日下三蔵編集,論創ミステリ叢書(2017/7).
Amazon の内容紹介*****
戦後推理小説文壇の巨匠、鮎川哲也の知られざる作品がよみがえる! 未完の遺稿「白樺荘事件」、ファン待望の単行本初収録。雪の山荘を舞台にした連続殺人事件に名探偵・星影龍三が挑む「白の恐怖」を半世紀に復刻し、アリバイトリックを扱った「青いネッカチーフ」、ロマンチシズムの色気が漂う「寒椿」、無邪気さの中に恐怖を描いた掌編「草が茂った頃に」など、単行本未収録作品を一挙集成。別名義で発表された十二作の絵物語も挿絵付きで収録。*****
ミステリではなく「探偵小説」なのが嬉しい.未完の遺稿「白樺荘事件」は半世紀ぶりの復刻作「白の恐怖」がしたじきになっているのは明らかだが,結末は不明.この2作に雑多な作品がサンドウイッチされていて,「地底の王国」「恐竜を追って」というノンフィクション2作のおまけ付き.
未完の遺稿は筋に関係しないところが面白い.鬼貫警部+丹那刑事もののように,笑うことを強要しないおかしさである.旧作をどう料理し直すかという興味が,未完ゆえに中途半端に終わるのが,いいような悪いような.
1ダースくらいの探偵絵物語は,1956年に読切特選集という生き残りカストリ雑誌?に発表されたもの.子どもが見るものではない,とされていたジャンルだが,絵も文もちゃんと作られていて,しかも,大したことがないところが微笑ましい.
Amazon の内容紹介*****
戦後推理小説文壇の巨匠、鮎川哲也の知られざる作品がよみがえる! 未完の遺稿「白樺荘事件」、ファン待望の単行本初収録。雪の山荘を舞台にした連続殺人事件に名探偵・星影龍三が挑む「白の恐怖」を半世紀に復刻し、アリバイトリックを扱った「青いネッカチーフ」、ロマンチシズムの色気が漂う「寒椿」、無邪気さの中に恐怖を描いた掌編「草が茂った頃に」など、単行本未収録作品を一挙集成。別名義で発表された十二作の絵物語も挿絵付きで収録。*****
ミステリではなく「探偵小説」なのが嬉しい.未完の遺稿「白樺荘事件」は半世紀ぶりの復刻作「白の恐怖」がしたじきになっているのは明らかだが,結末は不明.この2作に雑多な作品がサンドウイッチされていて,「地底の王国」「恐竜を追って」というノンフィクション2作のおまけ付き.
未完の遺稿は筋に関係しないところが面白い.鬼貫警部+丹那刑事もののように,笑うことを強要しないおかしさである.旧作をどう料理し直すかという興味が,未完ゆえに中途半端に終わるのが,いいような悪いような.
1ダースくらいの探偵絵物語は,1956年に読切特選集という生き残りカストリ雑誌?に発表されたもの.子どもが見るものではない,とされていたジャンルだが,絵も文もちゃんと作られていて,しかも,大したことがないところが微笑ましい.