丸善に立ち読みに行って「電気がなくても、人は死なない」という本を発見.「福島第一原発は津波が来る前に壊れていた」の,木村敏雄氏の著,洋泉社 (2015/3).内容は節電の勧めで,ちょっと期待はずれ.電気というものが,まったくなくなったらどうなるか,を考えたかったのだ.
2年近く前に「サバイバルファミリー」という映画があった.
ある日、突然日本全国の電力供給が止まり,それに伴いガスや水道といったライフラインも全て停止,自動車やパソコン,携帯電話や時計も使用不可能となり,あらゆる情報網が遮断される.東京に住む一家は「西日本へ行けば電力網が活きている」という噂を頼りに妻の実家である鹿児島へ自転車での長距離移動を決める...というストーリー.太陽フレアの影響だったとかで,停電は突然復旧し,めでたしめでたし.この結末も期待はずれ.
三題噺みたいだが,この一月,「古典は本当に必要なのか」というシンポジウムがあった.登壇者たちが本質的には目指したのは理系対文系論と思うが,これもつまらない.核兵器とか地球温暖化とかを招いたのは理系の責任だが,ここでは理系側の立場は古臭い富国強兵論らしい.文系側はそこを攻撃しない.タイトルからして,そこまで踏み込めないのは想定通りだけれど...
人類が科学文明にはっきり舵を切ったのは,電気を使うようになった時点と思う.核文明は電気文明のほんの一部である.
怪しい記憶によれば,電子を食べるウィルスのようなものが現れて,人類は電気を使えなくなるというSFがあった...と思う.もう一度読みたい. タイトルも作者も覚えていないが,蒸気機関あたりの時代に逆戻りして,最終的には楽しく暮らすという内容だった.
杉浦日向子本などによれば,電気がなかった江戸時代あたりが人類としていちばん幸福な時代だったらしい.もちろん,封建制度下,飢饉・疫病が蔓延したと言う側面も承知しているが....
現代から電気のない時代に戻ったらどうなることだろう.
読んでない本や見てない映画を枕にしてごめんなさい.