路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:年のはじめに考える 贈り物でなく預かり物  

2024-01-01 07:33:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説①】:年のはじめに考える 贈り物でなく預かり物  

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:年のはじめに考える 贈り物でなく預かり物  

 2024年が明けました。今、地球上にいる人で、100年後、つまりは2124年の地球をその目で見られる人というのは、ほんの一握りでしょう。でも、それ以外の人も何となくこうは思っている。100年後も自分たちの子孫は基本的には今の自分たちと同じように暮らしているだろう、と。当然ですね。もし、そういう漠然とした認識がなかったら、今を生きているということが、途端に覚束(おぼつか)なくなる気がします。

 ◆享受は今、支払いは未来

 しかし、では地球が100年後も今と同じような地球でいられるかとなると、正直、疑問符がちらつきます。人類がこの惑星の異変に気づき始めたのは20世紀後半。以降、気候や生態系など環境に関するデータ、研究が積み重ねられて危機は次第に輪郭をはっきりさせてきました。それに対応する代表的な条約が、国連生物多様性条約や国連気候変動枠組み条約であり、30年ほど前の発効後、何度も何度も締約国会議(COP)を開いて対策を議論してきました。
 
 もっとも、それだけの時間をかけ、それだけの会議を重ねてもなお、人類は、例えば、地球温暖化に歯止めをかけるところまでいっていない。すべてそのせいだとは言えないにしても、尋常でない高温や低温、洪水や干ばつ、山火事の多発など、「地球異変」を印象づける事象が世界中で相次いでいるのにもかかわらず、です。
 
 <地球は先祖からの贈り物ではない。子孫からの預かり物だ>とは、アメリカ先住民の言い伝えだとか。何とも耳に痛い言葉です。本来は<預かり物>なのに、まるで貰(もら)った物のように雑に扱ってきた結果の異変顕現。できるだけ預かった時の状態で子孫に手渡すのが筋ですが、今のままでは、そうできるか、かなりあやしい。
 
 「今」の世代が欲望を満たし、便利さを享受するために、病んだ地球を押しつけられることになるのは「未来」の世代で、「今」の世代がコストを最小化、利益を最大化できる代わりに、「未来」の世代が損害や賠償に苦しむ-。子孫の視点に立って考えるなら、こんな理不尽な話はありません。

 ◆「政治屋」か「政治家」か

 さて今、自民党は派閥パーティー券の売り上げにからむ裏金問題で大揺れです。司直の手も入り、捜査が進みますが、裏金の使途の一つは次の選挙に向けた資金だったと考えられています。思い出したのは、米国の有名な警句。
 
 <政治屋(ポリティシャン)は次の選挙を考え、政治家(ステーツマン)は次の世代を考える>
 
 岸田政権もガタガタ、その行く末さえ不透明ですが、裏金問題発覚前に首相が表明した「減税」にも<次の選挙>の臭いがします。
 
 税収増の還元といっても、財務相が「(増収分は)もう使ってしまった」と言う以上、原資は借金するしかない理屈。でも、既に国債発行残高1千兆円超、主要7カ国でも断トツ最悪の財政状態にあるのが日本です。この状況で減税を言い出すのですから、もう有権者の歓心を買おうとする策、とでも考えるほかないでしょう。
 
 まあ、そういう傾向は現政権だけの話ではありませんね。<次の選挙>を意識して、有権者受けを狙う派手な予算編成を優先し、簡単に借金頼み。掛け声だけで一向に本気で財政健全化に取り組もうとしない姿勢は、代々の自民党政権に共通しています。こう言っては言い過ぎでしょうか。もし、こんなに<政治屋>だらけでなかったら、ここまで借金も膨らまなかっただろう、と。
 
 <政治家>であれば、国もまた<次の世代>、子孫からの<預かり物>だと考えるはず。身勝手な理屈で借金まみれにした国を、素知らぬ顔で将来世代に手渡すようなことはできないでしょう。
 
 連想したのは、こんな掌編。
 
 -ある村に突如、出現した穴。ある男が「おーい、でてこーい」と叫んだが声は吸い込まれるばかりで、石ころを投げても反響音もしない。どうも底なしのようだ、となって、やっかいなものが次々そこに捨てられるようになる。原子炉のカス、都会のゴミ、機密書類、身元不明死体…(星新一『おーい でてこーい』)。

 ◆穴に捨てたゴミの行方

 未来は目に見えず、茫洋(ぼうよう)としています。だからこそ、地球環境のことにせよ国の借金にせよ、やっかいごとは未来に押しつけてしまえ、となりがちなのかもしれません。まるで、底が見えないからと何でもかんでも放り込まれた、この掌編の<穴>みたいに。
 
 でも、実は、<穴>に捨てたからってゴミやら何やらが消えてなくなったわけではなかった、というのが、このお話の結末。未来の世代につけを回す問題だって同じです。子孫が生きる未来をゴミだらけにしたくはありません。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年01月01日  07:33:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【筆洗】:謹賀新年。本年もなにとぞ小欄、ごひいきのほどを。めでたき日…

2024-01-01 07:33:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【筆洗】:謹賀新年。本年もなにとぞ小欄、ごひいきのほどを。めでたき日…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:謹賀新年。本年もなにとぞ小欄、ごひいきのほどを。めでたき日…

 謹賀新年。本年もなにとぞ小欄、ごひいきのほどを。めでたき日に普段の皮肉な物言いは控え、縁起の良い話から始めるとする

 ▼大津絵とは江戸時代に東海道の大津宿あたりで旅人の土産用に売られていた絵でユーモアにあふれた筆が庶民の人気を得た。絵と歌で人の道を教え、一種の「お守り」にもなっていた

 ▼おサルさんがヒョウタンで大きなナマズを押さえ込んでいる奇妙な大津絵をご覧になったことがある方もいらっしゃるか。思慮の足らない行動を戒めた絵で、どういうわけか、諸事円満解決や水難除(よ)けの護符となったという

 ▼お正月らしいかどうかはともかく、こんな大津絵もある。現在の感覚だとちょっと紹介しにくいのだが、目の不自由な「座頭」が野良犬にふんどしを引っ張られて、難儀している

 ▼なぜ、こんなものがといえば、「座頭」には高利貸しをなりわいとする者も多く、庶民の恨みを買い、こうした悪意のある絵が描かれたらしい(『大津絵 民衆的諷刺(ふうし)の世界』クリストフ・マルケ著)。おかしなことに、この絵は転倒防止の護符になった

 ▼さて、今年こそ良い年にと縁起の良い大津絵を紹介してきたが、今年はどんな年になろうか。不信の渦巻く日本政治でいえば犬にふんどしを引っ張られるメガネをかけた人物の絵なんぞがはやらぬことを祈るばかりである。やはり、正月早々、皮肉な話となった。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年01月01日  07:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【話題】:2024年 富士山照らす初日の出 すがすがしい幕開け

2024-01-01 06:55:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【話題】:2024年 富士山照らす初日の出 すがすがしい幕開け

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【話題】:2024年 富士山照らす初日の出 すがすがしい幕開け<button class="sc-kPMLMy iJRAKq" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-kPMLMy iJRAKq" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">周辺をオレンジ色に染め富士山頂付近から昇る初日の出=1日午前6時55分、富士宮市(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)</button>

 周辺をオレンジ色に染め富士山頂付近から昇る初日の出=1日午前6時55分、富士宮市(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)((静岡新聞社))

 元稿:静岡新聞社 朝刊 主要ニュース 社会 【話題・周辺をオレンジ色に染め富士山頂付近から昇る初日の出】  2024年01月01日  06:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【選挙】:衆院選465議席に968人準備 「10増10減」実施後初

2024-01-01 05:04:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【選挙】:衆院選465議席に968人準備 「10増10減」実施後初

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【選挙】:衆院選465議席に968人準備 「10増10減」実施後初

 2025年秋までに実施される次期衆院選の立候補予想者が昨年12月31日現在、968人に上ることが共同通信社の集計で分かった。女性は215人。小選挙区定数「10増10減」などを受けた新区割りによる初の衆院選で、計465議席を争う。289ある小選挙区を巡り自民、公明両党は布陣をほぼ決定。野党第1党の立憲民主党、第2党の日本維新の会は、候補者未定の空白区で擁立を急ぐ。立民を軸とした野党候補一本化の成否が焦点だが、難航は必至だ。

 国会議事堂=2022年5月

 国会議事堂=2022年5月

 4年間の衆院議員任期は25年10月に満了。衆院選は、自公連立政権への審判と位置付けられる。選挙区の予想者は889人で、与党は自民275人、公明11人。野党は立民169人、維新152人、共産党129人、国民民主党26人、教育無償化を実現する会4人、れいわ新選組10人、社民党7人、みんなでつくる党0人、参政党89人。無所属は17人となった。
 
 各党の擁立状況は、与党、立民、維新の候補者3人が出そろう選挙区が94。与党に加え、立民、維新のどちらかが立てる選挙区は130だった。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【選挙・2025年秋までに実施される次期衆院選の立候補予想者】  2024年01月01日  05:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田首相】:「信頼回復へ先頭に立つ」 年頭所感、裏金問題で決意

2024-01-01 00:01:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【岸田首相】:「信頼回復へ先頭に立つ」 年頭所感、裏金問題で決意

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田首相】:「信頼回復へ先頭に立つ」 年頭所感、裏金問題で決意

 岸田文雄首相は1日付で年頭所感を発表した。自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題を巡り「先頭に立って国民の信頼回復に全力を尽くす」と決意を表明。人口減少や憲法改正など重要課題が山積しているとした上で「政策推進には、政治の安定が必要だ」と強調した。「日本を力強く発展させる年にしたい」とアピールした。

 岸田文雄首相

 岸田文雄首相

 同時に「日本経済を覆っていたデフレ心理とコストカットの縮み志向から完全に脱却する年としたい」と宣言した。
 
 米大統領選など今年の世界の重要選挙に触れ「緊迫の1年になる」と指摘。「外交力を駆使して難局を乗り越え、日本ならではのリーダーシップを発揮する」と力説した。(共同通信)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・岸田首相の年頭所感】  2024年01月01日  00:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2023年12月30日 今日は?】:アジア初の地下鉄が上野―浅草間で開業

2024-01-01 00:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2023年12月30日 今日は?】:アジア初の地下鉄が上野―浅草間で開業

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2023年12月30日 今日は?】:アジア初の地下鉄が上野―浅草間で開業

 ◆12月30日=今日はどんな日

  横光忌引(作家・横光利一の命日)

横光 利一
(よこみつ りいち)
30歳の横光利一(1928年)

 ◆出来事

  ▼ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が建国(1922)▼アジア初の地下鉄が上野―浅草間で開業(1927)▼三菱石炭鉱業端島砿、通称「軍艦島」での採炭が終了(1973)

端島

端島(南西側、2009年撮影)

 ◆誕生日

  ▼木場勝己(49年=俳優)▼ゴンザレス三上(53年=ゴンチチ)▼小川菜摘(62年=タレント)▼藤田憲右(75年=トータルテンボス)▼ノブ(79年=千鳥)▼V(95年=BTS)▼今井悠貴(98年=俳優)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2023年12月30日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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