【自民党】:4億円超を訂正の安倍派、派閥の記者会見・詳細説明なし…議員秘書「みそぎ済んだことにならない」
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党】:4億円超を訂正の安倍派、派閥の記者会見・詳細説明なし…議員秘書「みそぎ済んだことにならない」
巨額の政治資金パーティー収入を裏金化していたとされる自民党安倍派が31日、疑惑発覚から約2か月たって政治資金収支報告書を訂正した。収支に記載されていなかった議員側へのキックバック(還流)分などを新たに派閥からの寄付として計上。寄付先には90人以上の議員側が列挙された。だが訂正にあたって派閥としての記者会見はなく、不記載が続いた経緯など核心は不明なままだ。
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◆追記90団体以上
この日、同派が総務省に届け出た訂正は収支報告書の保存年限にあたる2020~22年の3年分のみ。収入はパーティー券販売のノルマ超過分にあたる計4億3588万円、支出は議員側への還流額に相当する計4億2742万円がそれぞれ上積みされた。
今回の訂正で支出先に追記された政治団体は90以上。同派幹部では、萩生田光一・前党政調会長の団体が1952万円、高木毅・前党国会対策委員長、松野博一・前官房長官がいずれも865万円の寄付を受け取ったことになった。
一方で、これまでの記者会見では萩生田氏は18~22年に計2728万円、高木氏、松野氏も同じ5年間でそれぞれ計1019万円、計1051万円の不記載があったと説明。派閥の訂正はそれを下回る金額にとどまっている。
関係者によると、同派は幹部を含めた各議員側に対し、過去5年分の不記載額や、還流資金が帰属する政治団体などを調査していたという。だが訂正に合わせて31日に出された同派のコメントでは、「過去5年の寄付支出の追加分は95団体で総額6億7654万円」と概要を示すのみで、個別の議員名や還流額、18、19年分の詳細な金額などは明かさなかった。
この日は幹部の会見なども行われず、還流の開始時期や目的、派閥と議員側双方で不記載とした経緯などは不明のままだ。同派所属の議員秘書は「訂正と派閥の解散だけでみそぎが済んだことにはならない」と批判した。
◆議員訂正も使途不明
訂正に至る過程では混乱もあった。安倍派は当初、政治資金規正法違反事件で東京地検特捜部が一連の刑事処分を出す前に訂正する方針だった。ただ、各議員側に対する調査の過程で、複数議員側から「使わずに保管していたので返す」などと異論が噴出。派閥と議員で足並みがそろわないまま、訂正は26日の国会召集後までずれこんだ。
今後は、議員らが自身の政治団体の収支報告書を訂正し、派閥からの還流分を寄付収入に計上する動きが本格化するとみられる。
これまでに池田佳隆被告(政治資金規正法違反で起訴)を含めた複数議員の政治団体で、還流分を翌年への繰越金に加える収支報告書の訂正が確認された。一方、ほとんどの議員側は支出額を修正しておらず、「裏金」の具体的な使途内容は明らかにされていない。
危機管理に詳しい国広正弁護士は「安倍派は派閥としての説明責任を果たしていない。客観的な第三者委員会の調査で事実認定や原因究明を進め、それに伴う責任の所在を明確にしなければ、再発防止策は検討できない」と指摘している。
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元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【政局・裏金疑惑・自民党・巨額の政治資金パーティー収入を裏金化していたとされる自民党安倍派】 2024年02月01日 07:40:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。