Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

御宿かわせみ ミステリ傑作選

2018-12-13 09:31:24 | 読書
平岩弓枝 大矢博子,文春文庫 (2918/12)

「御宿かわせみ(おんやどかわせみ)」は連作時代小説シリーズで,旅籠「かわせみ」を舞台にした人情捕物帖.第1作は 1973 年.断続的に 2005 年まで,オール讀物などい連載された.2007 年からは明治時代の,登場人物の子ども世代を中心とする「新・御宿かわせみ」が続いている.

Amazon の内容(「BOOK」データベースより)*****
「御宿かわせみ」の一番の魅力は、江戸の四季と共に描かれる、人々の情でしょうか。異議あり?「かわせみ」シリーズには、驚くほど秀逸なミステリ作品が多い、と書評家・大矢博士が悩みに悩んで、七作品を厳選した。殺人事件から日常の謎まで、トリックも駆使して実に多彩。巻末の創作の種明かし著者インタビューも必読です。*****

一作ごとに時代が進む.そのなかで主人公たちというか,狂言回しというか,ふたりが付き合って,結婚し,子どもができ,最後は寡婦が残る.この最後の作品だけが「新・御宿かわせみ」から採られたもので,いちばん長い.目地維新による状況の変化は興味を引くが,小説としての出来は悪い.
残る6作では後のほうほど出来が良い.インタビューから表現を借りると,初期は物理トリックを使った話もあるが,後半は次第に人の心のあり方が謎解きにつながる作品が増える...ということ.

インタビューで著者はクリスティが好きと言っておられる.「矢大臣殺し」がいかにもだが,ちょっと設定が不自然かも.ぼく的ベストは「残月」,続いて「三日月紋の印籠」「藤屋の火事」.

「御宿かわせみ」は雑誌で読んだり,テレビで見たりしたが,(本来の形ではないとしても) 一冊の本として読むのは初めてだった.
☆☆☆★
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