路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【HUNTER】:福岡市・県警OB天下り ■「82名」は適正か?

2019-10-09 08:25:50 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER】:福岡市・県警OB天下り ■「82名」は適正か?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:福岡市・県警OB天下り ■「82名」は適正か? 

 高島宗一郎市長の就任以降、増え続けていた退職警察官の再雇用が平成29年度でピークを迎え、30年度、令和元年と同じ人数で落ち着いたことが分かった。
 ただし、市に再雇用されている県警OBは82名という多さ。市内部からも、「退職警官に何をやってもらっているのか分からないが、市が県警の天下り先になっている現状は決して好ましくない」という声も上がっている。(写真は福岡市役所)

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 ◆高島市政下、県警OB天下りの受け皿に
 県警OBの再雇用が増え始めたのは、平成23年に高島宗一郎市長が就任した直後から。22年の60人台から年度ごとに数を増し、28年4月時点で83人に達していた。高島市政下で23人も増えた計算だ。

 背景にあるのは、アベノミクスノの恩恵にあずかれていない地方経済の現状。厳しい経営からリストラが当然となっている世の中にあって、わざわざ県警OBの天下りを受け入れる企業は少なくなる一方。天下り先は減っており、余力のあった市役所が「受け皿」となる格好となっていた。

 “受け皿作り”を進めたのは、23年に副市長に就任した県警幹部OBだったとされ、24年度に実施された市内部の組織改編が、警察官天下りを増やすきっかけとなった。市は同年4月、暴追運動の強化などに対応するため、市民局内に「生活安全部」を新設。初代部長に現役警察官を招くとともに、一気に県警OB5名を嘱託で「生活安全課」に採用していた。

 この年以来増え続けてきた県警OBの天下りにも、ようやく歯止めがかかったようだ。県警OB再任用者の推移を確認したところ、29年度の「83名」をピークに、翌年度からは「82名」になっている。

県警OB.png

 ある福岡市の現役職員は、次のように話している。
 「天下りが82人に減ったからといって、喜ぶ話ではないでしょうね。退職警官に何をやってもらっているのか分からないが、市が県警の天下り先になっている現状は決して好ましくない。民間企業のリストラで苦しむ人がいる一方で、警察と市役所が馴れ合いを続けているというのでは、市民の理解は得られない。市役所がらみの刑事事件の種はいくらでもあるのに立件されないのは、市と県警が癒着しているからだという声もある」

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2019年10月09日  08:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【HUNTER】:福岡市・入札総合評価の改定で疑われる「便宜供与」(下) 

2019-10-09 08:25:40 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER】:福岡市・入札総合評価の改定で疑われる「便宜供与」(下)■注目される市長と特定業者の関係

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:福岡市・入札総合評価の改定で疑われる「便宜供与」(下)■注目される市長と特定業者の関係 

 福岡市が改定した公共工事入札の「総合評価」。市への情報公開請求で入手した資料を確認したところ、災害時に対応するため市と業界団体などの間で結ばれている「防災協定」が、締結時期の違いによって評価結果に多大な影響を与えることが明らかとなった。
 業界関係者から上がる「同じ防災協定なのに不公平」といった不満の声――。さらに検証を進めると、新たな総合評価が、特定業者への便宜供与につながる可能性があることも分かってきた。(写真は福岡市役所)

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 ■疑問だらけの「防災協定加点」
 総合評価で点数をつけられるのは、工法などの「提案項目」と企業の活動実績をみる「企業評価項目」、そして入札金額だ。このうち、企業評価にあたっては、市と防災活動に関する協定を締結している“団体”に所属し、災害発生時等に行政と協力体制を確立して防災活動を行う者を優位に評価することになっている。

 これまでは、協定締結から5年以上の団体に所属していれば1点を、5年未満なら0.5点が加点されてきた。該当しない場合は加点無しだ。それが今回の見直しにより加点幅が増え、締結から10年以上なら2点、5年以上10年未満なら1.5点、5年未満で0.5点が加点されるよう変更されることになる。(*下、参照)

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 この防災協定に関する加点は、1点といえどもたいへん大きな意味を持っており、同じ防災協定でも締結時期により大きな差がつくことになる。
 「1点の加点と言えど、その差は非常に大きい。2点ならさらに重大な影響力を持つ。大型物件になればなるほど、1点の価値は重くなる」(福岡市のゼネコン関係者)。

 例えば、技術提案が同点だった場合、防災協定の恩恵を受ける企業は、入札額をかなり高く設定しても落札が可能となるのだ。

参照記事
得をするのは…… 福岡市・入札総合評価の改定で疑われる「便宜供与」(中)

 「技術提案で同点になることはほとんどない」――福岡市の担当者はそう話すが、福岡市が2021年の開館を目指して進める「早良地域交流センター(仮称)」整備事業のPFI事業者選定を巡っては、受注を決めた企業グループの評価点が水増しされたことで提案評価の点数が並び、入札金額の差によって落札結果が覆っていたことが明らかとなっている。

参照記事
福岡・高島市政に重大疑惑 業者選定で評価点水増し
福岡市PFI事業 業者選定に入札妨害の疑い

 この時は、40億円もの公費が投入される事業だというのに、入札に参加した二つのグループの提案内容が、不可解な点数の書き変えによってともに493点で並ぶことに――。わずか972万5,914円の違いでしかな入札価格がモノをいう形となり、「0.5点」という前例のない数字の差で落札者が決定していた。「総合評価」とPFI事業者の選定は違うという言い訳が聞こえてきそうだが、「技術提案で同点になること」は、あり得るということだ。だからこそ、「防災協定の締結時期による加点」の意味が重くなる。

 ■防災活動実績ゼロでも“加点”という矛盾
 市は加点に段階を設けたことについて、「すでに実績ある団体と新規締結団体が同じ評価では不公平で、差別化を図るため」なのだと説明する。しかし、それではルール上の矛盾が生じることになる。

 例えば、目前の入札を有利に戦いたいがために、防災協定締結から10年以上の団体に加盟した業者がいたとしよう。すると、その業者の実質活動が皆無であっても、加盟した瞬間から加点を受ける立場になるのだ。市は「確かに現行ルールでは、所属企業の活動実態に関係なく、団体の実績によって加点が実現する」ことを認めており、“防災協定の実績によって差別化を図る”という主張には大きな矛盾が生じることになる。

 福岡市は、防災協定を利用して特定業者に有利な状況を作り出すことを優先したため、そうした弊害を無視したのではないか――。防災協定を結んでいる建設業界の団体を精査すると、疑念は膨らむ一方となる。簡単には結ばせなかったはずの防災協定を、“拡大させたい”とする福岡市の「方針転換」。そうなると、これまで「加点」で得をしてきた業者から不満の声が上がったであろうことは容易に想像がつく。既得権を守るため、市の一部と特定業者が総合評価の「改悪」を画策した可能性は否定できない。

 ■得をする市長と親密なあの業者とお仲間
 では、疑問だらけとなった今回の総合評価見直しで得をするのは誰か――。

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 複数の土木関連団体が、早い時期から防災協定を結んでいたのに対し、建築の業者団体は一つだけ。じつはここに、疑惑の核心がある。
 
 それぞれの団体に加盟する業者を確認したところ、防災協定による加点の恩恵を受ける土木業者は約200社。一方、建築主体の業者団体「一般社団法人 福岡防災機構」に加盟しているのは、わずか75社。中核になっているのは、中央区に本社を置く建設業者である。前述した「早良地域交流センター(仮称)」のPFI事業者構成企業の事実上のオーナー会社でもある同社は、高島宗一郎市長との密接な関係で知られ、市長の側近が度々同社の会長室を訪れていたことが分かっている。

 業界関係者のひとりは、総合評価の改定について次のように話している。
「改定というより改悪だ。市長の政治資金の面倒をみてきた“あの会社”と周辺への、防災協定を悪用した便宜供与に他ならない。福岡防災機構の加盟業者に対しては、これまで1点加点だったものが、1.5点の加点。別の建設業者の集まりが防災協定を結んでも、0.5点の差は残る。この差がいかに大きいかは、HUNTERの検証記事でも明らかだろう。そもそも、防災協定を広めたいのなら、締結時期で差をつけるのはナンセンス。一律加点「1」にすべきだ」

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2019年08月23日  09:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【HUNTER】:福岡市・入札総合評価の改定で疑われる「便宜供与」(中) 

2019-10-09 08:25:30 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER】:福岡市・入札総合評価の改定で疑われる「便宜供与」(中) ■得をするのは……

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:福岡市・入札総合評価の改定で疑われる「便宜供与」(中) ■得をするのは…… 

 福岡市が、来年4月から実施する予定で改定した公共工事入札の「総合評価」。市への情報公開請求で入手した資料の検証や業界関係者への取材から見えてきたのは、特定業者への便宜供与を疑わせる改定内容だった。
 市が利用したのは、災害時に対応するため市と業界団体などの間で結ばれている「防災協定」。この協定の締結時期による加点幅を変更したため、極端に不利益をこうむる業者が出てくることになる。得をするのは誰か――。

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 ■加点「1点」の重み
 昨日の配信記事で述べたとおり、総合評価で点数をつけられるのは、工法などの「提案項目」と企業の活動実績をみる「企業評価項目」。このうち企業評価にあたっては、市と防災活動に関する協定を締結している“団体”に所属し、災害発生時等に行政と協力体制を確立して防災活動を行う者を優位に評価することになっている。

 これまでは、協定締結から5年以上の団体に所属していれば1点を、5年未満なら0.5点が加点されてきた。該当しない場合は加点無しだ。それが今回の見直しにより加点幅が増え、締結から10年以上なら2点、5年以上10年未満なら1.5点、5年未満で0.5点が加点されるよう変更された。防災協定の締結時期により、2点もの差が生じるということだ。じつは、防災協定に関する加点は、1点といえどもたいへん大きな意味を持つのだという。

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 「1点の加点と言えど、その差は非常に大きい。2点ならさらに重大な影響力を持つ。大型物件になればなるほど、1点の価値は重くなる」――そう話すのは福岡市のゼネコン関係者だ。具体的に総合評価方式の計算式みれば、その理由がわかる。

 総合評価は、(技術評価点÷入札価格)×α=評価値で計算し、数値の最も高い企業が落札する仕組みだ。ここで、防災協定による企業評価点の加算がどのような影響を及ぼすかを明快にするため、以下の条件を設けてシミュレーションしてみる。

・競合するのは、防災協定締結団体に所属していることで「2点加点」されるA社と、加点無しのB社。
・公表の予定価格から導いた最低制限価格を5億円と仮定し、両社が同額で入札。
・技術提案点を両社共に13点の同点と仮定。
・企業評価点をA社11点、B社9点と仮定。

 この条件で加算点合計を算出するとA社は24点,B社は22点で2点差となり、各社に割り当てられる標準点100を合計した技術評価点はA社124点、B社122点でやはり2点差となる。前述の数式を用い、両社の評価値を算出すると、A社は24.8000点,B社は24.4000点となり、A社が落札となる。

 しかもA社は、最低制限価格より高い額を選択したとしても、B社に勝つことが可能。そのからくりは、こうだ。例えば、入札額を引き上げていくと5億810万円になった場合、評価値は24.4046となり、最低制限より810万円高く入札していてもA社が勝利する結果となることが分かる。この場合、加点合計ベースでの1点の重みは「810万円÷2=405万円」となる。

 複数競合での入札で落札を目指す場合は、概ね各社最低制限価格での応札するため、評価値での決定となることが多い。技術提案の点数は提案内容により違いが出るが、企業評価点は企業側で、ある程度計算が可能であることから、ここでの加点を計算できる事がいかに大きな意味を持つかはいうまでもない。市の総合評価は、“競合先との明確な差を計算できる”という状況を作り出していることになる。

 ■建設業界「防災協定」の実態
 HUNTERのシミュレーションにおいては1点が400万円の意味を持ったが、これが大型物件ではさらに大きな意味を持つようになるのは明らか。だからこそ、建設業者は必至で「加点」を模索するし、総合評価方式における評価点の改善指導を生業にするコンサル会社もあるほどだ。

 しかし、今回の総合評価見直しで、労せずして加点される企業が増えるのは事実。しかも、防災協定締結から10年以上の団体に所属する企業には、初めから「2点」が加点されるというのだから、防災協定を結んでから日の浅い団体に加盟している企業からも、「おかしい。不公平だ」という声が上がるのは当然だろう。

 また、総合評価の対象ランクを1億円未満の工事にまで拡大するとなると、防災協定10年以上のグループだけが増えてランクアップする状況となり、総合評価案件への取組企業が限定されてゆくと同時に血税が限定された企業の利益にのみ流れ込み続ける可能性が格段に上がることになる。

 市の担当者は「1社でも多くの企業と防災協定を結びたいという思いから、加点幅を広げた」というが、過去には防災協定の締結を市に打診しても、なかなか受け付けてもらえなかったケースも存在する(参照記事⇒「利権化した福岡市の『防災協定』」。

 簡単には結ばせなかったはずの防災協定を、拡大させていきたという福岡市の「方針転換」。そうなると、「加点」で得をしてきた業者から不満の声が上がったであろうことは容易に想像がつく。既得権を守るため、市の一部と特定業者が総合評価の「改悪」を画策した可能性は否定できない。
 
 では、今回の総合評価見直しで得をするのは誰か――。市の開示資料には、防災協定を結んでいる建設業界の団体が明記されていた。協定の締結年によって、加点にかなりの差がつくことが分かる。

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 複数の土木関連団体が、早い時期から防災協定を結んでいたのに対し、建築の業者団体は一つだけ。じつはここに、疑惑の核心があると言っても過言ではない。
 総合評価改定の問題点について、さらに検証を進めていく。
                                                            (つづく)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 行政・社会 【行政ニュース】  2019年08月09日  09:20:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 
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【HUNTER】:福岡市・入札総合評価の改定で疑われる「便宜供与」(上)

2019-10-09 08:25:20 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER】:福岡市・入札総合評価の改定で疑われる「便宜供与」(上)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:福岡市・入札総合評価の改定で疑われる「便宜供与」(上) 

 公共事業を巡る業者と役所の癒着は今に始まったことではないが、福岡市が、一部の業者に便宜供与する形になるのを承知で「入札」の実施方法を変更することが分かった。
 変更されるのは、一定額以上の工事入札に導入されている「総合評価方式」。市は、今年1月からの不透明な見直し過程を経て、6月に新たな方針を決定していた(参照記事⇒「福岡市・入札総合評価改定に漂う不透明感」。 
 業界関係者から“癒着”を疑う声が上がる変更点とは……。(写真は福岡市役所)

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 ■怪しい「総合評価の見直し」
 入札の総合評価方式とは、価格のほか品質を高めるための新しい技術やノウハウ、会社の業績など価格以外の要素を含めて総合的に評価する落札方式。価格だけで評価する落札方式に比べ、価格と品質の両方を評価することにより総合的に優れた調達を行うことが可能になるとして、「公共工事の品質確保の促進に関する法律」に基づき国が導入を進めてきた。

 福岡市は2009年6月、予定価格3億円以上の工事を対象に総合評価方式を導入。2012年2月からは、予定価格1億円以上の工事入札に総合評価方式を取り入れるなど、対象の拡大を図ってきていた。

 市は導入から10年を迎えた今年1月、総合評価方式の見直しに着手。総合評価全般についての意見を聞くため有識者を委員に組織された「福岡市総合評価技術審査委員会」が今年1月と5月にそれぞれ1回ずつ、総合評価の実務を取り扱うために市の職員だけで構成された「福岡市総合評価委員会」が2月と5月に1回ずつ会議を開き、議論した上で6月に次の4項目を柱とする方針を決定していた。市は7月初旬、指名業者を対象に説明会を開催。8月1日から一部新ルールの採用に踏み切っている。

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 「方向性1」に示された工事の品質確保も、「方向性2」にある入札参加者の負担軽減も結構なこと。「方向性3」の制度・手続きの適正化は、当たり前のことだろう。あたかも、良いことづくめの改定のようだが、「方向性4」の内容を検証すると、今回の改定そのものが新たな方向性のメリットを否定する“うさん臭い”ものであることが分かる。

 価格のみで競う従来型の入札にしろ、総合評価方式での入札にしろ、役所と業者が意を通じれば不正を行うことが可能。情報公開を求めても、事業者情報保護を名目に技術審査の過程が開示されないため、「総合評価の方がタチが悪い」との指摘が絶えない。

 総合評価の対象拡大が建設業界に与える影響は決して小さなものではあるまいが、今回HUNTERが問題視したのは4番目の「災害対策協力企業の評価拡充」についてだった。この項目を詳しく検証していくと、市と業界団体が個別に結ぶ「防災協定」を悪用することで、一部の業者が利益を得る“いびつな市政”の実態が浮き彫りになる。

 ■「防災協定」加点への疑問
 「災害対策協力企業の評価拡充」について検証する前に、総合評価の評価方法を確認しておきたい。下は、市がホームページ上で公表している「総合評価方式実施ガイドライン」の記載だ。

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 福岡市が採用している総合評価の型式は、工事内容等に応じてWTO型、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型の4つ(下に解説)。いずれの形式でも、(技術評価点÷入札価格)×α=評価値で計算し、数値の最も高い企業が落札する仕組みだ。

【WTO型】WTO政府調達協定の適用工事を対象。海外企業も入札参加するため、過去の実績等の一部の企業評価項目は設定せず、技術提案など当該工事に対する提案等により「品質」の評価を行う。

【Ⅰ型】技術的工夫の余地が大きい工事に適用され、技術提案などの提案、企業の施工能力や配置予定技術者の能力等により「品質」の評価を行う。

【Ⅱ型】技術的工夫の余地が比較的小さい工事に適用され、施工上の基本的事項に関する提案、企業の施工能力や配置予定技術者の能力等により「品質」の評価を行う。

【Ⅲ型】技術的工夫の余地の小さい工事に適用され、企業の施工能力や配置予定技術者の能力等により「品質」の評価を行う。 

 技術評価項目は大きく「提案項目」と「企業評価項目」に分かれており、前者は工法や管理に関する技術的な項目、後者は会社の経営実態や社会貢献の度合いなどを指す。

 問題は、企業評価項目に含まれる「災害対策協力企業」に対する加点。市は今回の見直しの結果、「防災協定」を締結している団体の加盟社に、来年度から最大で「2点」を加点する方針なのだ。

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 これに対し、業界関係者からは「従来方式でさえ、特定企業の落札ありきとも思える入札方式だった。来年4月からの改定案は、さらに酷い。特定業者への便宜供与だ」との声が上がる。

 業界関係者が問題視しているのは、防災協定に関する「加点」。じつは、防災協定絡みの「1点」が、落札業者決定の際に極めて大きな意味を持つことになる。
                                                          (つづく)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 行政・社会 【行政ニュース】  2019年08月08日  08:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 
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【HUNTER】:福岡市・入札総合評価改定に漂う不透明感 ■市職員まで黒塗り非開示

2019-10-09 08:25:10 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER】:福岡市・入札総合評価改定に漂う不透明感 ■市職員まで黒塗り非開示

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:福岡市・入札総合評価改定に漂う不透明感 ■市職員まで黒塗り非開示 

 1億円以上の公共工事の入札で採用されている「総合評価方式」の見直しを進めていた福岡市が、同方式の対象拡大や入札参加者への負担軽減などを柱とする新たな方針を決定。業界関係者への説明を経て、ホームページ上などで「福岡市総合評価方式実施ガイドライン」を公表した。
 建設業者にとっては、会社の浮沈に関わる重要な制度改正なのだが、福岡市への情報公開請求で、見直しの過程が極めて不透明であることが明らかとなった。(写真は福岡市役所)

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 ■総合評価改正の「委員」を黒塗り非開示
 新たな総合評価方式を検証してみると、今回の改正はむしろ「改悪」。特定業者への便宜供与を疑わせる内容が含まれている。詳細は次の特集記事で配信していくが、制度の見直し過程自体が、「総合評価はブラックボックス」(業界関係者)という批判の声を裏付けるような不透明極まりないものだった。

 福岡市が開示した資料によれば、総合評価の見直しに関する会議は計4回。市は、有識者を委員に組織された「福岡市総合評価技術審査委員会」が今年1月と5月にそれぞれ1回ずつ、市の職員だけで構成される「福岡市総合評価委員会」も2月と5月に1回ずつ会議を開き、委員らの意見を聞いた上で6月に次の4項目を柱とする方針を決定していた。

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 改正内容の問題点は次稿で詳述するが、その前に問われるべきは総合評価を見直す過程の透明性。一体誰が、どのような議論を経て、疑惑を持たれるような内容の改正にお墨付きを与えたかだ。

 そこで、市が開示した「福岡市総合評価技術審査委員会」と「福岡市総合評価委員会」の議事録を確認したところ、肝心の情報はみごとに隠蔽されていた。

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 いずれの委員会も、委員名は黒塗り非開示。一部開示決定通知に記されていた“理由”は、「委員名を公表すると、不正な働きかけを受けるリスクが高まる」というものだった(下、参照)。

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 ■隠蔽の裏には……
 しかし、PFI事業者の選定などでは、選定・選考にあたる委員の氏名や所属は事前に公表されるのが普通。委員が業者から働きかけを受ける“事件”が起きたという話など、聞いたことがない。

 そもそも、総合評価で決める入札の件数が多いからといって、わざわざ会社を潰すことにつながる違法行為に走る業者が出てくるとは思えない。総合評価に関する委員会のメンバーを非公表にしているのは、別の理由があるからではないのか――。そうした疑念を持たれてもおかしくない隠蔽だろう。

 ちなみに、隠蔽に力を入れ過ぎたせいか、市は本来公表すべきものまで不必要な黒塗りを行っている。総合評価を担当する二つの委員会の委員の情報が非開示になっているのは述べてきた通りだが、一方で事務局を務めている市職員の役職と氏名は明記されているのだ。これでは、市の職員だけで構成されているという「福岡市総合評価委員会」の委員まで非開示にする意味がない。

 「働きかけを受ける」可能性があるのは、担当部局の職員も同じ。むしろ業者との接触機会が多いのは、入札や工事を直接担当する職員らだろう。彼らの氏名を公表しておいて、同じ市の職員で構成される「福岡市総合評価委員会」のメンバーを隠すというのでは辻褄が合うまい。

 これまで福岡市は、外部の有識者を構成員に加えて立ち上げた組織が市政の課題について検証、検討を行う際には、委員の氏名や職業を公表してきた。こども病院の移転問題が議論された「こども病院移転計画調査委員会」や「屋台との共生のあり方研究会」などは、委員の顔ぶれを公表するだけでなく会議自体がオープン。高島宗一郎市長の就任後は、市の重要課題を密室で決めることが少なくなっていた。前述したように、PFI事業者の選定も同じ。選定委員を隠したケースは1件もない。

 なぜ総合評価の見直し作業の過程だけ、隠そうとするのか――?疑問への答えは、特定業者に対する便宜供与を疑わせる総合評価の改正内容にあった。
                                                        (以下、次稿)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2019年08月07日  08:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【HUNTER】:「宿泊税」で合意の福岡市と県 舞台回しは県議会主流派

2019-10-09 08:25:00 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER】:「宿泊税」で合意の福岡市と県 舞台回しは県議会主流派 ■知事選機に高島市長と歩み寄り

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:「宿泊税」で合意の福岡市と県 舞台回しは県議会主流派 ■知事選機に高島市長と歩み寄り 

 4月の福岡県知事選挙でも争点になった「宿泊税」の問題に、ようやくケリがついた。
 24日、小川洋福岡県知事と高島宗一郎福岡市長が、懸案となっていた宿泊税の取り扱いについて協議。福岡市内に限って宿泊料2万円未満の場合は市税150円、県税50円を徴収し、2万円以上では市税450円、県税50円とすることで合意した。二重課税は全国初。福岡市以外の市町村では、県が一律200円を徴収する。
 突然の合意は、「五輪を前に時間がない」が表向きの理由。しかし、水面下では早くから「市税150円、県税50円」を落しどころとする動きがあった。市と県が歩み寄るきっかけとなったのは、“県知事選挙”である。

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 ■突然の「合意」、きっかけは知事選
 宿泊税の導入で先行したのは県。2016年から新たな財源として導入に向けた検討を開始していたが、福岡市議会が18年9月に宿泊税導入の条例案を可決したことで、両自治体が対立する事態となっていた。

 今年4月の福岡県知事選挙では、現職の小川洋知事に対抗して麻生太郎副総理兼財務相と県議会主流派が元官僚のテレビコメンテーター武内和久氏を擁立。高島市長は、市側に宿泊税の徴税権を譲るとした武内氏を支援していた。

 保守分裂となった知事選は、投開票の結果約95万票の大差をつけて小川氏が勝利。高島市長の不利に働くものとみられていたが、統一地方選の後半戦が終わったあたりで県と市が急速に歩み寄り、実務者協議で合意点を確認し合う状況となっていた。小川知事と高島市長による、24日の合意内容をまとめるとこうなる。

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 宿泊税について、一歩も譲らぬ姿勢を見せていた小川知事と高島市長。知事選で激しくぶつかった後だけに迷走が続くものと思われていたが、あっというまの合意だった。皮肉なことに、きっかけとなったのは両者が敵対した“県知事選挙”。保守分裂が、思わぬところでプラスに作用したと言うしかない。

 関係者の話によれば、高島市長と距離を置いてきた県議会の主流派が、知事選で敗戦濃厚となっていた武内氏支援に踏み切った市長側と急接近。「市税150円、県税50円」が協議のテーブルに乗ったことで、合意につながったという。ある県議会関係者は、匿名を条件にこう話す。
「昨年から、水面下で動いていたのは県議会側。情報収集を続け、市長の考えを探っていた。『市税150円、県税50円』でまとまるとみて、小川知事と市長サイドに合意案を提示したようだ。おそらく、知事選の告示日にあった武内の出陣式あたりがスタート地点。お互いに距離を置いていた県議会の主流派と市長が、初めて向き合った。あとはトントン拍子。タイミングの問題だった。
 宿泊税の問題に政治生命をかけると約束した知事にとっても、武内惨敗で影響力低下が囁かれるようになった市長にとっても、渡りに船の話で断る理由などない。市も県も、市長も知事も、すべての関係者の顔がたったということだ」

 これまで市長は、麻生財務相やその系列の政治家としか付き合いがなく、県議会主流派とは不仲だったという。麻生氏と近い北九州の県議が、福岡市政に影響力を持つ「異常事態」(ある自民党市議)が続いてきたのも確かだ。それが一転、保守分裂となった知事選の過程で県議会主流派と高島市長が手を組んだ形――。福岡県政界の今後の流れが、大きく変わる可能性が出てきた。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2019年05月27日  07:20:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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