路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【選挙】:前橋市長選で見た相手候補への“中傷合戦” 政策本位の論戦を

2024-02-05 09:15:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【選挙】:前橋市長選で見た相手候補への“中傷合戦” 政策本位の論戦を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【選挙】:前橋市長選で見た相手候補への“中傷合戦” 政策本位の論戦を

 任期満了に伴う前橋市長選は4日、投開票され、「市政刷新」を掲げた無所属新人の元県議、小川晶氏(41)が、無所属現職で3期目の山本龍氏(64)=自民、公明推薦=を破り、初当選を果たした。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で岸田政権への批判も影響した。北関東の県庁所在地では初の女性市長。県内の女性首長は1986年の旧水上町(現みなかみ町)、2014年の安中市、23年の榛東村に続き4人目で、同村の南千晴村長が当選した当時の42歳を更新し、歴代最年少。

              ◇

 県都の人口減少は深刻だが、少子化、経済対策などで双方の公約は似通い、正面から論戦が展開されることはなかった。それなのに、激しい選挙戦を反映し、取材中に相手候補への中傷に近い批判合戦に遭遇する場面があり、その度に内心、「現代日本の県庁所在地の選挙としては昭和すぎないか」とため息をついた。「新しい政治」を掲げて初当選した小川氏にはこの際、政治のあり方を本気で変えてほしい。

 山本陣営幹部は集会で小川氏の子育て支援策に対し、「子どもを産んだことがない人が子育て、子育てと言うが、本当に分かっているのか」と批判した。当然ながら、重要なのは市長自身の経験でなく、政策の中身だ。

 共産党が候補者擁立を断念し、小川氏を支援したことにも山本陣営の批判が集中した。「共産に借りができる」「前橋に共産系市長が誕生してしまう」。小川氏を支援する保守層へのけん制とみられるが、小川氏は過去の県議選で立憲民主、国民民主両党から支援を受けた中道路線で、「共産系」は不正確だ。

 一方の小川氏の陣営でも、確認しようのないうわさ話で山本氏を批判したことがあった。中傷合戦の効果は限定的で、むしろ政治に嫌気がさす有権者の方が少なくないだろう。中傷からは脱却し、政策本位の選挙戦を根付かせるのが急務だ。【田所柳子】

 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 政治 【選挙・群馬県前橋市長選】  2024年02月05日  09:15:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・12.31】:岸田首相「1・4年頭会見」で何を語る 後手後手が定番の中自民党&政治改革に踏み込むか

2024-02-05 07:45:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【中山知子の取材備忘録・12.31】:岸田首相「1・4年頭会見」で何を語る 後手後手が定番の中自民党&政治改革に踏み込むか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・12.31】:岸田首相「1・4年頭会見」で何を語る 後手後手が定番の中自民党&政治改革に踏み込むか 

 今日で2023年が終わる。今年の永田街は年末まで自民党の派閥、特に安倍派をめぐる「政治とカネ」の問題で大揺れとなった。これまでに、多額のキックバックを受けた疑惑が出ている安倍派の大野泰正参院議員、池田佳隆衆院議員の事務所など関係先が東京地検特捜部の強制捜査を受け、安倍派の塩谷立座長や有力幹部グループ「5人組」といった幹部への任意の事情聴取が行われたことも明らかになっている。

衆院本会議で答弁する岸田文雄首相(2023年11月20日撮影)
衆院本会議で答弁する岸田文雄首相(2023年11月20日撮影)

 30数年前に政財界を揺るがせたリクルート事件に匹敵する問題といわれる中で、岸田文雄首相の対応の「鈍さ」を指摘する声は与野党から出ている。首相は、政治改革に向けた新組織を、自民党に年明けに設置する方針を示しているが、立憲民主党の泉健太代表は「あまりに責任感がなさすぎる。今でもできることがある」と批判。身内の自民党の石破茂元幹事長も安倍派への強制捜査が行われた19日、政治改革を協議する新たな党組織の立ち上げ方針を「少なくとも年内には示さないと」と訴えていたが、首相は仕事納めの28日に「いずれにせよ、強い危機感を持って政治の信頼回復に努めなければ」と述べただけで、具体的な説明はなかった。

 「後手後手」の対応がもはや定番となっている岸田首相らしい対応ではあるが、自民党内では「すぐに方針を示せるほど簡単な話ではない」(関係者)と理解を示す声もある。ただ重要な局面での説明の仕方や打ち出し方がうまくない首相のいつもの姿が、年末まで現れてしまう形になった。

 そこで今、注目されているのが1月4日の首相の年頭記者会見だ。首相は例年、4日に伊勢神宮を参拝して現地で年頭会見に臨む。その場で、何を語るのか。「政治とカネ」について何らかの方針を示せるかが大きな関心を集めている。

 昨年の年頭会見。岸田首相は今年の干支(えと)「癸(みずのと)卯(う)」について「去年までのさまざまなことに区切りがつき、次の繁栄や成長につながっていくという意味があると言います。私は、本年を昨年のさまざまな出来事に思いをはせながらも、新たな挑戦をする1年にしたい」と述べ、挑戦することの1つに「異次元の少子化対策」を挙げ、大きな決意をにじませた。

 ただ「異次元」というワードにばかり注目が集まり批判も出たため、その後は封印。通常国会冒頭の施政方針演説では「従来とは次元の異なる」と変わり「目玉」の表現が事実上撤回される事態となった。決意の先走りだったかどうかは分からないが、6月に方針がとりまとめられた後も、首相の大きな「実績」となった感じはあまりなく、与党内でも「異次元は看板倒れだった」と指摘する声を聞いた。

 昨年の同じ日には、東京都の小池百合子知事が仕事始めのあいさつで、少子化対策として0~18歳の子どもがいる都内の子育て家庭に1人当たり月額約5000円の給付を、所得制限なしで検討していることをサプライズで表明。その後「018サポート」として、申請の受け付けもすでに始まった。手続き方法などをめぐり混乱や批判も指摘されているが、小池氏はその後も「国に先行する」として高校授業料無償化などの子育て支援策を相次ぎ表明。国の少子化政策と対照的な流れを意識したような流れとなった。

 今年も1月4日に首相は伊勢神宮を訪れた後、年頭の会見を行う予定。岸田首相にとっては、与野党から声が出ている党改革や政治改革についてどこまで踏み込むのかが大きな焦点となっている。ちなみに、小池氏も仕事始めに合わせて職員にあいさつを行う予定。2024年は都知事選の年でもありどんな発言をするのか関心が注がれている。

 年末年始はすぐに終わり、すぐに「実戦」の時がやってくる。2024年、岸田首相はどんなスタートをするのだろうか。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」) 

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2023年12月31日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・12.24】:身内の不祥事で始まり身内の不祥事で暮れる…岸田首相の今年1年「信頼と共感の政治」には遠く

2024-02-05 07:45:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【中山知子の取材備忘録・12.24】:身内の不祥事で始まり身内の不祥事で暮れる…岸田首相の今年1年「信頼と共感の政治」には遠く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・12.24】:身内の不祥事で始まり身内の不祥事で暮れる…岸田首相の今年1年「信頼と共感の政治」には遠く 

 身内の不祥事で幕を開け、身内のさらにヤバい不祥事で暮れようとしている…。残すところあと1週間となった今年の日本政治を振り返ると、岸田文雄首相にとっては、冒頭のフレーズの様な進み方をした1年ではなかったかと感じる。

岸田文雄首相(2023年8月2日撮影)
岸田文雄首相(2023年8月2日撮影)

 現段階で「今年の日本の政治を振り返る」師走感の空気は、永田町にはあまりない。自民党派閥パーティーの政治資金事件が現在進行形で動き、安倍派幹部らの東京地検特捜部による任意の事情聴取もささやかれ、動き次第では岸田政権の今後にも大きく関わる問題だからだ。そんな中ではあるが、岸田政権で起きた主な印象深い出来事を少し思い返してみたい。

 1月に発覚したのが、長男で秘書官を務めた翔太郎氏による「外遊中観光&おみやげ購入疑惑」だった。世襲の首相の、さらなる世襲後継者と目され、政務秘書官という重要ポストに就いて「身びいき」批判もあった長男が、外遊先で現地大使館の公用車を使って観光やみやげ物購入に回っていたと「週刊新潮」が報道。首相はしばらく国会でこの問題を追及された。かばう思いもあったのか、おみやげ購入は首相秘書官の「公務」と明言した答弁には、やはり首をひねった。

結局、長男はその後、首相公邸での親族忘年会写真の流出で、秘書官を辞することになったが、「首相の精神安定剤」(自民党関係者)といわれた長男は、こうした報道がなければ「首相は辞めさせなかった」(同)。実際、おみやげ問題の後に職を退くまでに時間がかかった。ご子息は表舞台からは去ったが、世襲批判を受けても「首相が後継を断念することはない」(政界関係者)ようだ。

 長男の問題のすぐ後、2月には当時の首相秘書官が性的少数者(LGBT)に対する差別発言をオフレコでしたことが表面化。こちらはあっさり更迭された。首相は通常国会の冒頭から、身内の問題で尻ぬぐいに追われるはめになった。

 ただ、この後、首相の運は明らかに上昇カーブを描いた。「外交の岸田」を自任する首相らしく、12年ぶりに来日した韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との「オムライス外交」や、G7首脳でしんがりだったとはいえ、外遊先から番記者もまいて内密に敢行したウクライナへの電撃訪問。ゼレンスキー大統領に持参した広島のお土産品「必勝しゃもじ」の是非に賛否両論は出たが、政権への評価は内閣支持率に反映され、「早期の衆院解散」が現実味を帯びて語られたのもこのころだった。

 4月の5つの衆参補選も負けたのは1つだけ。5月の広島サミットではゼレンスキー氏の電撃来日もあった。「今思えば、あのころが岸田政権のピークになるだろう」。最近、こうした声をよく永田町で聞いた。 

 6月の通常国会閉会直前の「解散におわせ」で、永田町には「解散突風」が吹いたが、複数の関係者は「首相は解散するつもりはなかったはず」と声をそろえた。10月の臨時国会に向けても、首相が衆院解散に踏み切るとの予測があったが結局、尻すぼみに。首相はこのころから、「先送りできない課題1つ1つに一意専心取り組む。それ以外のことは考えていない」と繰り返すようになる、すでに内閣支持率は下降気味。政局が起きそうな空気はあまり感じられなかった。

 9月に行った内閣改造は、「辞任ドミノ」が起きた昨年に続き、再び鬼門に。政務三役がそれぞれの担当分野に関する問題で辞任に追い込まれ、特に過去の税金滞納を認めて退いた神田憲次・前財務副大臣の問題には大きな批判が起きた。 「政治とカネ」の問題に、国民は敏感だ。物価高に国民が直面する中でこうした問題が起き、その後「裏金疑惑」も含めた自民党派閥の政治資金問題が、特捜部による強制捜査という異例の展開をたどった。内閣支持率は「危険水域」の2割も切り、過去には退陣に追い込まれた政権もある10%台まで落ち込んでいるのが現状だ。

 首相は先日、岸田派の会長を退任する考えを示したが、今年はじめに菅義偉前首相から、首相在任中も派閥会長にとどまることの疑問を呈されても退かなかった。「後手後手」が多かった今年の「岸田政治」を象徴していたように感じる。

 今年1月の通常国会開幕時の施政方針演説。岸田首相は「政治とは、慎重な議論と検討を積み重ね、その上に決断し、その決断について国民の代表が議論し、最終的に実行に移す、そうした営み」とした上で「さまざまな議論を通じ、慎重の上にも慎重を期して検討し、それに基づいて決断した政府の方針や、決断を形にした予算案・法律案について、国民の前で正々堂々議論し、実行に移してまいります」と訴えた。「検討」「決断」「議論」の積み重ねにより「信頼と共感の政治を、本年も進めていきます」とも訴えた。

 ただ「検討」は乱発したが、「決断」も「議論」もあまり見えなかった。しかも、始まりも終わりも、広い意味での「身内」の不祥事に直面した。首相が訴えた「信頼と共感の政治」がますます後退していると感じる年の瀬だ。【中山知子】

 

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2023年12月24日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・01.30】:潜伏50年…闘争は勝利したのか

2024-02-05 07:40:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政界地獄耳・01.30】:潜伏50年…闘争は勝利したのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・01.30】:潜伏50年…闘争は勝利したのか 

 ★「ウチダ・ヒロシ」の名前で神奈川県鎌倉市の病院に末期がんで入院していた男が、連続企業爆破事件で重要指名手配されている「東アジア反日武装戦線」のメンバー桐島聡を名乗り、警視庁公安部が本人確認を進めていたが29日朝に死亡した。同県藤沢市内の工務店に長年勤め、給料は現金で受け取っていたという。多くの人が交番や駅の掲示板などで桐島の指名手配写真を目にしたことだろうが、50年前の事件で写真はその前のものとすれば、面影があるとは思えない。保険証や免許証など身分を示すものがないことから、長い潜伏期間も注意深く社会に溶け込んでいたのだろう。

「実名を語りたい」桐島聡容疑者名乗る男を確保 連続企業爆破事件で指名手配 逮捕・勾留に耐えるのは厳しい状態か

 

「実名を語りたい」桐島聡容疑者名乗る男を確保 連続企業爆破事件で指名手配 逮捕・勾留に耐えるのは厳しい状態か© FNNプライムオンライン

 ★若い人にはピンとこないだろうが、東アジア反日武装戦線のグループ「狼」「大地の牙」「さそり」、爆弾製造法やゲリラ戦の教本として地下出版された「腹腹時計」など、懐かしい言葉がメディアに躍った。腹腹時計には面白い記述がある。左翼的ないきがりを一切捨てる。家族との関係をことさら断つ必要はない。「合法的左翼」は口も尻も軽いので信用できないから関係をもつな。こうして一般社会にまぎれたのだろうが、1974年8月から75年5月にかけ三井物産や帝人、大成建設、鹿島建設(現鹿島)、間組(現ハザマ)などアジア進出企業を標的にし、三菱重工爆破事件など12件もの連続企業爆破事件を起こしたこととどう結びつくのかが理解しがたい。

 ★都市の雑踏にまぎれて捲土(けんど)重来を誓っていたのか。当時はパソコンもなく、腹腹時計は和文タイプで作られた。今は至る所にある監視カメラやNシステム、基礎情報がある人物の追跡は可能だが、50年の潜伏は単独だったのか、組織的支援があったのか。公安部の担当者たちは捜査官人生の多くを桐島追跡に割いてきたことだろう。だが一番変わったのは、アジア諸国は大きく飛躍し、わが国は停滞から衰退へ弧を描いたことだ。それで思いは成就したのだろうか。(K)※敬称略

政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年01月30日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【自民党】:安倍派の全国会議員に「政治改革」アンケートをしてみたら…

2024-02-05 07:15:30 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【自民党】:安倍派の全国会議員に「政治改革」アンケートをしてみたら…「約1割」の回答に見えた信頼回復への本気度

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党】:安倍派の全国会議員に「政治改革」アンケートをしてみたら安倍派の全国会議員に「政治改革」アンケートをしてみたら…「約1割」の回答に見えた信頼回復への本気度

 自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件で、所属議員の大半が還流を受けていた安倍派(清和政策研究会)。派閥の解散は決まったが、実態解明や再発防止という課題は残ったままだ。

 事件の渦中にあった所属議員らは、政治改革の在り方についてどう考えているのか。東京新聞は、安倍派所属の99議員(1月1日現在)にアンケートを行った。
ただし、回答があったのは、所属議員99人のうち1割(12人)だけ。どこまで本気で国民の信頼回復を目指そうとしているのだろうか。(三輪喜人、福岡範行、小寺香菜子、中根政人)

 ■アンケートの実施方法 1月23日に各議員事務所に手渡しやメール、郵送、ファクスで配布した。池田佳隆衆院議員(政治資金規正法違反の罪で逮捕、起訴)は地元事務所に問い合わせても連絡が取れず、過去にやり取りのあった自宅とされる宛先に郵送したが、受取人が居住していないとして返送されてきた。


自民党安倍派の議員総会であいさつする塩谷立座長(奥中央)。奥右から西村康稔前経産相、松野博一前官房長官、萩生田光一前政調会長、高木毅前国対委員長、1人おいて世耕弘成前参院幹事長=2月1日、東京・永田町の自民党本部で

自民党安倍派の議員総会であいさつする塩谷立座長(奥中央)。奥右から西村康稔前経産相、松野博一前官房長官、萩生田光一前政調会長、高木毅前国対委員長、1人おいて世耕弘成前参院幹事長=2月1日、東京・永田町の自民党本部で

 ◆9割が無回答

 アンケートでは、今国会で焦点となっている連座制導入や政策活動費・調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開、企業・団体献金の禁止の是非などについて見解を求めた。
 
 2018~22年の5年間で、派閥からパーティー収入の還流を受けた額や使い道も尋ねた。
 
 所属議員99人のうち、回答のあった議員の中には、岸田文雄首相が言及を避けている連座制の導入や政策活動費の公開に賛同する意見もあった。

 ◆問題発覚後に更迭された2大臣は回答

 回答議員の中には、裏金事件発覚後の昨年12月に事実上、更迭された宮下一郎前農相と鈴木淳司前総務相もいた。
 
 宮下氏は連座制導入や、政策活動費や旧文通費の公開について、いずれも賛成と答えていた。
 
 連座制は、政治資金規正法違反があった場合、会計責任者だけでなく議員も処罰できるとするもので公明党や野党各党が法改正を求めている。受け取った議員に収支報告書への記載義務がない政策活動費についても、野党が廃止や禁止を訴えている。

 ■政策活動費 政党から政治家個人に支払われる政治資金。政治資金規正法では、政治家個人への寄付は原則禁止となっているが、政党から政治家個人への寄付は例外的に認められている。受け取った議員は政治資金収支報告書へ記載する必要がないため、多額の政治資金の使途が不明なことが問題視されている。

 鈴木氏は還流額が60万円だったとし、「事務所内に全額を保管。一切手をつけていません」と回答。政治改革や派閥に関する質問には答えなかった。
 
 ほかに回答したのは、衆院議員では衛藤征士郎氏、大西英男氏、小森卓郎氏、塩崎彰久氏、柴山昌彦氏、松島みどり氏、宮沢博行氏、参院議員では白坂亜紀氏、衛藤晟一氏、石井正弘氏だった。
 
 企業・団体献金の全面禁止については、どの議員も「反対」と答えた。

 ◆還流分「人件費」「懇談の費用に」

 派閥からパーティー券販売のノルマ超過分について還流などを受けていたと認めたのは、12人のうち5人いた。
 
 衛藤晟一氏は不記載があったと答えたが、「誤記載だった」としている。柴山氏は「派閥側と協議中」という。
 
 還流額が最も多かったのは、衛藤征士郎氏の1070万円だった。
 
 不記載分の収入の使い道について、衛藤征士郎氏は「事務所経費、人件費等」と回答。宮沢氏は「他団体の会費や、懇談・会合の費用」としている。小森氏は「使用しないまま事務所で保管」、石井氏も「別口座を開設して、東京事務所において分離して保管し、現在まで一切費消していない」としている。

 ◆「5人衆」も、刷新本部役員も、高額議員も

 今回のアンケートでは、自民党安倍派の幹部で立件されなかった松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長、西村康稔前経済産業相、世耕弘成前参院幹事長、萩生田光一前政調会長の「5人組」や塩谷立元文部科学相、下村博文元政調会長からの回答はなかった。
 
 7人はそれぞれ、会見の場で反省の言葉は口にしていたが、再発防止に向けた法改正の具体策についてはほとんど聞こえてこない。今回のアンケートでも態度を明らかにすることはなかった。
 
 再発防止のため、党が設置した「政治刷新本部」で、安倍派から役員に選ばれた岡田直樹・前地方創生担当相や松川るい氏ら10人からも回答はなかった。
 
 安倍派が訂正した政治資金収支報告書によると、2020~22年の3年間で派閥からの還流額が多かった上位10人のうち、回答があったのは衛藤征士郎氏のみだった。

 ◆「改革へのエネルギー、感じない」

 1月26日に自民党が決定した政治改革に関する中間取りまとめでは、政治資金規正法改正などの制度改革については「必要な法整備を速やかに行う」として、具体案は示されなかった。岸田文雄首相は国会答弁で「各党と真摯(しんし)に協議する」との言葉を繰り返すばかりだ。
 
 麗沢大の川上和久教授(政治心理学)は、首相や安倍派議員を含む自民党全体の姿勢について「まず国民に説明することが政治改革のスタート地点だ。事件を教訓に、改革に乗り出そうというエネルギーが感じられない」と批判する。

 ■裏金事件を巡る安倍派の状況 事件では、派閥の会計責任者のほか、還流を受けた所属議員3人や、その秘書が政治資金規正法違反の罪で立件された。1月31日に訂正した安倍派の政治資金収支報告書によると、2020~22年の3年間で、所属議員99人のうち77人の政治団体への支出が不記載だった。事件を受け、派閥は解散を決めた。立件を免れた派閥幹部に関しては、政治責任を問う声が党内で高まっている。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件】  2024年02月05日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍派アンケート詳報】:企業献金の廃止には「反対」 議員にも制裁及ぶ「連座制」に賛成の声も

2024-02-05 07:15:20 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【安倍派アンケート詳報】:企業献金の廃止には「反対」 議員にも制裁及ぶ「連座制」に賛成の声も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍派アンケート詳報】:企業献金の廃止には「反対」 議員にも制裁及ぶ「連座制」に賛成の声も

 自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件で、所属議員の大半が還流を受けていた安倍派。派閥の解散は決まったが、実態解明や再発防止という課題は残ったままだ。

 事件の渦中にあった所属議員らは、政治改革の在り方についてどう考えているのか。東京新聞が実施したアンケートへの回答を紹介する。(中根政人)
 「慣行の中で順法精神が欠如していた」「派閥によるミスリーディング」―。回答議員からは、裏金事件の原因について、こうした総括のコメントが寄せられた。
では、いかに国民からの信頼を回復するのか。
 
 「課題を徹底的に洗い出し、外部監査をさらに強化した上で意識向上を図りたい」(柴山昌彦氏)、「政治資金の透明性の徹底や党のガバナンス強化をはじめ、前例のない大胆な政治改革を行うべきだ」(石井正弘氏)といった意見がつづられていた。
 
自民党本部で開かれた安倍派の議員総会(1日撮影)

自民党本部で開かれた安倍派の議員総会(1日撮影)

 ◆連座制を導入すべきか?

 政治家の厳罰化のための「連座制」導入に賛成と答えたのは、宮下一郎前農相のほか、裏金について派閥からの指示を暴露した宮沢博行氏や衛藤征士郎氏、大西英男氏の4人。
 
 「一定の条件下で政治家も責任を取るべきだ」(宮沢氏)、「議員と会計責任者は連帯責任を負うべきだ」(衛藤氏)との意見があった。

◆政策活動費、旧文通費は公開すべきか?

 政党が議員個人に支出した後の使い道の公開義務がない「政策活動費」の公開に賛成と答えたのは、宮下氏と宮沢氏。宮下氏は「政治活動の自由を踏まえつつ、政治資金の透明性確保に向けた制度検討が必要」、宮沢氏は「政治団体間の寄付・交付金に変えてほしい」とした。
 
 公開に反対だったのは、白坂亜紀氏と衛藤征士郎氏。衛藤氏は「全て政策活動に充当している」とする。
 
 大西氏は賛否に答えず、「政策活動費なるものの詳細を存じ上げないので回答しようがない」とした。
 
 議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)」の使途公開に賛成だったのは、大西氏と宮下氏と宮沢氏。宮下氏は「各党で議論を行っていく必要」を指摘。宮沢氏は「使途拡大を検討してほしい」とした。

 ■政策活動費 政党から政治家個人に支払われる政治資金。政治資金規正法では、政治家個人への寄付は原則禁止となっているが、政党から政治家個人への寄付は例外的に認められている。受け取った議員は政治資金収支報告書へ記載する必要がないため、多額の政治資金の使途が不明なことが問題視されている。

 ◆パーティー券収入、公開基準下げた方がいい?

 現行で「20万円超」となっているパーティー券購入者の氏名などの公表基準について、宮下氏は、透明性や公開性の向上のため、各党との議論を踏まえた引き下げが必要と回答した。
 
 衛藤晟一氏と衛藤征士郎氏は「5万円超」への引き下げを求めた。
 
 白坂氏と宮沢氏は「現行のまま」とした。

 ◆企業献金禁止には全員「反対」

 立憲民主党や共産党などが掲げる企業・団体献金の全面禁止に賛成した議員はいなかった。
 
 反対理由としては「政治活動には、人件費も含めお金がかかる」(衛藤晟一氏)、「献金によって政治がゆがめられるとの懸念を持たれないために、透明性が担保される仕組みを構築すべきだ」(宮下氏)「事務所運営には、人件費はじめお金がかかるため」(宮沢氏)との声があった。
 

 ■アンケートの実施方法 1月23日に各議員事務所に手渡しやメール、郵送、ファクスで配布した。池田佳隆衆院議員(政治資金規正法違反の罪で逮捕、起訴)は地元事務所に問い合わせても連絡が取れず、過去にやり取りのあった自宅とされる宛先に郵送したが、受取人が居住していないとして返送されてきた。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件で、所属議員の大半が還流を受けていた安倍派】  2024年02月05日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【それでもバカとは戦え・02.02】:自民派閥の裏金追及を機に「野党もダメ」という思考停止から卒業する時期だ

2024-02-05 07:05:50 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【それでもバカとは戦え・02.02】:自民派閥の裏金追及を機に「野党もダメ」という思考停止から卒業する時期だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【それでもバカとは戦え・02.02】:自民派閥の裏金追及を機に「野党もダメ」という思考停止から卒業する時期だ

 毎日新聞の全国世論調査(1月27、28日実施)によると、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、疑いを持たれている派閥幹部が説明責任を果たしていると思うか尋ねたところ、「果たしているとは思わない」が91%、「果たしていると思う」は、わずか4%だった。それはそうだろう。普通に考えれば理解しようがない。


鋭い追及を展開(立憲民主の小西洋之議員)/(C)日刊ゲンダイ

 SNSには日本の将来について諦めムードが漂う投稿が多かった。「こんな大変な状況なのに野党がだらしなさすぎる」という趣旨の投稿もいくつかあった。私もそう思っていたが、立憲民主党、共産党が目が覚めるような追及をはじめた。

 特に1月29日の小西洋之参議院議員の質疑は素晴らしかった。

 小西は「繰り返されたトカゲのしっぽ切りで、長年、忠節をもって働いてこられた方(秘書や派閥の会計責任者)だけが起訴され、政治家は起訴されない目を覆うような事態だ」「なぜそうなったのか。検察が権力に屈してしまったんだと思うが、まだ事態は動いている。岸田総理の手で事件の深層を葬り、受けるべき犯罪の処罰を受けず、納税の義務を回避し、脱税にお墨付きを与えようとしている」と指摘。

 その通りとしか言いようがない。要するに、“話をごまかすのはいい加減にしろ、おまえらは犯罪者ではないか”ということだ。政治資金規正法の改正、派閥の解消、連座制の導入など、それはそれでやればいいが、現行法を普通に適用すればいいだけの話。そういう国を法治国家と呼ぶ。

 さらに小西は政治資金収支報告書の訂正内容への外部監査が必要だと主張。岸田は「検察は捜査を行い、法と証拠に基づいて処理すべきものは厳正に処理したと認識している。この判断は重い。それに基づいて報告書の修正が問われているものと承知している」と外部監査には触れなかった。

 今回、小西は派閥が議員にキックバックすることも議員がそれを受け取ることも犯罪であるのにそれを検察が捜査していない(と思われる)こと、議員個人の資金であれば納税の義務があるが、収支報告書の訂正により「政治団体の資金」としてマネーロンダリングがなされようとしていることを具体的に指摘。「自民党もダメだが野党もダメ」という思考停止からわれわれも卒業する時期にきている。

 

◆本コラム待望の書籍化!重版決定!kindle版も発売中です。

それでもバカとは戦え」(日刊現代・講談社 1430円)

 適菜収

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 ■適菜収 作家

 近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載「それでもバカとは戦え」】  2024年02月02日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【それでもバカとは戦え・01.26】:裏金問題で安倍晋三に責任を押しつけた連中が今度は「おわび」…祟りでも恐れたのか?

2024-02-05 07:05:40 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【それでもバカとは戦え・01.26】:裏金問題で安倍晋三に責任を押しつけた連中が今度は「おわび」…祟りでも恐れたのか?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【それでもバカとは戦え・01.26】:裏金問題で安倍晋三に責任を押しつけた連中が今度は「おわび」…祟りでも恐れたのか?

 今回の自民党の裏金問題。東京地検特捜部は立証困難としていきなり捜査を打ち切ったが、疑わしい連中は少しはしおらしくなるどころか、全力で国民をおちょくり始めた。

 萩生田光一は国会内で記者会見し、安倍派の政治資金パーティーを巡り、2018~22年の5年間で、パーティー券販売のノルマ超過分として派閥からキックバック(還流)を受けた計2728万円を政治資金収支報告書に記載していなかったと明らかにした。


「連れていかれることはございません」と思わず発言(八王子市長選応援演説での萩生田光一前政調会長)/(写真)横田一

「この間、捜査当局に協力をする過程で、メドがつくまで詳細な説明は控えてほしいとの要請があったことや、昨日まで地元で首長選挙があった関係で説明が遅くなったことを重ねておわびを申し上げたい」などとも言っていたが、萩生田が推した候補を当選させるために、選挙の際の「判断材料」を隠しただけだろう。

 萩生田は逃げ切ることができたとでも思ったのか、候補者陣営が開いた個人演説会で「東京地検に連れていかれることはございません」と裏金問題をネタにしていたという。

 また、「『大丈夫か』と街の中でみんなが話していたのだろうと思いますが、そういう問題ではなくて『修正をきちんとする』ということになっております」と検察との「手打ち」までにおわせたとのこと(「日刊ゲンダイ」1月20日付)。

 連中がやり始めたのは、責任逃れ、論点のすり替え、事件を政争に利用することだけ。

「死人に口なし」とばかりに責任を押し付けた安倍晋三に対しては、今度は「おわび」を始めた。支離滅裂。祟りでも恐れたのか?

 高木毅は「安倍さんにこうした事態になったこと、大変申し訳ないと思っています」、西村康稔は「いずれにせよ、このような結果になってしまったことについて、安倍総理に対し、大変申し訳なく思っております」、西田昌司は「安倍さんの名前を汚しているわけで、非常に情けないし、申し訳ない」。

「安倍の名前」など最初から汚れているし、そもそも安倍による権力の私物化が、このような事態を招いたのである。

 再発防止のためには、政治資金規正法の改正や派閥の解消が必要などと世論を誘導する連中も現れたが、最大の防止策は、逮捕、立件に決まっているだろう。

 

 

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 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載「それでもバカとは戦え」】  2024年01月26日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【東京国立博物館 平成館】:国宝もかわいく 「本阿弥光悦」展グッズが好評

2024-02-05 06:56:30 | 【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・暮らしに根差した民芸】

【東京国立博物館 平成館】:国宝もかわいく 「本阿弥光悦」展グッズが好評

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東京国立博物館 平成館】:国宝もかわいく 「本阿弥光悦」展グッズが好評

 江戸時代初期に書や漆芸、陶芸などさまざまな芸術分野で活躍した本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)(1558~1637年)の全容を紹介する特別展「本阿弥光悦の大宇宙」が、東京・上野公園の東京国立博物館 平成館で開催されている。出品作品をイメージした本展オリジナルグッズが好評だ。

《舟橋蒔絵硯箱》をモチーフにしたマスコット・キーホルダー(左上)や「おしゅしだよ」コラボグッズ

《舟橋蒔絵硯箱》をモチーフにしたマスコット・キーホルダー(左上)や「おしゅしだよ」コラボグッズ

 国宝《舟橋蒔絵硯箱(ふなばしまきえすずりばこ)》をモチーフにしたマスコット・キーホルダーや、人気キャラクター「おしゅしだよ」とのコラボグッズなどユニークなラインアップを展開。ほかにも本展限定の商品を多数販売している(数量限定。品切れの可能性あり)。
 
 本展は3月10日まで。観覧料など詳細は公式HPで。問い合わせは、ハローダイヤル=(電)050(5541)8600=へ。

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会 【話題・東京ニュース】  2024年02月06日  06:56:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:虐殺防止命令 ガザ停戦へ転機とせよ

2024-02-05 06:47:50 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説①】:虐殺防止命令 ガザ停戦へ転機とせよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:虐殺防止命令 ガザ停戦へ転機とせよ

 パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、国連の司法機関、国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルにジェノサイド(民族大量虐殺)防止を命じる仮処分を出した。

 ガザの犠牲者は2万7千人を超え、子どもや女性など民間人の多さが際立つ。これ以上、多くの命が失われないよう、国際社会は停戦への圧力を強めるべきだ。
 
 仮処分は、ジェノサイドを防ぐ「あらゆる措置」を講じることやガザでの人道支援にアクセスを確保するよう求めた。法的拘束力があり、イスラエルには講じた措置を1カ月以内に報告する義務があるが、ジェノサイドか否かの認定にはなお時間を要する見通し。
 
 ICJは国家間の紛争解決が役割。南アフリカはイスラエルのガザ攻撃を巡り、民間人の犠牲を伴う爆撃は自衛の範囲を超え、民族抹殺を禁じたジェノサイド条約に違反していると指摘し、暫定的な停戦を求めて提訴した。
 
 南アには黒人を差別したアパルトヘイト(人種隔離)の歴史があり、パレスチナに対する同情論が強いことも提訴の背景にある。
 
 イスラエルは南アの訴えに、ガザの民間施設にあるハマスの拠点に対する攻撃であり、民族抹殺の意図はないと反論している。
 
 ジェノサイド条約はナチスによるホロコースト(ユダヤ人大量殺害)をきっかけに制定された。ICJがホロコースト被害を訴えてきたイスラエルにジェノサイド防止を求めたことは、国の存立基盤を問われる事態でもある。
 
 ただ、仮処分は停戦には言及していない。ウクライナの提訴を受けて一昨年3月、ロシアに軍事行動を即時停止するよう命じたのとは対照的で、踏み込んだ決定をしなかったことには疑問が残る。
 
 親イスラエルのロビー圧力が強い米国や、ユダヤ人迫害の歴史に負い目を持つ欧州は、イスラエル寄りの姿勢が顕著ではある。
 
 しかし、停戦に向けた交渉はカタールやエジプトなどの仲介で進んでおり、中東、アジア、南米などでは南アの提訴を支持する国も多い。イスラエル国内でも、戦闘よりも人質解放を優先すべきだとの声が出ている。
 
 仮処分を局面転換の好機ととらえ、国際社会は停戦の早期実現とガザの非人道的状況の改善に向けてさらに努力すべきだ。停戦を求める私たち一人一人の声も国際社会を動かす力になると信じる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月05日  06:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:1947年、黒人で初めて人種の壁を乗り越え、大リーグの選手…

2024-02-05 06:47:40 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【筆洗】:1947年、黒人で初めて人種の壁を乗り越え、大リーグの選手…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:1947年、黒人で初めて人種の壁を乗り越え、大リーグの選手…

 1947年、黒人で初めて人種の壁を乗り越え、大リーグの選手になったジャッキー・ロビンソン二塁手。栄光の「背番号42」は大リーグすべての球団が永久欠番にしている

 ▼契約時、ブルックリン・ドジャース(現在のロサンゼルス・ドジャース)側がロビンソンに求めたのは忍耐だった

 ▼黒人に対する差別感情が強かった時代。黒人が大リーグでプレーすれば暴力やいやがらせの危険もある。当時の球団会長だったブランチ・リッキーは教えた。「やりかえさない勇気を持て」。ロビンソンはこれを受け入れ、その忍耐によって大選手への道を進み、続く黒人選手の手本となった

 ▼その入団から長い年月が経過したが、ロビンソンは死後もなお、いやがらせに耐えなければならないようである。カンザス州ウィチタの野球場に設置されていたロビンソンの銅像が何者かによって盗まれた上、燃やされた

 ▼俊足を誇ったロビンソン。切断され、その足だけが残された台座を見るのがつらい。捨てられていたのはごみ箱だったそうだ。強烈な悪意を感じる

 ▼米国では2月は黒人の偉人の業績をたたえる「黒人歴史月間」に当たる。その直前を狙ったかのような事件は残念ながら、今なお残る黒人への差別や憎悪と無関係ではあるまい。銅像再建のため、寄付が続々と集まっているという。球春に影を落とす事件にそれだけが救いである。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年02月05日  06:24:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ぎろんの森】:裏金は被災地に寄付しては?

2024-02-05 06:47:30 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【ぎろんの森】:裏金は被災地に寄付しては?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ぎろんの森】:裏金は被災地に寄付しては?

 論説室をはじめ、東京新聞には読者からさまざまな意見や要望が届きます。私たちは「空気は、読まない。」新聞ではありますが、読者からいただく声は新聞をつくる際の大事な指針となっています。

 通常国会が召集され、岸田文雄首相の施政方針演説や各党党首らによる代表質問が行われました。5日からは衆院で予算委員会が始まる予定で本格的な論戦に入ります。
 
 国会では今、自民党派閥による政治資金パーティー裏金事件を受けて、実態解明や責任追及、再発防止策を巡る議論が活発になっています。
 
 読者の関心も高く「誰がいくら裏金をもらったのか一覧表を作って報じてほしい。カネがかからない政治に変えなければ」「(政治資金規正法違反の罪で会計責任者が在宅起訴された)安倍派、二階派議員の一覧表を掲載してほしい」などの声が届きました。
 
 本紙は2日朝刊1面に、派閥解散を決めた安倍派議員に還流された「裏金」とみられる金額一覧表を掲載しました=写真。所属99人のうちの77人、総額は3年分だけで4億3588万円に上ります。
 
 一覧表を見た読者は「こんなに能登へ寄付してくれる人がいるなんて、と思ったのによく見たら裏金問題の記事だったのでがっかりした」そうです。でも、議員に還流された金額を能登半島地震の被災地にそっくり寄付するというのは妙案かもしれません。
 
 政府が決定した被災者支援の政策パッケージでは、家屋の損害額が一定規模以上などの世帯に10万円を支給するとしていますが、読者から「自民党は何億何千万円と裏金があるのだから、もっと出せばいい」との声も届きます。
 
 もちろん政治家が選挙区内に金品を配ることを禁じる法律はありますし、「裏金」と指摘されるカネを被災地支援に充てることには抵抗感があるかもしれません。
 
 でも、派閥を解散したからといって、このまま政治資金収支報告書を訂正して一件落着とは、とても納得がいきません。自民党は「裏金と言うな」とも主張しているようですから、堂々と寄付できるのではないでしょうか。 (と)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【ぎろん森】  2024年02月05日  06:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田首相の一日】: 2月4日(日)

2024-02-05 06:47:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【岸田首相の一日】: 2月4日(日)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田首相の一日】: 2月4日(日)

 【午前】来客なく、公邸で過ごす。

 【午後】1時29分、村井英樹官房副長官。6時43分、村井氏出る。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・岸田首相の一日】  2024年02月05日  06:46:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:週のはじめに考える 習氏「軍粛清」の裏には

2024-02-05 06:45:50 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説①】:週のはじめに考える 習氏「軍粛清」の裏には

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:週のはじめに考える 習氏「軍粛清」の裏には

 中国の習近平国家主席(共産党総書記)による人民解放軍たたきが目立ちます。表向きは軍内の腐敗一掃とされますが、国防相やロケット軍司令官が解任されるなど粛清といえるほど苛烈です。

 胡錦濤前総書記、江沢民元総書記の時代には軍は聖域とされ、共産党トップの総書記といえども昇格人事で軍高官に気を使っていたことを考えれば、隔世の感があります。習氏の軍粛清の裏側にはどんな事情があるのでしょうか。

 ◆狙いは軍権の完全掌握

 1月上旬、中国共産党で汚職摘発を担う中央規律検査委員会の総会が開かれ、習氏は8日の開幕演説で「情勢は依然厳しく複雑だ」と反腐敗の徹底を訴えました。
 
 その最大のターゲットが、装備品調達に関する軍の汚職であることは明らかです。かつて装備発展部長を務めた李尚福国防相や、核ミサイルを扱うロケット軍司令官らが昨年、解任されました。解任理由は明らかにされていないものの、閉会コミュニケは「やいばを内側に向け、集団に害を及ぼす者を一掃する」と強調しました。
 
 一方、党中央は軍を政治的に引き締めるキャンペーンを展開。昨夏以降、習氏は戦区視察や会議などで、党による「絶対的指導」の堅持を軍に求めています。
 
 習氏が「反腐敗」を掲げて政敵を排除し、権力基盤を固めてきたのは事実です。とはいえ、今回の軍粛清については、党すなわち習氏に対する軍の忠誠を徹底させることに重点があるようです。
 
 中国政治に詳しい日中関係筋は「習氏が目標とするのは党が指導する強国建設。それには軍権の完全な掌握が不可欠で党と自身への一層の権力集中を図ろうとしているのではないか」とみています。
 
 歴史を振り返れば、毛沢東の独裁で混乱した中国を立て直すため改革開放路線を進めたのが鄧小平です。鄧は「選挙で選ばれない中国共産党の正統性は、経済成長で全ての国民を豊かにすることだ」との考えに基づき、独裁につながる個人崇拝を廃し、集団指導体制の政治を進めてきました。
 
 鄧が選んだ江、胡両氏も鄧路線を継承したといえます。

 ◆党指導による強国建設

 習氏も党総書記に就いた2012年「党創立から100周年(21年)までに(庶民がまずまずの生活を送れる)『小康社会』を実現する」と公約。鄧路線を歩むかに見えるスタートを切りました。
 
 その後の経済発展には目覚ましいものがありましたが、20年に李克強首相が「中国では6億人が月収千元(約2万円)前後の生活だ」と「小康」に程遠い現状を認めるような“爆弾発言”をします。習氏は翌年「貧困撲滅宣言」を出し「小康」を既に達成したと強弁しましたが、経済発展による統治の「正統性」が揺らぐ事態だったとも言えます。
 
 しかし、習氏には元来、経済発展に統治の正統性の根源を求めるような考えはなかったのではないでしょうか。22年の党総書記3期目以降に顕在化した「共産党指導下での強国建設」こそが、そもそも中国トップになった時から習氏の念頭にあった統治思想であり、リーダーとしての地歩を固めるにつれ鮮明になった鄧路線との決別は、いわば権力集中による強権統治という「地金」が出てきた結果とみることもできるでしょう。
 習氏の強権統治志向を下支えするのがナショナリズムです。米バイデン政権のカート・キャンベル・インド太平洋調整官は習氏1期目の16年の「米外交問題評議会」リポートで、早くも「経済が失速すれば、習政権は国内情勢の不安定さからナショナリズムに訴えるのでないか」と指摘しています。
 
 最近の台湾や南シナ海を巡る国際社会との対立が示すようにキャンベル氏は習氏の統治思想の本質を見抜いていたように感じます。習氏が既に1期目にしてぶち上げていた政治スローガンが、ナショナリズム色の強い「中華民族の偉大な復興」であることとも符丁が合います。

 ◆旧ソ連崩壊「他山の石」

 党の絶対的指導確立のために軍権の完全掌握にこだわる習氏は、旧ソ連の崩壊を「他山の石」とした節があります。香港メディアによると習氏は12年、党内会議で旧ソ連崩壊の理由について「ソ連共産党内の一部の人は党を救おうとしたが、専制の道具(軍)が手中になかったから、それができなかった」と指摘したといいます。
 
 毛沢東が「政権は銃口から生まれる」と言った通り、軍を党の最後の砦(とりで)とみる「毛流」の統治論を習氏が信奉している証左ともいえそうです。ただ、鄧路線と決別し「専制の道具」を手に習氏が進む道が、個人崇拝が社会を大混乱させた毛独裁時代への逆戻りとならないか、強く懸念されます。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月04日  07:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:芥川龍之介の『羅生門』、松本清張の『ゼロの焦点』など小説を…

2024-02-05 06:45:40 | 【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・暮らしに根差した民芸】

【筆洗】:芥川龍之介の『羅生門』、松本清張の『ゼロの焦点』など小説を…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:芥川龍之介の『羅生門』、松本清張の『ゼロの焦点』など小説を…

 芥川龍之介の『羅生門』、松本清張の『ゼロの焦点』など小説を映画化した作品を数多く手がけた名脚本家、橋本忍さん。原作をどう脚本にするかについて書いている

 ▼原作は牛。そう考えていたそうだ。その牛を一撃で倒し「血を持って帰る。原作の姿や形はどうでもいい。欲しいのは生き血だけ」。これを聞いた師匠の伊丹万作監督は教えた。「君のいう通りかも…。しかし、殺したりはせず、一緒に心中しなければいけない原作もあるんだよ」

 ▼乱暴に聞こえるが、2人の意見は原作にいかに真剣に向き合うかというたとえである。原作の本質を描く鮮やかな切り口と愛情。それがなければ牛が浮かばれぬ

 ▼ドラマ『セクシー田中さん』の原作者で漫画家の芦原妃名子(ひなこ)さんの訃報に衝撃を受けているファンもいるだろう。ドラマ化の過程で原作と異なる脚本にテレビ局側との間で心労を募らせていたと伝わる

 ▼原作を完全に再現するのは困難とはいえ、芦原さんには自分の牛がただ乱暴に扱われているように見えてしまったか

 ▼ドラマ化においてはテレビ局側の発言力が強くなりやすいという指摘を聞く。難しい問題だが、一方的に牛の鼻面を取って引き回すような態度が局側に仮にあるとすれば原作者にはつらいだろう。大切に育てたわが子同然の牛。そんな場所には誰も送りだしたくはないし、ファンの望むところでもない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年02月04日  07:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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