明治政府が軍事力の増強を図るため、日本人の大多数を占めていた農民を駆り出し、有無を言わさず強烈なビンタの嵐でにわか兵士に作り上げた。「お前ら何も考えることは無い、鉄砲を構えて敵を打てば良いのだ」と人間の尊厳も何も有ったものじゃない。
軍隊では何かにつけてビンタだったらしい。理由は生意気だとか何でも良い。軍靴でほう(ほっぺた)をはると吹っ飛ぶ。10回以上はられると思考力を失い回数も分からなくなるという。馬や牛と同じ扱いだ。だから、自らの生命の危険性を顧みず突進できたのかもしれない。
だから消耗戦では強かったが、相手が戦略的に反撃を始めるともろかった。日本軍は夜襲が一度成功すると2度目以降は敵が待ち構えているにもかかわらず、何度でも夜襲を繰り返し全滅していったという。指揮官はバカだったんだな。
ビンタは戦後も続いていた。小学校で教師が生徒に強烈なストレートパンチをいれたのを今でも鮮明に覚えている。当時はそれでも何も問題にはならなかった。教師の威厳が有った。
大阪市立桜宮高校でバスケットの主将が自殺したことの背景は色々深刻な状況がある。まず親の立場で考えると、何故父親が動かなかったのかが疑問だ。あざや傷が有れば、尋常なことではない。母親が相談に行っていたらしい。私なら、すぐ飛んで行く。顧問?180cmの化け物でも殴り倒すよ。
教員室、校長室、教育委員会、順番に怒鳴り込む。勿論、教育委員会はコンクリートの壁みたいなもので、全く無視してくるが、辟易するぐらい怒鳴ってくる。そんな事で直るようなら最初から体罰などしないだろうが。意思は通じる。多分、転校を勧められる。
転校するかどうかはこちらが判断すること。高校側が反省するかどうかを見極める。良心的な校長なら解決するが、そうでない場合が多い。
私は自分の事なら我慢できても、家族が傷つけられることには黙ってはいない。すぐ飛び出す。ひんしゅくを買うかどうかは知った事ではない。少なくとも父親が機敏に反応すれば自殺にはならない。
教師やリーダーは安易に生徒を殴るべきではない。自分が指導力の無いことをさらけ出しているに過ぎない。殴る代わりにどう指導するか考えないと、永久に指導力は身につかない。体罰のような残酷な仕打ちは次第にエスカレートすることが報告されている。誰かが早い段階で止めさせるべきだ。
生徒を殴っている指導者に言いたい。実は一番ふがいないのはお前自身だろう。殴りたかったら自分を殴れ。あるいは生徒に殴ってもらえ。殴られる生徒の気持ちが少しは分かる。成績の悪いのを生徒のせいにするな。現実に直面して状況を正確に把握しろ。そして反省しろ。そこから新たな展開が見えてくる。
自殺に関して、私は日本の家族をはじめあまりにも本人の内面的なことに無関心すぎると思う。日本人は繊細と言うが、確かに製造や芸術で見られる細かい作業、上位の者に対する気遣いには存在するものの、家族や友人の心理には無関心だ。丁寧すぎる言葉遣いは実は敵を作らないよう自分を守っているに過ぎない。
自殺は余程の事だ。必ずサインがたくさん出ている。そのサインを無視ししてしまうのが日本の社会。何かよく分からないが深刻に悩んでいるらしいことをキャッチしたら、時間をかけてゆっくり聞いてやることだ。一緒になって解決策を考える。
この件の橋本市長の対応は良かったね。日本のどこにでもある問題、病根。それを赤裸々に暴いて問題化し、解決しようとする勇気と根気。これが日本を立ち直らせる元になる。迅速、徹底、的確。これがリーダーシップという姿を見せてくれた。
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