トム・クラインズ, 熊谷 玲美 訳,「太陽を創った少年 : 僕はガレージの物理学者」早川書房 (2018/5).
Amazon の内容(「BOOK」データベースより)*****
14歳の核物理学者はどうして生まれたのか? 9歳でロケットを実作した、アメリカ・アーカンソー州の早熟の天才、テイラー・ウィルソンは11歳の若さでさらなる野心に燃えていた。祖母がくれた本に刺激を受け、核融合炉を自宅で創ろうと決意したのだ。危険と隣り合わせのそんな作業を、子どもがやってのけられるはずがないという大人の常識をしり目に、彼には自分がやれるという自信と勝算、そして適切な知識があった。「ギフテッド」といわれる天才児にもさすがにムリかと思えることが、なぜできたのか。息子を見守る両親の苦労、大学教員をはじめとする教育関係者の奔走。彼のそばで直接取材したジャーナリストが語るサイエンス・ノンフィクション。*****
https://toyokeizai.net/articles/-/223206
数年前に 14 歳の少年が核融合を達成したと報道されたことがある.そのときは低温核融合の類かなと思った.図書館の,この本に詳細を期待したが,理工的な記述はなかった.
アメリカならではの,天才児を対象とする教育体験書で,そこに興味があれば面白いだろうが,ぼくは中途でリタイアした.
この邦題は不適切.彼が作ったのは太陽ではなく,中性子源にすぎない.原題「核融合で遊んだ少年」
The Boy Who Played with Fusion - Extreme Science, Extreme Parenting and How to Make a Star
はうまい.parenting は「親であること」だろうが,子供のいうことは何でも聞くところが Extreme.Star は,核融合で光る星 (だけ) ではなく,天才少年物理学者というスターを (も) 意味するのだろう.
でも彼も二十歳過ぎればただの物理屋なのかもしれない.
最後の章は「スコッチテープ実験」.テープを剥がすときの高電圧発生を Nature クラスの大発見と書いてはあるが,けっこう知られた話.2008 年にはすでに Nature に掲載されており,当時勤めていた研究室で話題になったことがある.
Amazon の内容(「BOOK」データベースより)*****
14歳の核物理学者はどうして生まれたのか? 9歳でロケットを実作した、アメリカ・アーカンソー州の早熟の天才、テイラー・ウィルソンは11歳の若さでさらなる野心に燃えていた。祖母がくれた本に刺激を受け、核融合炉を自宅で創ろうと決意したのだ。危険と隣り合わせのそんな作業を、子どもがやってのけられるはずがないという大人の常識をしり目に、彼には自分がやれるという自信と勝算、そして適切な知識があった。「ギフテッド」といわれる天才児にもさすがにムリかと思えることが、なぜできたのか。息子を見守る両親の苦労、大学教員をはじめとする教育関係者の奔走。彼のそばで直接取材したジャーナリストが語るサイエンス・ノンフィクション。*****
https://toyokeizai.net/articles/-/223206
数年前に 14 歳の少年が核融合を達成したと報道されたことがある.そのときは低温核融合の類かなと思った.図書館の,この本に詳細を期待したが,理工的な記述はなかった.
アメリカならではの,天才児を対象とする教育体験書で,そこに興味があれば面白いだろうが,ぼくは中途でリタイアした.
この邦題は不適切.彼が作ったのは太陽ではなく,中性子源にすぎない.原題「核融合で遊んだ少年」
The Boy Who Played with Fusion - Extreme Science, Extreme Parenting and How to Make a Star
はうまい.parenting は「親であること」だろうが,子供のいうことは何でも聞くところが Extreme.Star は,核融合で光る星 (だけ) ではなく,天才少年物理学者というスターを (も) 意味するのだろう.
でも彼も二十歳過ぎればただの物理屋なのかもしれない.
最後の章は「スコッチテープ実験」.テープを剥がすときの高電圧発生を Nature クラスの大発見と書いてはあるが,けっこう知られた話.2008 年にはすでに Nature に掲載されており,当時勤めていた研究室で話題になったことがある.