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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

電力会社で経験した出鱈目

2012年08月29日 12時00分51秒 | 深刻な問題

 私が子会社(メーカー)で新規事業を立ち上げ、課長で本店営業部に戻った時(本当は次長のはずだった)、そこにいた部長(上司)はかつて私に「お前なんかどうでもええんや」と突き放したバックだけ大物だった。出向中の後半は毎週1回以上、社長への報告に出向いたが、営業部に戻ると、部長に自由に話が出来たのは挨拶の時の1回だけ。次長から、今後、部長に会う時は私の許可を得て下さいと釘を刺され、数メートル離れた部長のところへ行くことは殆どなかった。

 電力会社は副長(課長の下)でも少額決済できるなど相当の力が有るが、課長なのに、部下無し、権限なし、予算無し、何をするにも次長の許可がいるという状態に押し込まれた。飲み会の時、若い社員が「次長!いつもゲームでピコピコしているのが聞こえますよ」と言った。要は、次長は私の見張りだった。或る時、次長は私に聞こえるように「私はこんなに暗い人間ではないんだけどなー」とぼやいた。

 彼はそのお陰で?異動し、部長、取締役と昇進した。最近、関連会社の社長でテレビに出ていた。まだ現役である。

 昼飯時、常務にばったり会い、来いとのことで、子会社常務に相談したら率直に全部話せと言われた。アドバイスも有り、バックだけ大物には常務に呼ばれたと連絡し、日程調整して伺った。そこで、常務に状況を話し始めたら、「そんなバカなことが有るわけない」と一蹴され、何も聞いてもらえなかった。事実は小説より奇なりと言うではないですか。

 月曜日朝、課長以上のミーティングが開かれ、通産省から天下りしてきたO担当取締役のところへ全員が集まる。その席で、バックだけ大物は自分の父親があのカミソリと言われた後藤田元官房長官の後援会長だった事を明言し、全員に、睨みを利かすよう見渡した。

 わしのバックには後藤田がいる。怖いものなしや。お前らわしに逆らったらとんでもないことになるで、と脅したようなもの。本当のところは、上司(元官僚OB)がいる前で、無礼な発言を演出し、私にプレッシャーをかけたかったのだ。後にバックだけ大物が取締役になると課長以上ミーティングは廃止された。

 後藤田議員は元警察官僚で自民党の中でも恐れられていた。その影響力は確かにメガトン級だった。長い間、社長を初めトップ人事に力を及ぼし、当然その影響は全社に及ぶ。電力会社は政治力によって木の葉のように揺れるんですね。電力会社は予算が巨大で、トップを掌握すれば極秘情報も入り、選挙応援を得、政治家としてはおいしい。一方、電力会社は電子力から電信柱まで、政治家の協力無しには成り立たない。

 私が出向する前に遡る。子会社の〇△販売サービスのK社長が営業部へ打合せに来た。同社は△〇冷機センターへ資金を貸し付けていた。新任K社長は会計担当役員の提案を受け、多額の貸付金をチャラにしてでも切るための打合せだった。(5000万円までの欠損は子会社社長が決済できた)△〇冷機センターは支援が無いと手形を落とせず倒産する。(△〇冷機センター、〇△販売サービスはその後、名称変更された)

 △〇冷機センターは支店の開発に協力し、二人がわかめ冷風乾燥(電気動力)、青のり冷風乾燥で社長表彰を受けていた。私は電力需要を積極的に増やすため、△〇冷機センターとの共同研究を始めたばかりだった。担当の私は呼ばれなかった。K社長が打ち切りを発言した時、私は割り込んで「待ってください」と言った。K社長は「何を待てというのか」と激怒した。

 部下(バックだけ大物寄りだった)が小さな声で、頑張って下さいと言った。彼は支店にいたので△〇冷機センターの協力が必要なことを実感していた。

 バックだけ大物(当時課長)は私を呼び、手を引けと言う。夜、課の懇親会で、バックだけ大物はやってくると高圧的に怒鳴りだした。座がシーンとなる。酒の席で大声を出されるのは気分が悪い。手は引きませんと言い放った。正直、自分のサラリーマンの芽は摘まれるかもしれないと感じた。幸い当時の部長(支持部長)は手を引くように言いながらも理解してくれていた。

 それからが大変だった。△〇冷機センターに行くと全員青い顔。△〇冷機センターは電力会社に協力するのだから間違い無いと、全体で1億円を楽に超える負債を作っていた。兎に角、考えられるところは全部回って、頭を下げた。後に、ある中堅商社支店長にお会いした時、当時のことを言われ、この会社にも頭を下げたのかと思った。どうにもならない。倒産の危機で、噂が立った企業は助からない事が分かった。例えば、取引は急に現金のみになる。毎月の給料支払い額は莫大。

 必死で考えた。ふと、支持部長に営業部着任の挨拶した時「燻製をやったらどうか」と言われたこと(すっかり忘れていた)を想い出した。中東に行った時、燻製が美味しかったとのこと。△〇冷機センターに燻製の製造装置(冷凍機で冷却しながら燻製)について相談すると燻製は難しいとの返事。私は臆せず、技術系代理店に頼み、土曜日、自費で関西方面を回り事例を見学した。行けると思った。そこで、△〇冷機センターにスペックを伝え、汎用に近い試験機の見積もりを出させ、起案した。

 支持部長は悩んだ末に、判を押してくれた。(予算計画が無かったので3部長決裁)そこで、〇△販売サービスを通じて発注し、△〇冷機センターは受け取った手形を割り引き、引っ掛かっていた手形を落とした。かなりの変化球だが、これしか救済方法はなかった。そうこうするうちに、最初に取り組んだ宗田節のカビつけ(カビの喜ぶ条件を人工的に作る)が成功した。現地に行くと、大勢が集まり喜んでくれた。研究所が本鰹に成功し、宗田鰹を手掛けていたが大量で密度が高く、うまくいかなかった。

 直後、バックだけ大物に呼ばれ叱られた。現地営業所の課長が勝手に来るなと怒っているらしい。要は手柄を自分のものにするのに、邪魔なのだ。営業所には全面的に協力し、発表は営業所名でやるのに訳が分からない。かびつけは1か月以内に12台ぐらい、数年で40台ぐらい売れたか。

 A型営業所(市レベル)に2件以上の開発を目標に、目まぐるしく各地を回った。成功する毎に、事例集を作った。平均1.5件のところで、出向となった。企業との共同開発を進め、多くの開発を実施し、その度にニュースリリースした。引継ぎを考え、パンフレット、マニュアル、技術資料を整備した。

 △〇冷機センターは立ち直り売り、開発を積極化し、売上も向上した。(後に鹿児島でも同様の大型設備が導入された)〇△販売サービス社内でも、△〇冷機センターを傘下のメーカーとして活用する動きが強まった。私は△〇冷機センターと相談し、電気利用技術開発センター(正確な名前は忘れた)を建設した。多数の試験機に許容されるメンテナンス費を払い、土地代、リース代を賄って頂いた(当初)。その近くに〇△販売サービスも事務所を構えた。

 今だから言うが、各営業所の社員を〇△販売サービスに1~2名ぐらい出向させた方が良いと提案していた。電力会社の椅子に座っていて需要開発は進みにくい。支持部長から返事は無かったが、この構想は実現された。もし、△〇冷機センターが倒産すると出向者はたちまち頼りにするメーカーが無くなってしまう。〇△販売サービスは多額の貸付金を失わず、逆にドル箱を得た。

 開発センターに営業所から各地の魚介類、野菜、材料が運び込まれ、毎日のように試験を繰り返した。シイタケの人工栽培に成功し、ある日出向くと装置が多数並べられ、ちょっとした地元産業となっていた。乾麺の大型製造ライン(工場)は出向する前の最後の開発で、5件ぐらい導入された。電気乾燥は季節・天候に左右されず、素人が高品質に製造できる。乾麺社長は職人の心配をしていた。今でも各地を回ると突然お礼を言われ驚くことがある。

 △〇冷機センターが立ち直った後に製造販売した装置の電気容量は、10年ぐらい前で3800kwを超えていた。私が開発した需要の50%以上を占める。(当然、3800kwはカウントしている。メーカー出向時も電気利用装置などを開発し製造販売した)今後も増え続ける。こんな有効な電力需要開発法はない。

 しかし、バックだけ大物にとって後藤田をバックにした自分に逆らい、しかも解決したことは神経を逆なでしたようだ。私に関して左遷の噂が飛び交った。営業所の係長が、青森の六ヶ所村へ飛ばされる噂が出ていると言い、確かめてきた。バックだけ大物に聞いたが何も言わない。バックだけ大物は酒の席で、「わしはきついぞ。お前を真綿で絞めるように絞め上げてやる」と言った。毎日席に呼ばれ色々叱責された。

 叱っているところを全員に見せる。あら探しを課の全員に命じている。ある者は、私が手紙を書いていると、強引に手紙を取り上げ目を通した。アルバイトの女性の発言までが材料だった。夕方になるとバックだけ大物は全員を引き連れて飲み屋に行く。そこで女性社員も含めて毎晩どんちゃん騒ぎ。私は一人で遅くまで残業。ある日、バックだけ大物が来て、わしは仕事の邪魔をするのが好きなんやと言い、飲み屋に来いという。

 一度だけ行くと、私の部下が仕事に関してバックだけ大物にあれをしたい、これをしたいと言っている。バックだけ大物は田中角栄のようによっしゃよっしゃと返事する。私の立場は無い。バックだけ大物が来て以来、裏切られることは当たり前になった。

 ところで電力会社の営業部は独立した多額の接待費、会議費を持っている。これらの半分以上は顧客というより社内向けに使われる。副長が色々作文して、飲み会を設定する。接待費を残すため、領収書の人数を増やして会議費にする。バックだけ大物は大柄で、酒好きで大量の接待費、会議費を飲んだ。体中から電気料金の文字が透けて見える。

 バックだけ大物のやることは凄かった。産業需要に関して、工場などが申し込んできた電気容量(営業はしていない)を営業成績にするよう指令を出した。全営業所はせっせと粉飾データを作った。理由を聞くと、「こうでもせんと営業部門が評価されん」との返事。その数字やグラフは支店・営業所会議に出され、取締役会に報告され、マニュアルに印刷された。全社員はその粉飾データが掲載された対話マニュアルを持たされていた。

 バックだけ大物は悪質だった。その悪質さとは、高い地位にありながら逆にそれを利用して嘘の情報を流すこと。学歴エリートは大体、最初に聞いた情報を信じる。本当と嘘を巧みに混ぜる。私に関する悪質情報は大量に流された。支持部長からも聞いていた。支店営業所には悪情報が流れ、にらみも効いていたから支店へ異動できず出向するしかなかった。酒の席で常務(後に副社長)から、清濁併せ呑むというが君は濁々飲むんだねと言われた。

 電力会社では事実関係を徹底的に調べない。しかも、最初に耳にした報告や噂が信用され易いから、意図的に悪情報を流されるとたまったものではない。加えて人事部は弱い。また、正義感を持って解決するような人物は到底トップにはなれない。露骨に部下いじめしている次長を見ぬふりしていた某氏が社長になったと、いじめられていた当人から聞いた。だから、敵を作るなと言われる。

 別の副社長の支持部長に対する話ぶりでは、支持部長へ根拠の無い怒りと不信感を持っていたので(恐ろしい、信用できないと言っていた。立派な紳士でそんな人ではない)、バックだけ大物に後ろから銃で撃たれたと感じた。バックだけ大物の方が100倍恐ろしい。支持部長は携帯電話会社に社長で出向したが、ちゃんとお目付け役がつきマークされていた。電力会社では噂だけでも致命傷になる。結局、社長を辞めざるを得ないようになったらしい。

 営業部では最初にマイコン型電気温水器の開発に取り組んだ。開発チームにオブザーバーで参加していたが、毎回、お話ばっかりで、まるで前に進まない。そこで、白板にエンドからの逆スケジュールを作って見せた。すると、既にスケジュールが相当遅れていることが分かり全員驚いた。そこから、進み始めた。その後、担当管理職となった。指示部長から早くしろと言われるが、以前から検討されていた2タンクの追い炊き方式が技術的に解決しない。

 追い詰められ、私の独断で2タンクを止め、通常のマイコン方式で行くことにした。普通、温水器はマイコンでも残湯量を考えながら手で設定するが、私は積水のようなお任せが良いと考え全自動にした。材質はほうろうからステンレス(YUS190)にした。これは私が大日本インキの協力を得てFRPのタンクをとことん追いかけた副産物だった。つまり、私の出した材料費比較でステンレスが意外に安く、前任の副長が抵抗するメーカー(関連会社)を説得した。FRPタンクは執念を燃やして実現を模索したがコストの壁を破れなかった。

 指示部長はお冠だったが何とか開発でき、お客様に販売できるようになった。ところが、バックだけ大物は私に対してマスコミ発表を禁止した。こんなことは多分、全電力会社でも例が無い。電気温水器(原子力対策)は電力会社が営業する最重要な戦略商品で、営業所所長の評価にも温水器台数が大きく影響する。今から思うと、新聞発表すれば、トップも注目し、私の評価は上がった。バックだけ大物はそれは何としても避けたかったのだろう。

 私が営業部に戻るとバックだけ大物は△〇冷機センターの存在が邪魔と考えたようだ。部長だったバックだけ大物のところへ〇△販売サービスの社長が来て、△〇冷機センターをどう叩くか報告しているのが聞こえた。営業部長や若手のエースを〇△販売サービスに引く抜き、代理店とメーカーの協力関係も切ったようだ。△〇冷機センターの社長は泣きっ面だった。見かねて私のせいですと謝った。

 ずっと後、有力者に同行していた時、後藤田元官房長官の後を継いだ後藤田 正純議員に、2回ほど会う機会が有り、私もちょっとだけ、立ち話しした。勿論、有力者の手前も有るし、過去のドロドロした話など出さない。複雑な気持ちではあった。若くてハンサムで気さくな人でした。女優の水野真紀との結婚が報道されていたころじゃなかったかな。     続く。

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