Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

山のABE

2016-06-23 10:27:52 | 読書
あべみつこ,安部和夫著,工房あべ/茗溪堂(2006/6).
サブタイトル「絵はがき通信」.あべみつこさんが謄写版で作って,1978−2002 年にわたり月一回配布し続けた 200 枚弱の絵はがきが前半,10年目頃からその絵はがきの宛名面の下半分に安部和夫さんが書いてきた文章が後半.和夫さんはほとんど山のことがテーマでロマンチックだが,みつこさんのテーマは下界から.
今は亡き ! 茗溪堂の本だが,用紙にも神経が行き届いている.カバーに隠れた,本当の表紙が洒落ている.
タイトルは「山のABC」のもじりだろう.



我が高校時代あたりまでは謄写版印刷が全盛だったが,当時の先入観で見るとこの色刷りはがきの美しさは驚異.
字体 (手書きフォントというべきか?) が次第に変化する.サザエさんが続いたのは 30 年弱だったが,その間彼女の面体が次第に変わったのを思い出した.

「絵手紙」というものがあるが,あれが苦手.絵をはみ出すように書き,でかい字でちょっと文章を添える.どなたも家元みたいな人に右へ倣え,らしい.この本の絵はがきと対極的.

著者は16 トンよりお若いようだが,なんで 200 号でやめてしまったのだろうか.



メインの文章以外に,ときどき絵の余白やフットノートの位置にちょっとした書き足しがある.「鶯や江戸家猫八初仕事 大植恵一」...とか.
コメント
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