宇宙が膨張しながらその端が137億光年の距離にあり、この宇宙の年齢137億年と数字が一致すると考えるのは余りにもできすぎた話だろう。つまり、宇宙物理学者によると、量子大で誕生した宇宙の卵が、大爆発(ビッグバン)し、光の速度で拡散した結果、最も遠い天体が137億光年先になるというのだ。
宇宙は無限大のエネルギーをもって誕生したのだから、最も速い天体がアインシュタインの法則で限度いっぱいの光速に達したとするのは一応、理には合っている。ところが、これはあくまで宇宙が有限とした場合の仮定。宇宙が無限の場合、もしくは、宇宙物理学者が想定する以上に宇宙が大きい場合にはちょっと状況が異なる。
まず、アインシュタインの言う、「光速を超える速度は存在しない」について考察しよう。我々が天体を観察するには光など電磁波を利用する。電磁波は光速なので、光速以上で遠ざかる物体は観察できない。例えば、コウモリは音波を使って、位置や速度を確認できるが、ここで知る速度は音波の速度を超えることができない。つまり、アインシュタインの法則は、人間が電磁波で天体を観察する以上、電磁波以上の速度について観察できないことを数式的に証明したに過ぎないのではないか。
現実に、国立天文台は宇宙が光の速度以上で移動するといっている。この宇宙とは何だということになるが、専門家が自ら、光速以上の速度の存在を認めている。つまり、光の速度以上で移動する天体などを見つけ、理論とのつじつまを合わせるために、宇宙が光速以上で移動すると考えたのだろう。宇宙論はこうした屁理屈みたいないかさまが多い。
私の考えでは、宇宙の端にある天体とは、様々な速度で拡散している天体のうち、光速以下の天体を観察できているに過ぎないと思う。ビッグバンでなくても大爆発して、拡散しているか、あるいは、我々が観察できない巨大宇宙の引力で吸引されているのかもしれない。特に、物理学の単純な加速度計算で、一定の引力で引かれ続けた場合には、ある時間以上で必ず光の速度を超える。
我々の小宇宙の外に、大規模な大宇宙があり、強力な引力で引っ張っているとすれば、引かれる天体は必ず光速を超える。宇宙物理学者が数学を使う以上、実は、無限は扱えない。端を特定できないからだ。何かわからないものを数学は扱えないのだ。
宇宙を無理やり有限と固定してしまうのは、宇宙の認識を極小化するものだと思う。非常に偏った前提と考えでスタートし、検討し、結論を得なくてはならない。井戸の中にいる蛙が外の世界を議論できないように、我々も、小宇宙に囚われすぎている可能性がある。宇宙の強制的束縛から自らを解放すべきだ。