もしベンツを購入するなら、5年以内に買い替えることをお勧めする。長く乗り続けた場合、国産車よりはるかに壊れやすく、修理費は平気で3倍ぐらいになる。だから、ベンツは金持ちじゃないと所有できない車だ。
2013年にML-350(後継車がGLE)を購入した時は驚きの連続だった。一番はエンジン。軽やかで振動が無く、物凄いトルク。ディーゼルながら国産のガソリンターボを相手にせず抜き去る。ミッションもハンドルを握ったまま指で操作できるので、新感覚の運転を楽しめた。
車体は剛性が有り、ガタの来ないハンドルで、かなり振り回してもきついカーブを曲がれる。ランクルだと片側の車輪が浮くね。きしみも無い。必要に応じて鋳鉄を使っている。また鉄板や塗料が強いから、国産車とこすったとしても、国産車がへこみながら、ベンツは傷も見えない。
それが7年を過ぎると、次から次へと故障やトラブルが起き始め、ラジエーターからパイプが抜けた際は、レッカー車で2回も運ばれることになった。まさか900万円で購入した新車がレッカー車で運ばれるようになるとは想像も出来なかった。
ベンツの特徴は、力を入れているところは抜群なんだが、そうじゃないところが弱い。強度のまだら模様なんだな。発電機が壊れるなど国産車では考えられんし、ベルトのガイドプーリーがロックしてベルトが全部吹っ飛ぶとか、排気系のアクチュエーターが動かなくなり、遂には高圧燃料ポンプから軽油が漏れ始める。
1年間で、まともに修理したら120万円を超えた(影響の少ないところは直さんことにした)。SUVだから、ユーザーはランクルのイメージでタフで頑丈と思っている。ところがそうじゃない。どんどん遠慮なく壊れる。余程金持ちじゃないと維持できないねと修理屋に言うと、金持ちでも「そんな修理費は払えない」と言っているらしい。
外車専門の修理屋によれば、それでもベンツは故障が少ない。特にフォルクスワーゲンは故障が多い。ドイツ車のイメージが壊れるね。
設計も変な具合になっている。電池は3種類あり、交換するとなると、座席のフロアーの下だったり、ただ事じゃない。何で3種類なんだ。値段も高い。メインバッテリーはうっかりすると9万円。僕はネットで3万円で購入。ドアミラーは死角が多い。鏡の曲がりを大きくするよう何度言っても直さない。
恥ずかしい思いをするのは、バックドア。閉めるスイッチを押しても、何かが挟まるとバックドアが全開してしまう。車が後ろから急接近して、追いつくと、注意されたことが何度もあり、時々こういうことは起こると、もうあきらめた。
僕は、ベンツの改善点を、右ハンドルへの変更から始まり、バードビュー、スマホのようなインターネットの使い勝手の良さ、緊急時の専用通信、油圧やエアサスの採用など細かい点を含め40以上提案した。上野金太郎社長は全部採用するようと指示を出した。ベンツは生まれ変わったが、僕に対してはあまり感謝していないらしい。
日本では情報が無料という概念が強い。僕の考えでは情報戦略が戦略に占める重要度の60%から、99%を占めるが情報を空気みたいに思っているから、日本がアメリカはおろか、中国、韓国からも置いておいて行かれる原因でもある。金太郎君はもっと論理的な思考力を磨いた方がいい。
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