Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

108 円の経済学入門

2016-07-01 10:20:29 | エトセト等
アベノミクスは花火だが,張本人はそのことが選挙を乗り切るまでバレなければ,後は好きなことができると思っているらしい.「らしい」では済まないので,経済学なるものを勉強したい.しかし新書本の類はあてにならない.基礎から記述した大学教科書はないかと思っていたら,ブックオフで

井上正「入門 経済原論 ミクロ経済学」中央大学生協出版局(2003)

を発見.この手の本を書くときの労力が身にしみているので,108 円という価格に義憤を感じたが,それはそれとしてありがたく購入.なぜこの本が当地にと思ったら,井上先生は現在は広島修道大学にお勤めであった.

読み始めたら,早速頓挫.
上の左の図はこの本からの引用だが,自分には「需要が増えれば価格が下がる」と読めてしまう.これは逆だろう.みんなが欲しい欲しいと言ったら,価格を上げて儲けるのが常識だろう.
本文は斜め読みで,図と式だけを追うというのが長年の読書態度なのだが,ここで仕方なく本文を熟読すると,「ミクロ経済学では貨幣タームで表されるものを縦軸に取るのが習慣で,これに慣れる必要がある」とある.このグラフは,需要 D 価格 p における D=f(p) を表したものだから,理工系の習慣では右のように描くところ.これなら,「価格が下がれば需要が増える」と読める.
でも p=f(D) のグラフとはどう区別するのだろう.

ことほど左様で,先が思いやられる.

この教科書は文章も「ですます」調で,痒いところに手がとどくようだ.付録の数学解説は高校の復習から始まる.巻末の問題集も,答だけでなく丁寧な解説付き.これでは教科書を買った学生が安心してしまって講義に出て来ないんじゃないだろうか.

サブタイトルのミクロ経済学って何? と思って Wikipedia を見たら,アベノミクスを批判したければマクロ経済学の学習が必要であることがわかった.同じ著者による「マクロ経済学」編もあるが,108 円で手に入れるのは至難だろう.
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