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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

ノーベル賞受賞者の利根川進博士が発見したゲノム再構成による免疫細胞の形成はダーウィン進化説をごっそりひっくり返すものだ

2021年10月04日 13時18分18秒 | 生命
 コロナを予防するワクチン接種は強力な獲得免疫とか適応免疫とか言われる攻撃方法を利用するもので、T細胞とB細胞がコンビになっている。最初は樹状細胞(外形が樹状に見える)が侵入したコロナウイルスをむしゃくしゃ食って、コロナウイルスの抗原部分(組織の一部)を細胞の外に提示する。

 そこで例えば、数百万種類のT細胞、あるいはB細胞から、提示した抗原に合致する(今回のコロナをやっつけられる)のを探し、合致した細胞を大増殖することになる。T細胞とB細胞には抗原に対するレセプター(受容体)が有り、提示する抗原が受容体にぱちんとはまる(合致する)と今回のコロナ攻撃向きと判断される。

 これらT細胞とB細胞が協力し、B細胞が大量に発射する抗体が、ミサイルの様に飛び、ウイルスの抗原機能を阻止して(コロナウイルスが細胞内に侵入出来なくなる)、やっつけるのだ。

 この様に数百万種類のT細胞、あるいはB細胞を作るのがゲノム再構成(*)である。元は細胞のゲノムの決められたパーツをランダムに切り出し(スプライシング)組み合わせて別のゲノムを作り、数億とか数十億ともいわれる種類のT細胞やB細胞を作る。
*書籍等では遺伝子再構成となっているが、遺伝子はタンパク質構成アミノ酸記憶素子であり、該当しないので正しい表現にした。

 莫大な種類の獲得免疫細胞の中から人間の体に反応する(人間の組織を攻撃してしまう)のを排除して外敵攻撃部隊が出来る。ダーウィン説のようにゲノムのコピーミスで出来る様な単純なものではないし、自然任せではなく、能動的かつ積極的だ。

 この奇想天外な製造方法がどのように開発されたかは分からない。しかし、自然界に発生するほぼ全部の敵(菌)に対応できるという点が凄い。目的が明確で、その目的を満たすシステムと製造方法が何者かによって開発されたのだ。

 利根川進博士は、1987年獲得免疫におけるゲノム再構成の発見で、ノーベル医学生理学賞を受賞している。凄いね。
コメント
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