Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

島へ免許を取りに行く

2016-07-27 08:19:23 | 読書
星野 博美,集英社文庫(2016/4).単行本は 2012/9.カバーイラスト木内達朗.

卒業生が種子島で合宿して大型免許を取ったと言ったのを思い出して,図書館で借りた.

Amazon の内容紹介(「BOOK」データベースより)*****
愛する猫をなくしたうえに、人間関係はズタズタ。いやな流れを断ち切りたい。日常に小さな風穴を開けたくて向かったのは、島の小さな自動車学校。そこは、山羊や犬やにわとりがいて、馬にも乗れる牧場のような学校だった!人生の示唆に富む運転教習に悪戦苦闘しながらも過ごした数週間。人や動物や車とのふれ合いから見えてきた風景は?読めば、新しい何かに挑戦したくなる名作エッセイ。*****

この体験記の自動車学校は風光明媚な五島列島.
教習所のホームベージではこの本もPRに使われていた.教習所では好きなだけ馬に乗れるそうだが,この本によれば乗る人は少ない.

著者は 40 台で,免許を取るのに標準の倍,4週間もかかってしまう. 前述の卒業生に比べ年齢が自分と近いので,書いてあることに共感する点も多かった.免許が取れない劣等感を,学科が苦手な男の子や,地図の読めない女の子を文章で揶揄して埋め合わせているようだ.
東京(戸越銀座だそうだ)に住んで,著者のような職業ならクルマと無縁でいられる.しかし田舎では年寄りでもクルマがないと一切外出できない.免許がないと就職できない.周りを見てこのことを痛感できたのは星野さんにとって収穫だったに違いない.
かって島の農家では誰でもふつうにトラックでトレーラーを牽引していたのに,島に自動車学校ができてしまうと,今までのように牽引無免許を大目にみるわけにはいかなくなる.自動車学校の先生もこれを問題と意識している.おまけに無免許ならなんでもなく運転できるおっちゃんが学校ではうまくいかなかったりする.

後退するときハンドルをどう切ればどちらに曲がるか理解できないとか,右折左折とウインカーの上下の関係とか (それ以前にワイパーが動いてしまうとか),はるか昔,運転練習時のことを思い出した.


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