Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

東京帝大叡古教授

2016-06-11 08:40:58 | 読書
門井慶喜,小学館文庫(2016/4).単行本は 2015/3.

この作家の二冊目.

Amazon「BOOK」データベースより*****
物語の主人公・宇野辺叡古(うのべえーこ)は、東京帝国大学法科大学の教授である。大著『日本政治史之研究』で知られる彼は、法律・政治などの社会科学にとどまらず、語学・文学・史学など人文科学にも通じる“知の巨人”である。その知の巨人が、連続殺人事件に遭遇する。時代は明治。殺されたのは帝大の教授たち。容疑者は夏目漱石!?事件の背景には、生まれたばかりの近代国家「日本」が抱えた悩ましい政治の火種が。日本初!文系の天才博士が事件を解決。事件の真相は、まさに予測不能。ラストは鳥肌モノの衝撃。第一五三回直木賞候補作、待望の文庫化! *****

一応ミステリ仕立てだが,カツオノエボシとか2進数暗号とか小道具はかなりせこい.それを日露戦争の講和という大風呂敷でごまかそうという戦略らしい.徳富蘇峰,夏目漱石,桂太郎,原敬,最後は明治天皇まで登場.
主人公は戦後の吉田内閣の外務大臣になった人.大物ではないが,結末に明かせば意外性はある.ぼく的にはこの人に好感を持っていなかったのだが,若い時は誰でも可愛いのだと納得した.
無理筋の小説と割り切れば楽しめるが,直木賞は無理でしょう.「おさがしの本は」の方がぼくの好み.

宇野辺叡古はウンベルト・エーコのもじりと言うが,それだけのこと.
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