路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:マイナ保険証 カネの力で不安拭えぬ

2024-01-29 07:46:50 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【社説①】:マイナ保険証 カネの力で不安拭えぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:マイナ保険証 カネの力で不安拭えぬ

 マイナンバーカードと健康保険証を一体化したマイナ保険証の利用促進に向け、政府が利用率を上げた医療機関へ支援金を給付する制度を設けた。いわば報奨金だが普及が進まない原因はトラブルや利点の乏しさにある。カネの力で強引に普及を図るのは筋違いだ。

 現行保険証を今年12月に廃止する政府方針にもかかわらず、マイナ保険証の利用率は8カ月連続で減少し、昨年12月には4・29%にまで落ち込んだ。政府は医療機関の消極的姿勢が一因とみて、支援金制度を創設した。
 
 
 11月までを2期に分け、昨年10月に比べて平均利用率が上がった医院などには申請なしで支援金を支給。5ポイント増えた医療機関には1件当たり20円が診療報酬に上乗せされ、最大120円まで増額される仕組みだ。カード読み取り機=写真=の増設補助も盛り込んだ。
 
 ただ、マイナ保険証の利用率低迷は利点の乏しさや相次ぐシステムの不具合などが原因だ。
 
 厚生労働省が昨年11月、中央社会保険医療協議会に報告した調査ではマイナ保険証による診療や薬剤などの情報を活用した病院は3割弱にとどまり、このうち半数以上が患者の利点について「特にない」「分からない」と答えた。
 
 全国保険医団体連合会の調査では、昨年10月以降も回答した58・4%の医療機関で名前・住所の不表示や窓口負担割合での誤りなどの不具合が起きているという。
 
 医療情報の提供ミスは人命に直接かかわるにもかかわらず、マイナポイントと同様、経済的な利得を与えて普及を促す姿勢は、人命軽視と批判されて当然だ。
 
 支援策に税金から約217億円が投じられる。取得を任意とする原則と矛盾するのではないか。
 
 能登半島地震では大規模な停電や通信障害が発生し、マイナ保険証が災害時に十分機能しない疑問も浮上した。厚労省は被災者が現行、マイナどちらの保険証がなくても医療機関での受診は可能と通知して混乱は避けられたものの、災害時には現行の健康保険証が頼りになるという声は根強い。
 
 政府は安心安全のために現行健康保険証の廃止を撤回すべきだ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年01月29日  07:34:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:年金額の改定 暮らし底上げ知恵絞れ

2024-01-29 07:46:40 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【社説②】:年金額の改定 暮らし底上げ知恵絞れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:年金額の改定 暮らし底上げ知恵絞れ

 2024年度の公的年金額が決まった。23年度に比べて2・7%増と2年連続の増額だが、物価や賃金の上昇分を下回る。年金額の上昇を一定程度抑制する「マクロ経済スライド」が働くためだ。

 物価や賃金の上昇分に比べて年金額の増額を抑制するのは、将来世代の年金財源に充てるため。世代間の支え合いの仕組みだが、年金受給中の高齢者には痛手だ。制度の意義を十分説明し、理解を得る努力を尽くさねばならない。
 
 低年金者には年金とは別に月額最大約5千円の支援給付金制度がある。給付金の増額に加え、重い負担である住宅費軽減のために安価な住宅提供を検討するなど、暮らしの底上げに知恵を絞りたい。
 
 年金は働く現役世代の保険料で支えられている。賃上げが実現すれば保険料収入も増え、年金制度はより安定する。大幅賃上げが期待される今年の春闘で、企業と労働組合は誠実に交渉し、確実な賃上げにつなげるべきは当然だ。
 
 現役世代が将来受け取る年金額を増やすための制度改正も重要となる。
 
 厚生労働省は短時間労働者を対象に厚生年金への加入拡大を進めている。適用対象となる企業規模を現在の100人超から、今年10月には50人超に広げる。
 
 職場規模の違いで厚生年金加入に差がある現状は、社会保障の公平性に欠ける。一定の時間働いて一定の所得があれば加入できるようにすべきだ。いずれは企業規模要件の撤廃も検討してほしい。
 
 国民年金(基礎年金)の額を増やすために、保険料の納付期間を40年から45年に延ばす案も検討されている。保険料負担は増えるものの、受け取る年金額も約12%増える。
 
 長寿化により厚生年金加入者は60代以降も働き続け、保険料を引き続き負担することが一般的だ。国民年金の納付期間の延長も検討すべき課題だろう。
 
 国民年金では自営業者やフリーランスらを対象に、子どもが1歳になるまで両親の保険料納付を免除する子育て支援策を26年度中に実施することを目指している。厚生年金では既に同様の免除制度がある。
 
 どの世代、どんな働き方でも年金制度のメリットを受けられるようにすることが制度全体の信頼性を高める。政府にはよりよい制度に向けた不断の検討を求めたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年01月29日  07:33:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:「月曜の朝、時計を確かめよう。」-。1970年代に時計のセ…

2024-01-29 07:46:30 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【筆洗】:「月曜の朝、時計を確かめよう。」-。1970年代に時計のセ…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:「月曜の朝、時計を確かめよう。」-。1970年代に時計のセ…

 「月曜の朝、時計を確かめよう。」-。1970年代に時計のセイコーが展開した宣伝の文句なのだが、今の若い方にはピンとこないか。どうして、時計を確かめる必要があるのか。しかも月曜日の朝に

 ▼60代以上の方には説明は不要だろう。クオーツやデジタルの時計が普及する以前、ゼンマイ式の時計はよく止まったり、遅れたりした。そのため、週明けの月曜、仕事などに向かう前に時計を正確な時刻に合わせましょうと呼びかけていた。遅刻の言い訳に「時計が遅れていて」と言ってもけっこう通用した時代の話である

 ▼今すぐに残り時間を確認し、対応しなければならない時計の話となる。米国の研究者らが決める、「終末時計」である

 ▼昨年の世界情勢の動きなどを踏まえて、人類滅亡までの時間を「残り90秒」と先ごろ、発表した。核戦争の可能性や気候変動、人工知能(AI)の脅威などが針の進み具合を決める

 ▼時計はあくまでもたとえとはいえ、47年の創設以来、過去最短となった昨年と同じ残り時間のまま。針は戻ってくれなかった。出口の見えないウクライナ情勢やパレスチナ・ガザ地区の現状を思えば針は今もチクタクと前に進んでいるのかもしれない

 ▼「残り90秒」と警告する深刻な時計の針を、世界の指導者にはよくご覧いただきたい。怖い話をすれば、「終末」の後では、どんな言い訳も通用しない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年01月29日  07:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:週のはじめに考える 「おまかせ」が過ぎると

2024-01-29 07:44:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説①】:週のはじめに考える 「おまかせ」が過ぎると

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:週のはじめに考える 「おまかせ」が過ぎると

 正直、「回っていない方」にはあまり明るくないのですが、白木のカウンターでいただくような高級な寿司(すし)店でよく採用されているのが、「おまかせ」という注文の仕方です。注文といっても、おまかせですから、どんな寿司が、どんな順番で出てくるかは寿司職人の胸一つ。旬を考え、ネタを吟味し、客の食べるペースにも気を配って「はい、トロです」などと順次、供してくれる仕組みです。

 こうした「おまかせ」を創始したのは、戦前戦後と東京で活躍した藤本繁蔵という寿司職人だといいます。何年か前のNHKの特集番組で初めて知ったのですが、白木のカウンターの採用も、この人を嚆矢(こうし)とするとか。高級寿司店ばかりを渡り歩いて「天才」の名をほしいままにし、多くの著名人らの舌もとりこにした伝説の職人だったようです。

 ◆「自分で決める」から解放

 その「おまかせ」は寿司を出す順番、いわば構成の妙も含めて職人の力量が問われるわけですが、味覚も食材の知識も覚束(おぼつか)ない者にとっての“利点”は「自分で決める」からの解放かもしれません。「こんなものを頼んだら季節外れだと笑われないか?」などとびくつかずにすみますから、心穏やかに、職人が技を凝らした一貫一貫を味わえるというものです。
 
 寿司だけでなく、和洋中どの料理にもある「コース」も同じ。いちいち何を、どんな順番で注文するか自分で決めなくてよい。それが客をして「コース」を選ばせる理由の一つではないでしょうか。
 
 考えてみると、外食に限らず、私たちは暮らしのいろんな場面で「おまかせ」に浸っています。極端なことを言えば、自動ドアだってそうですが、デジタル時代の当節はなおさら。リポートなどの作成で頼りにする人も増えているらしい生成AI(人工知能)こそ、「おまかせ」の極致でしょう。
 
 もっと身近なところでは、例えば道案内です。特に地理的に詳しくない場所に行く時など、経路の選択は、ほぼ全面的にスマホなどの地図アプリに「おまかせ」という人が今や多数派かと。代表詩の『道程』で<僕の前に道はない>とうたった高村光太郎は、既に目の前の画面にある道を従順に進む<僕>たちを見て、さて、泉下で何を思っているでしょう。

 ◆まれに見る「選挙イヤー」

 道の選択といえば、今年、2024年は、まれに見る「選挙イヤー」です。台湾総統選は今月、既に終わりましたが、2月にインドネシア大統領選、3月にロシア大統領選があり、4月には韓国、4~5月にはインドで総選挙が予定されています。そして11月には米大統領選が。結果いかんでは、動揺が世界中に及ぶでしょう。
 
 そして、わが国でも今年は、衆院の解散・総選挙の可能性が高いとみられています。派閥パーティーの裏金問題で大揺れ、岸田内閣の支持率も急落する中、自民党は9月末で任期満了の総裁選を前倒しし、「党の顔」をすげ替えた上で総選挙に臨むのではないか-といった観測も飛び交っています。
 
 その場合、懸念されることの一つが、低投票率。ただでさえ衆院選は過去4回連続で60%に届かなかったのに、裏金問題などで増大した政治不信がさらに足を引っ張る恐れがあります。でも、国の進む道を左右する大事な選択の機会です。ここは、さすがに「おまかせ」はまずい。寿司でいうなら、自分の胃袋とよくよく相談し、本当に自分が食べたいネタを自分で決めなくてはなりません。
 
 「政治的無関心」とは、日本や世界の命運を誰かに「おまかせ」にすることでしょう。確かに、政治的な出来事をフォローし、考えを深めるのは面倒といえば面倒です。でも、恐れるのは、その面倒を省き「おまかせ」に慣れきってしまううちに、自分で考え、自分で決めるという回路が錆(さ)びついてしまわないか、という点です。

 ◆錆びつく思考回路、記憶

 元日に発生した能登半島地震でもそうでしたが、災害時には携帯電話が使えなくなることが少なくない。しかし、やっと公衆電話をみつけ、いざかけようとしたら、家族や友人の電話番号を覚えていないことにはたと気づく…というのは、いかにも現代人に起こりそうなことでしょう。そう。電話番号の記憶をスマホに「おまかせ」にするうち、私たちの記憶は錆びついてしまうのです。
 
 さて正月も暮れていきますが、年始につきものの「福袋」こそ、「おまかせ」の典型でしたね。中身が分からない点がみそですが、あれは価格より価値の高い商品が入っているのが前提で、だからこその「福」のはず。でも選挙の場合は違います。「おまかせ」の袋から「福」が出てくることはまずないと考えるべきでしょう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年01月28日  07:44:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:寄席演芸の世界で「ヒザ代わり」といえば最後に出演するトリの…

2024-01-29 07:44:40 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【筆洗】:寄席演芸の世界で「ヒザ代わり」といえば最後に出演するトリの…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:寄席演芸の世界で「ヒザ代わり」といえば最後に出演するトリの…

 寄席演芸の世界で「ヒザ代わり」といえば最後に出演するトリの落語家の直前に登場する芸人のこと。この「ヒザ代わり」の役目が難しいそうだ。客を楽しませるのは当然なのだが、あまり受けすぎても、次に出てくるトリの落語家はやりにくい。客席をほどよく温めておく芸がいる

 ▼この人に「ヒザ代わり」を務めてもらいたがった噺家(はなしか)さんは多かろう。紙切り芸の第一人者、林家正楽さんが亡くなった。76歳。亡くなる直前まで寄席に出演していたという。昭和の芸がまた消えた

 ▼芸歴は50年を超える。三味線に合わせ、踊るように体を揺らしながらハサミをふるう姿と見事できあがった藤娘、弁慶、双子のパンダなどを思い出す

 ▼数分の間に一筆で作品を完成させるだけでも苦労なのに客席のリクエストに応じ、作品をこしらえるのは骨だっただろう。前もって何が流行しているか、どんな求めが出そうかを、研究していたそうだ。大谷翔平選手やゼレンスキー大統領も難なく切れた

 ▼ある日の寄席。トリの立川談志さんがやって来ない。40分を紙切りでつないだ。それでも客に文句を言わせない芸の力があった

 ▼お客の注文にはおかしなものもあったらしい。あるときはお客さんがお菓子か何かの袋を差し出したそうだ。「封が開かないからハサミで切ってくれ」。事実ならこれもまた、正楽さんの愛した寄席らしい話である。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年01月28日  07:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2024年01月27日 今日は?】:米ハワイ出身の大関曙が外国人として初めて横綱に

2024-01-29 00:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2024年01月27日 今日は?】:米ハワイ出身の大関曙が外国人として初めて横綱に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2024年01月27日 今日は?】:米ハワイ出身の大関曙が外国人として初めて横綱に

 ◆1月27日=今日はどんな日

  求婚の日

 ◆出来事

  ▼戊辰戦争で、鳥羽・伏見の戦いが勃発(1868)▼ソ連軍がドイツ軍を撤退させ、約900日間に及んだレニングラード包囲戦が終結(1944)▼米ハワイ出身の大関曙が外国人として初めて横綱に(1993)

九重親方(第58代横綱・千代の富士=左)の指導で雲竜型の土俵入りの練習をする横綱曙(1993年1月27日撮影)九重親方(第58代横綱・千代の富士=左)の指導で雲竜型の土俵入りの練習をする横綱曙(1993年1月27日撮影)

 ◆誕生日

  ▼小山明子(35年=女優)▼清水ミチコ(60年=タレント)▼雨宮処凜(75年=作家)▼雛形あきこ(78年=女優)▼井本貴史(78年=ライセンス)▼森山愛子(85年=歌手)▼中村有沙(93年=女優)▼上白石萌音(98年=女優)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2024年01月27日  00:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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