Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

学校の殺人

2016-07-20 09:18:30 | 読書
ジェームズ・ヒルトン, 龍口 直太郎 訳 創元推理文庫(1960/1).

ギャラリーの店番の暇つぶしのために,本棚から茶色くなった一冊を持参.果たして全然中身を覚えていなかった.

「チップス先生さようなら」の著者が,売れなかった時代に生活のために書いたものだそうだが,英国ミステリの王道を行っている感じ.なかなか筋が進展しないが,そこでイライラするのは野暮というものだ.
舞台はチップス先生同様にパブリックスクール.探偵役で登場した青年が三枚目に終わるのが愉快.戦争の傷跡を心に持つ教師,教育に無縁の経歴の持ち主だか経営手腕を買われた校長,などの設定は意外に現代的.
論理は別として,自分が作者だったらこの人を犯人にする」という予感が当たって満足した.

翻訳の龍口(たつのくち)氏は 16 トンの高校時代は旺文社の大学受験ラジオ講座の講師をしておられた.
原文に当たっていないのだが,登場人物中のエリングトンはあの Duke Ellington の Ellington だろう.「ティファニー...」みたいに村上春樹の新訳ならエリントンになりそうだ.
コメント
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