あのGMが破綻し、ついにハマーを中国企業に売り渡すこととなった。リーマンブラザースのつまずきが、世界一を誇った自動車メーカーを奈落の底位へ追い落としたのだ。四駆のファンにとって、ハマーはあこがれのブランドの一つであり続けた。私の知っている社長が乗っているモデルは大阪でも1台目とかで、誇らしげでもあり、所有者にとってステイタスであったことは間違いない。何しろ、価格が楽に800万円とか、とても一般人が購入できるレベルではない。
もし、ハマーが右ハンドルなら、価格を無視するなら選択肢の一つであることは間違いない。ランクルがクラウンの兄のような、丸型デザインにこだわっているのに対して、角型の、ミリタリーユースを連想させる精悍さは、そのワイドなサイズともあいまって、多いに惹かれるものが有る。しかし、中国メーカーとなったことで、ブランド価値は著しく低下した。
日産のサファリやいすゞのビッグホーンは生産中止になった模様だし、残るは三菱のパジェロだが、新しいモデルで特に新たな魅力が加わったようにも思えない。この分野で、ランクルは圧倒的な強さを見せつけているのだ。
この春に、新たなランクルモデルが発表された。これまでと異なり、試乗は無く、カタログだけの紹介となった。相変わらず、トヨタは最強モデルに関して、ディーゼルを搭載する予定がない。300馬力を超える高出力、6速、新たに加えられた安全機構など大いにそそられるが、無理して買うだけの魅力が有るかと言うと、ちょっと疑問だ。何しろ、低カーボン社会がうたわれ、ハイブリッドなどの省エネカーが注目される中で、ちょっと肩身も狭い。ガソリンがぶ飲みの上に、購入費が総額で800万円ぐらいになってしまう。
ランクルの走りの安定感、スムーズさ、トルクフルな余裕のある走り、これらはドライブするものの心をとらえて離さないのだ。私の所有しているランクル100ディーゼルの不満は、ミッションとトルクカーブのマッチングが取れていないために、低速で踏み込んだ後アクセルを離すとショックが有ること、信号待ちでの振動、急加速時での発煙である。ランクル100の後期モデルでは5速になり、ミッションのマッチィングは大幅に良くなっている。残りは、8気筒&コモンレールエンジンの開発だろう。すでに、ヨーロッパモデルでは実現しているのだから、是非実現して欲しいものだ。