Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

野上燿三先生と長谷川三千子氏

2016-07-17 20:08:03 | エトセト等
日本会議は自民党の黒幕らしい.長谷川三千子氏は日本会議の「女帝」らしい.憲法の自民党草案は,国民主権と基本的人権を否定しているが,否定した向こうで何をしたいのかがわからない.

何かヒントが得られるかと,中公文庫の新刊

長谷川三千子「神やぶれたまはず 昭和二十年八月十五日正午」(2016/6).

を読んだ.

天皇=神と信じていた人たちの敗戦ショックを書いた本.折口信夫、橋川文三、桶谷秀昭、太宰治、伊東静雄、磯田光一、吉本隆明、三島由紀夫などが登場するが,最後の旧約聖書「創世記」と昭和天皇御製を扱った2章でボルテージが上がり,天皇教布教の書らしくなる.
とても付き合いきれない.

本文は旧かな,桶谷秀昭の解説も旧かな.

Wikipedia で著者は野上燿三先生のご令嬢と知った.
16 トンの学生時代,野上先生は東京大学理学部物理学科に講座を持たれていたが,工学部原子力学工学科の「協力講座」として工学部の学生も大学院生として受け入れた.工学部の教官の講義は概してちゃらんぽらんだったが,野上先生の講義はとても良心的だった.
間一髪で長崎の原爆を逃れた経験をお持ちとのこと.原爆は悪・原発は善というお考えだったと思うが,当時の良心的な科学者は皆そうだった.もちろん左よりの,学生の集会で講演されたこともある.晩年は九条の会にも参加されたと聞いている.
父は英文学者の野上豊一郎,母は小説家の野上弥生子,すぐ上の兄は野上茂吉郎先生で,こちらの野上先生の講義も駒場で受けた.

そのお嬢さんがなぜ日本会議??? 

先の戦争で南方でマラリヤにやられたあげく餓死した兵士もシベリヤで酷使され凍死した元兵士も,明らかに長谷川氏の眼中にない.
こんな本より,「ヤマザキ,天皇を撃て」の文庫化を!!
コメント
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