ジェームス・M・バーダマン,里中 哲彦, ちくま新書 (2018/12) .
***** 第1章 アメリカン・ルーツ・ミュージックの誕生 / 第2章 ゴスペル / 第3章 ブルーズ / 第4章 ジャズとニューオリンズ / 第5章 ソウル,ファンク,ヒップホップ / 第6章 カントリーとフォーク / 第7章 ロックンロール *****
という陣容.
第2章以降はいちおうジャンルで分類しているが,第5章はごった煮になった感がある.
アメリカ音楽史と言っても,ポピュラー音楽に限定されている.チャールズ・アイヴスもハリー・パーチもルー・ハリソンもジョン・ケージも登場しない.またラテン系の音楽も登場しない.ロックンロールではない「ロック」も手薄.歴史は現代を含まないのだろうが,今世紀に入ってからの記述はほとんどなし.
ジャズの章を読むと,ハード・バップがパーカー,ガレスピーに先行するように読める.セロニアス・モンクがハード・バップだって? 本気かよ! 他の章にも似たような誤りがありそうだ.
対談形式だが,丁々発止とはいかず,交互に講釈を述べるだけという部分が多い.それなら初心者対専門家の対談形式のほうが入門書に向いていると思うが,偉い先生おふたりだとそうはいかなかったのだろう.
こだわって,ブルースではなくブルーズで通している.
いろいろケチをつけてしまったが,楽しく読了.☆☆☆★
自分のアメリカポピュラー音楽への関わりは日本のラジオ・テレビを通してであった.
例えば,日劇ウェスタン・カーニバルはロックンロール大会だったが,登場する歌手たちはカントリー系に思えた.こうした環境ではプレスリーへの黒人音楽の影響など分からなかったのだなあ...などと,遠い眼.
この本も 白人対黒人という見地で書き直したほうが筋が通ったものになりそうだ.
この本から
柿沼敏江「アメリカ実験音楽は民族音楽だった―9人の魂の冒険者たち」フィルムアート社(2005/1)
を思い出した.
***** 第1章 アメリカン・ルーツ・ミュージックの誕生 / 第2章 ゴスペル / 第3章 ブルーズ / 第4章 ジャズとニューオリンズ / 第5章 ソウル,ファンク,ヒップホップ / 第6章 カントリーとフォーク / 第7章 ロックンロール *****
という陣容.
第2章以降はいちおうジャンルで分類しているが,第5章はごった煮になった感がある.
アメリカ音楽史と言っても,ポピュラー音楽に限定されている.チャールズ・アイヴスもハリー・パーチもルー・ハリソンもジョン・ケージも登場しない.またラテン系の音楽も登場しない.ロックンロールではない「ロック」も手薄.歴史は現代を含まないのだろうが,今世紀に入ってからの記述はほとんどなし.
ジャズの章を読むと,ハード・バップがパーカー,ガレスピーに先行するように読める.セロニアス・モンクがハード・バップだって? 本気かよ! 他の章にも似たような誤りがありそうだ.
対談形式だが,丁々発止とはいかず,交互に講釈を述べるだけという部分が多い.それなら初心者対専門家の対談形式のほうが入門書に向いていると思うが,偉い先生おふたりだとそうはいかなかったのだろう.
こだわって,ブルースではなくブルーズで通している.
いろいろケチをつけてしまったが,楽しく読了.☆☆☆★
自分のアメリカポピュラー音楽への関わりは日本のラジオ・テレビを通してであった.
例えば,日劇ウェスタン・カーニバルはロックンロール大会だったが,登場する歌手たちはカントリー系に思えた.こうした環境ではプレスリーへの黒人音楽の影響など分からなかったのだなあ...などと,遠い眼.
この本も 白人対黒人という見地で書き直したほうが筋が通ったものになりそうだ.
この本から
柿沼敏江「アメリカ実験音楽は民族音楽だった―9人の魂の冒険者たち」フィルムアート社(2005/1)
を思い出した.