめないで」
その深夜、ヒソンがキム記者のところに押しかけて来ました。
ジウォンのせいで混乱しているとヒソンは言いました。そして、姉さんを捜してくれと言いました。
キム記者の弱みとなってるテープを返しました。だから、俺を助けてくれと。
「あいつを必ず捕まえてやる。」
ジウォンは、ヒソンが出かけたのに気づいていました。すぐにヒソンの行き先をチェックしました。
腕時計のGPSで。