Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

書籍のバーコード ぜんまい屋の作文

2020-04-15 09:06:26 | 読書
金田理恵「ぜんまい屋の作文」龜鳴屋 (2012/4).

出版社の紹介文*****
仕草がやさしくて、時間がゆるやかで、少しいたずらっぽくて。

『ぜんまい屋の葉書』から二十余年。今度は、いつのまにか溜まった作文を収めた小さな一冊。ものを書いても、やっぱり、いいなぁ、ぜんまい屋。
*****

著者自装.すっきりしていると思ったら,バーコードがないのだ.
和田誠「装丁物語」白水社(1997/12,文春文庫 2020/2) には,デザイン上いかにバーコードか受け入れがたいものであるかが,縷縷述べられている.
この「ぜんまい屋...」の出版社,龜鳴屋 (かめなくや) は,ホームページによれば,「ちょうど二十世紀が終わる年、人生、にっちもさっちも行かなくなって、すがるように、一人こそこそ本づくりをはじめた零細自営の版元」だそうだ.ここの書籍は直接販売のみの取り扱いで,書店では取り扱っていない.今では,このような普通の流通経路を外れた書籍で初めて,バーコードなしという「贅沢」が可能なのだろう.

本そのものは最初の30ページほどが色刷りで,「....の葉書」調.でも「作文」だから,全体に文章が長い.活版印刷へのこだわりもさることながら,「喫茶店のへんな人」装丁家の菊地信義との出会いも書かれている.
スポングのコーヒーミル,映画「真夏の夜のジャズ」,月光値千金など,著者は16トンの好きなものがお好きらしい.雑談のお相手をしていただいたら,さぞかし楽しいたろう.しかし著者はこの本の出版当時は張さんと婚約中で,北京に移り住むご予定だった.


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