【政界地獄耳・01.11】:ロシアと「朝鮮半島大事変」
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・01.11】:ロシアと「朝鮮半島大事変」
★7日、外相・上川陽子はウクライナを訪問しゼレンスキー大統領と会談した。2月に日本で開かれる日ウクライナ経済復興推進会議のすり合わせだが、ついでかのように「対無人航空機検知システム」などの供与のために、約53億円を北大西洋条約機構(NATO)信託基金に拠出することも発表された。このウクライナへの前のめりがロシアと北朝鮮を強く結びつけている。9日、ロシア大統領府のペスコフ報道官は会見で、ロシアがウクライナ攻撃に北朝鮮製ミサイルを使ったという4日米国の発表に関連する質問を今までは「根拠がない」と否定してきたが、今回はすべて「論評しない」とした。
★昨年12月13日の韓国紙・中央日報には、同9日のウクライナ軍事メディアのディフェンスエクスプレスを引用する形で、「北朝鮮から供給された砲弾の品質にさまざまな問題が生じ、ロシア軍の内部で不満が出ている」と報じている。呼応するように1月9日、日、米、英、欧州連合(EU)、オーストラリア、ドイツ、カナダなど約50カ国・地域の外相らが北朝鮮がロシアに弾道ミサイルを供与したとして「可能な限り強い言葉で非難する」との声明を出した。
★この声明の背景には10日の北朝鮮・朝鮮中央通信が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の発言として「韓国を『われわれの主敵』と断じ、『朝鮮半島で圧倒的な力による大事変を一方的に決定することはしないが、戦争を避ける考えもまた全くない』」「大韓民国(韓国)が我が国家を相手に武力の使用を企てようとしたり、我々の主権と安全を脅かそうとしたりするなら、ためらいなく手中のあらゆる手段と力を総動員して大韓民国を完全に焦土化する」と発言したことに関連する。一連の韓国に向けての軍事演習もその一環で、声明を出した国々はロシアからの大規模な武器供与が北朝鮮を活気づけたとみているはずだ。朝鮮半島の波が高まってきた。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年01月11日 08:06:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。