路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①・01.04】:<戦後80年に考える>:揺らぐ民意 参加が議会政治を鍛える

2025-01-04 04:05:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説①・01.04】:<戦後80年に考える>:揺らぐ民意 参加が議会政治を鍛える

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.04】:<戦後80年に考える>:揺らぐ民意 参加が議会政治を鍛える  

 政治が民意のありかをつかみかねている。そんな印象が拭えない。
 
 昨秋の衆院選の投票率は戦後3番目に低く、半数近い有権者が投票に行かなかった。自民党裏金事件と政治改革という注目を集めた大きな争点があったにもかかわらずである。
 一方、選挙の風景を一変させているのが交流サイト(SNS)だ。その影響は不利とみられた候補や小政党を台頭させる予想外の結果を生み、既成政党は対処に戸惑いを隠せない。
 日本国憲法は国民主権と代表民主制をこの国の統治の根本原理として定めた。主権者である国民は、選挙で選ばれた代表者を通じて国の政治に参加する。
 だが戦後80年たった今、その実感は乏しくなっているように映る。諦めや無関心がおりのようにたまり、SNSが不満のはけ口となっている側面もある。
 広範な民意に基づいてこそ議会政治は鍛えられる。主権者の参加意識を取り戻すにはどうすれば良いかを問い直したい。

 ■SNS時代にどう対処

 SNSは昨年の東京都知事選、衆院選に大きな影響を与えた。さらにパワハラ疑惑などで失職した兵庫県の斎藤元彦知事がSNSを背景にして再選されたことは、世論に驚きを持って受け止められた。
 SNSは誰もがいつでも手軽に情報を発信でき、拡散力が強いのが特徴だ。政治家は有権者に直接訴えることができ、受け手も身近に感じられる。それが社会を動かす爆発的なエネルギーにつながることがある。
 だが、負の面も目立つ。短い言葉や動画によって情報は単純化され、似た意見ばかりに接して異論が届きにくくなる。誤情報や偽情報が含まれる可能性があり、匿名性によって誹謗(ひぼう)中傷も拡散されやすい。
 その結果、分断や対立をあおりかねないことは、トランプ氏が勝利した昨年の米大統領選を見ても明らかだ。
 ナチス・ドイツは新興のラジオを大衆の心理操作に最大限活用した。近年はテレビを通じた劇場型政治が世論を左右した。
 利便性の高いメディアは社会にとってプラスにもマイナスにも働く。問題は特性を踏まえながらどう向き合うかだろう。
 表現の自由に抵触しかねない安易な規制は慎むべきだ。ファクトチェック(事実確認)の仕組みや、情報リテラシー(知識や判断力)をより高め、SNS時代の政治参加を深めたい。

 ■改革のひずみ修正を

 現在、衆院はどの党も議席の過半数を得ていない「ハング・パーラメント(宙づり国会)」とも呼ばれる。これにより第2次安倍晋三政権時代に始まった自民1強体制は瓦解(がかい)した。
 戦後改革に匹敵する「改革の時代」と呼ばれた平成期は、衆院への小選挙区比例代表並立制導入や省庁再編と内閣機能強化、地方分権など、さまざまな政治・行政制度が改められた。
 官邸主導を徹底した安倍氏の長期政権はそうした改革の成果を享受したかのように見えた。だが、官僚は政治家の顔色をうかがうようになり、公文書の隠蔽(いんぺい)や改ざんなどが広がり、むしろひずみが目立つようになる。
 民意が離れるきっかけとなった裏金事件は、肥大化した与党のおごりの象徴だろう。
 当初目指した「政権交代可能な政治」や「政策を競う政党本位の政治」も定着したとは言えない。今は既成政党の信頼が揺らぎ、小政党や無党派が伸長するなど多党化が進んでいる。民意の多様化が、より一層その傾向を強めているように見える。
 改革当時、若手論客だった石破茂首相は国会で「平成の改革は、選ばれるわれわれの理屈でやっちゃったんじゃないかという反省がある」と振り返った。
 国民の意思を政治に反映する仕組みをもう一度作り直さなければならない。熟議による合意形成が求められる少数与党下の国会は、その好機とも言える。

 ■権力の監視を不断に

 世界を見渡せば、議会制民主主義の形態を取る国でさえ権威主義的なリーダーが台頭している。「選挙独裁」との言葉も生まれた。
 懸念されるのは、日本の政治の停滞や混乱が国民の失望をさらに広げ、民主主義の空洞化が進まないかということだ。
 戦後論壇の旗手だった政治学者の丸山真男は、政治を「気圧配置」にたとえた。
 政治家やそれに関わろうとする人たちだけでなく、政治に関心を持たない人たちの群れのムードによっても、政治的な「気圧」は作り出されるという。
 その上で「政治から逃避する人が多ければ多いほど、それはその国の政治に巨大な影響を及ぼし、専制政治を容易にするという逆説がみられる」(「政治的判断」)と警告した。
 不完全で揺れ動きやすいのが民主主義だ。権力を不断の監視の下に置き、常に鍛え直す努力を私たちの手で続けていかねばなるまい。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月04日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説①・01.03】:<戦後80年に考える>:北海道経済 前へ 新たな価値生み出せるか

2025-01-04 04:05:40 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【社説①・01.03】:<戦後80年に考える>:北海道経済 前へ 新たな価値生み出せるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.03】:<戦後80年に考える>:北海道経済 前へ 新たな価値生み出せるか 

 北海道は戦後、石炭や食料の供給地として発展した。
 
 だが国の政策転換で炭鉱閉山と鉄道の廃線が相次ぎ、北洋漁業をはじめ地域を支えた産業が衰えた後は疲弊が目立つ。
 
 近年は「食と観光」に注力し一定の成果を上げてきたが、公共事業頼みから民間主導の経済への転換は道半ばと言わざるを得ない。国の開発予算もピーク時の6割弱に減っている。
 そこに「黒船」が現れた。次世代半導体の量産を目指すラピダスの千歳市進出だ。
 再生可能エネルギーや脱炭素関連の投資、産業の誘致を目指す、北海道と札幌市の「グリーントランスフォーメーション(GX)金融・資産運用特区」も国に認定された。
 北海道経済は戦後80年を経て転換の好機にある。国の政策に左右されないためにも、新たな価値を生み出し、持続可能な成長につなげていきたい。

 ■専門人材育成が急務

 航空機が行き交う新千歳空港近くの空に巨大な屋根の曲線が映える。建設中のラピダスの工場だ。4月の試作ライン稼働、2027年の量産を見込む。
 国の支援はこれまで1兆円近くに達する。成功は保証されておらず、その成否は日本経済の行く末にも影響しよう。
 道内では1991年にトヨタ自動車北海道が設立され、課題だった製造業の強化に光が差した。2000年代に入り、道や経済界は完成車工場の誘致を図ったものの実現せず、地場企業の参入も限定的だった。
 同じ轍(てつ)を踏んではなるまい。ラピダスを中心に道内勢を含む多くの関連企業が集積し、新たなビジネスを生み出す共同体(エコシステム)を形成し、定着させる必要がある。
 それには専門人材の継続的な育成が欠かせない。北大はラピダスや東北大と連携協定を結んだ。北大の宝金清博学長は、人材育成に向けたプラットフォームづくりに意気込みを示す。
 人材は半導体産業が集積する九州や東北とも争奪戦となる。
 道内での活躍の場として、先端半導体とそれを使う人工知能(AI)などの技術を1次産業やサービス業などで活用する方策を探ることが重要だ。
 小中学生に技術への関心を持ってもらうなど、将来を見据えた取り組みも求められよう。

 ■投資呼ぶ環境整備を

 社会インフラや機械など官民の投資額を示す道内の総固定資本形成で、公共投資の割合は全国の倍の4割を占める。
 民間投資の不足は道内経済の積年の課題だ。GX特区を投資拡大の引き金としたい。
 特区の成功には魅力的な投資案件の創出に加え、投資しやすい環境づくりも鍵を握る。
 道と札幌市は洋上風力発電などのGX事業を行う企業や投資機関の地方税を免除するほか、海外企業の誘致に向けて相談に英語で応じる窓口を設けた。
 特区のライバルは先行する。アジア経済の成長を背景に福岡県と福岡市は12年にスタートアップ(新興企業)支援、20年に産学官で国際金融機関などの誘致を始め、香港の資産運用会社など30社超の誘致を実現した。
 他にはない特色をどう打ち出していくか。生かしたいのは、想像以上に高いとされる海外での北海道と札幌の知名度だ。
 冬の観光や食のブランドを再構築し、海外関係者にまちの魅力を実感してもらうことを考えたい。投資の果実を道内に還元させる仕組みづくりが重要であることも忘れてはならない。

 ■高め合う共生社会に

 人口減少が続く中、経済の持続性を高めるには働く人の確保が肝要となる。外国人に頼る傾向は一層強まるに違いない。
 ホテル棟からスキー場へ向かう客を、日本人と外国人のスタッフが笑顔で見送る。上川管内占冠村の星野リゾートトマムでは、約280人の正社員のうち2割を外国人が占めている。
 17年からトマムに在籍し、人事・総務ユニットで働く台湾出身の羅允唯さん(31)は「トマムは規模が大きく、キャリアづくりに生かせる」と話す。
 現在約500万人の道内人口は、50年には382万人に減ると推計されている。一方、道内で暮らす外国人は昨年9月末時点で6万人を超えている。
 占冠村は人口に占める外国人の割合が昨年11月末時点で31%に達した。これまで大きな問題はないが、ごみの出し方などでトラブルはあるという。
 田中正治村長は、村の将来には外国人との共生が不可欠で、それには文化や生活習慣の違いを学び合うことが大切だと指摘する。学校や保育所に外国語に堪能な職員を増やしたいが、財政上難しいという。国や道が支援を検討すべき分野だろう。
 道内企業も外国人の技能や職歴を高められる職場づくりに努めなくては、円安も逆風となって選ばれない時代となろう。自治体の意識も問われている。
 お互いを尊重し、高め合う共生社会を目指したい。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月03日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【卓上四季・01.03】:座右の銘

2025-01-04 04:05:35 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【卓上四季・01.03】:座右の銘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季・01.03】:座右の銘

 新しい年が始まった。おとそを飲み、お雑煮を食べ、初詣に出かける。これといって変わったことがなくても、気持ちだけはあらたまるようだ。正月気分というものなのか

 ▼さて一年の計は…と考えて、立派なものはとんと浮かばない。健康に生きる。機嫌よく過ごす。そんなところか。振り返れば、「座右の銘」にも縁がなかった

 ▼雑誌「暮しの手帖」の最新号がおもしろい特集を組んでいた。タイトルは「わたしの座右の銘」。さまざまな分野で活躍する13人が、生きる指針として心に刻み、自分を導く言葉について語っている

 ▼漫画家ちばてつやさんは<吾唯足知>。われただたることをしる―と読む。「あるがままを穏やかに感謝し幸せに生きなさい」。年をとり大変なこともあるが「生きてるだけで合格」と思えるそうだ

 ▼<どこの世界にも七不思議はある>は川藤(かわとう)幸三さん。阪神タイガースの伝説の代打だった。一度もレギュラーにはなれなかったが、ここ一番で活躍する。先輩が言った「お前はプロ野球の七不思議や」が宝物だ。補欠でも歴史を作れる、と

 ▼歌手UA(ウーア)さんは<空の上に天国はない>。人生も折り返しを過ぎ、この世を大切にする。ジョン・レノンの「イマジン」を基に「今を天国と呼べるように努めたい」。穏やかで平和な世でありますように―。深く共感する。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2025年01月03日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説①・01.01】:<戦後80年に考える>:原点を見つめる 平和と民主主義誓い直す

2025-01-04 04:05:30 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【社説①・01.01】:<戦後80年に考える>:原点を見つめる 平和と民主主義誓い直す

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.01】:<戦後80年に考える>:原点を見つめる 平和と民主主義誓い直す 

 戦後80年を迎えた。
 
 焼け跡から戦争をしない国として立ち上がった日本は高度経済成長を遂げ、繁栄を築いた。
 
 そうした時代は過去のものとなりつつある。急速に人口が減少し、経済は地盤沈下した。
 
 分断が進む世界は戦火がやまない。ロシアのウクライナ侵攻は来月で3年となり、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への無差別攻撃も続く。
 自国第一のトランプ氏が今月米国大統領に返り咲く。中国との対立はさらに激化しそうだ。
 日本政府は従属的な対米関係の下で自衛隊の増強と米軍との一体化を加速させている。集団的自衛権の行使を認め、敵基地攻撃能力の保有を決めた。憲法の平和主義が揺らいでいる。
 「戦争ができる国」に逆戻りする流れを止めねばならない。自由で公正な社会を守るため、平和と民主主義を誓った戦後の原点を見つめ直す時である。

 ■被団協が与えた希望

 改めて着目すべきは戦争放棄と戦力不保持・交戦権の否認を定めた憲法9条の成立過程だ。
 連合国軍総司令部(GHQ)の案を基に政府が帝国議会に提出した憲法改正案の9条に「平和」の2文字はなかった。1項の「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」との文言は社会党議員らの主張を踏まえ加えられた。
 9条に積極的意義を吹き込んだ平和主義の源流と言える。
 「押しつけ憲法論」や、戦後日本の歩みを「一国平和主義」とする批判への反証になろう。
 当時の審議で論陣を張った一人に森戸辰男がいる。経済学者だった戦前に思想弾圧を受け、戦後は社会党結成に参画した。1946年1月の論文「平和国家の建設」を古関彰一独協大名誉教授が「平和憲法の深層」(ちくま新書)で紹介している。
 「平和国家は理念的平和主義に留まることなく、実践的・方法論的平和主義に進出することによって(略)、はじめて完全な平和国家となることができる」
 平和主義を実践し現実を変える力にする。大国が身勝手に振る舞う現代に示唆を与える。
 ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の活動がまさに当てはまる。核兵器は絶対悪だと訴え続けて国際世論を喚起し、核兵器禁止条約制定を後押しした。
 授賞式に広島、長崎などの高校生平和大使4人も出席した。
 行動し、被爆者の訴えを若い世代が受け継いでいけば、いつかは現実の岩盤を崩せる。諦めてはならない、大切なのは声を上げ続けることだ―。
 平和賞にはそんな希望を抱かせた意義も見いだせよう。

 ■真摯な反省の表明を

 戦争の記憶を風化させないためには反省と総括が必要だ。
 村山富市首相が出した戦後50年の村山談話は侵略と植民地支配への「痛切な反省と心からのおわび」を表明した。安倍晋三首相の戦後70年談話も間接的な表現ながらこれを継承した。
 しかし村山談話は国民的議論の末に生まれたものではなく、安倍政権の支持勢力には歴史修正主義的な考えが根強かった。
 破局への道をなぜ歩んでしまったのか、引き返せなかったのか。国として歴史の本格的検証をせずにきた結果、戦争責任は曖昧になり、中国や韓国との間に今も歴史問題が影を落とす。
 歴史に向き合い、真摯(しんし)に反省する和解の営みを世代を超えて続ける。その姿勢を日本の首相と国会は内外に表明すべきだ。

 ■政治の信頼取り戻せ

 過去への認識を国民が共有する上で欠かせないのは政治への信頼回復である。昨年は裏金問題が国政を揺るがし、自民、公明両党は少数与党に転落した。
 政党政治の弊害として「金の誘惑」を指摘した中高生向け教科書がある。48年に文部省が刊行した「民主主義」だ。
 財閥がカネを出し、政権は金権によって左右される。戦前の日本では、しばしばそういうことが行われた―と説く。
 「昭和の時代になって、軍を中心とする独裁政治が横行するにいたった大きな原因の一つは、こうした政党政治の腐敗にあった」。現代政治への警句のような教科書を官が作っていた。民主主義の定着に懸命だった当時の熱量に驚きを禁じ得ない。
 臨時国会で改正された政治資金規正法も抜本改革には遠く、野党が求めた企業・団体献金の禁止には至らなかった。通常国会でカネのかからない透明な政治を実現しなければならない。
 
 交流サイト(SNS)を通じ真偽不明の情報が拡散し、選挙に影響を及ぼす時代になった。
 
 民意がゆがめば、熟議によって合意を形成する本来の民主政治は望めなくなる。ポピュリズム的な主張で民衆を扇動する指導者が国を誤った方向に導く。思えばヒトラーのナチス・ドイツもそんな経緯で生まれた。
 
 歴史は韻を踏むといわれる。そうならないよう日本は戦後民主主義の初心に立ち返り、その価値を世界に発信すべきだ。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月01日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説・01.04】:「熟議の政治」正念場 沖縄でこそ合意形成を

2025-01-04 04:01:50 | 【米国・在日米軍・安保・地位協定、犯罪・沖縄防衛局・普天間移設・オスプレー】

【社説・01.04】:「熟議の政治」正念場 沖縄でこそ合意形成を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・01.04】:「熟議の政治」正念場 沖縄でこそ合意形成を

 衆院選を経て、国会の風景ががらりと変わった。「沖縄の声」をどのように届け、政治に反映させるのか。一歩でも二歩でも前へ進める年にしてほしい。 

 昨年10月の衆院選で自民、公明の連立与党は大敗を喫し、過半数を割り込んだ。

 少数与党下では、野党の協力を得なければ予算案や法案を成立させることはできない。

 先の臨時国会で政治改革関連3法に政策活動費の全廃が盛り込まれたのも野党の要求によるものだった。

 今月下旬には通常国会が召集される。

 これまで大きな議論にならなかった辺野古新基地を巡る問題や沖縄関係予算の課題についても野党の主張が重みを増し、耳を傾ける必要性に迫られるのは間違いない。

 昨年末、沖縄防衛局は大浦湾側の軟弱地盤の改良工事に着手した。

 7万本以上の杭(くい)を打ち込む大規模工事は、技術上の課題はもちろん、環境保護の面からも大きな問題をはらむ。

 新基地が完成するまでの十数年間、米軍普天間飛行場の危険性除去はどうするつもりなのか。具体策を示すべきだ。

 地元の宜野湾市長は何度も、普天間飛行場の返還時期を明示するよう政府に要請してきた。それを示さずに工事を強行するのは許されない。

 工費と返還時期について精査し、その結果を国会で明らかにする必要がある。

              ■    ■

 県内では、昨年6月の県議選で玉城デニー知事を支持する与党が大敗し、自民党会派など野党・中立が多数派となった。

 議決が必要な予算などで政策決定の力学が大きく変わり、知事は就任以来最大の苦境に立たされている。

 早速、攻勢にさらされているのが県のワシントン事務所を巡る問題だ。県議会は百条委員会を設置した。

 基地問題に関する情報発信を担う他県にはない組織とはいえ、株式会社として事業者登録するなどの不透明な手続きや公文書管理のずさんさは見過ごせない。

 県政を巡っては、昨年11月に本島北部を襲った豪雨の際、対応の遅れから「災害救助法」の適用が困難となるミスも発生した。

 なぜこんなにも「ポカ」が相次ぐのか。緩みの背景に何があるのか。幹部人事を含め、体制の立て直しを図るべきだ。

              ■    ■

 今年は7月に参院選が予定されている。来年の知事選の前哨戦とされる。

 県政野党が攻勢を強めるのは確実である。そうであっても、大切にしてほしいのは「県民益」だ。

 国政では与野党が熟議を重ね、一致点を見いだすこれまでにない努力が重ねられている。

 それが沖縄でできないはずはない。

 「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」は4年目に入り、検証作業が始まる。

 与野党が一緒になって、県民の暮らしと安全を守る政策の実現に力を発揮してもらいたい。

 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月04日  04:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大弦小弦・01.04】:おせち料理に舌鼓を打つ。

2025-01-04 04:01:40 | 【貧困問題・絶対的、相対的貧困・ホームレス・飢餓・貧困が及ぼす格差社会】

【大弦小弦・01.04】:おせち料理に舌鼓を打つ。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大弦小弦・01.04】:おせち料理に舌鼓を打つ。

 おせち料理に舌鼓を打つ。初詣で願をかける。福袋の行列に並ぶ。最大9連休と暦にも恵まれた年末年始は、ちまたにも活気がある

 ▼元日の昼、那覇市の与儀公園では、対照的な光景が広がっていた。

 順番待ちの列は福袋や初詣のためではなく、無料のお弁当を受け取るため。、

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 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【大弦小弦】  2025年01月04日  03:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【人口格差 振興策を問う】:離島人口 低い女性比率 北大東や渡名喜 男性の数が約1.5倍 県内 いびつな構成比に

2025-01-04 04:01:30 | 【超高齢化・過疎・孤立・終活・認知症・サ高住問題・人口急減・消滅性自治体】

【人口格差 振興策を問う】:離島人口 低い女性比率 北大東や渡名喜 男性の数が約1.5倍 県内 いびつな構成比に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【人口格差 振興策を問う】:離島人口 低い女性比率 北大東や渡名喜 男性の数が約1.5倍 県内 いびつな構成比に

 沖縄の中小規模の離島自治体は女性の比率が圧倒的に低く、いびつな人口構成になっている-。

女性より男性の割合が高い県内市町村
女性より男性の割合が高い県内市町村
 

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 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・沖縄県・「人口格差 振興策を問う」】  2025年01月04日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【人口格差 振興策を問う】:女性定住 地域維持の鍵 中小離島 男女比に偏り 出産や育児に不便さ

2025-01-04 04:01:20 | 【超高齢化・過疎・孤立・終活・認知症・サ高住問題・人口急減・消滅性自治体】

【人口格差 振興策を問う】:女性定住 地域維持の鍵 中小離島 男女比に偏り 出産や育児に不便さ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【人口格差 振興策を問う】:女性定住 地域維持の鍵 中小離島 男女比に偏り 出産や育児に不便さ

 人口の男女比で、女性の割合が極端に低い自治体が沖縄に多いことが分かった。

 共通して人口減少の悩みも抱える。女性にとっての暮らしやすさが、地域社会を維持する鍵になりそうだ。

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 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・沖縄県・「人口格差 振興策を問う」】  2025年01月04日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【人口格差 振興策を問う】:15~64歳の減少進む 中小離島と北部 70年代から顕著に

2025-01-04 04:01:10 | 【超高齢化・過疎・孤立・終活・認知症・サ高住問題・人口急減・消滅性自治体】

【人口格差 振興策を問う】:15~64歳の減少進む 中小離島と北部 70年代から顕著に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【人口格差 振興策を問う】:15~64歳の減少進む 中小離島と北部 70年代から顕著に

 性別・年齢別に人口の構成を示す人口ピラミッドを見ると、1955年の沖縄は出生数が多く、死亡率も高い「ピラミッド型」だった。

県全体と人口減少地域の年代別の人口ピラミッド

県全体と人口減少地域の年代別の人口ピラミッド

 県全体と中小規模離島、やんばる3村(国頭、大宜味、東)で大きな違いは見られない。

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 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・沖縄県・「人口格差 振興策を問う」】  2025年01月04日  03:59:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・01.04】:能登半島地震1年 関連死の抑制が急務だ

2025-01-04 04:00:50 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【社説・01.04】:能登半島地震1年 関連死の抑制が急務だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・01.04】:能登半島地震1年 関連死の抑制が急務だ

 2024年元日の能登半島地震から1年が経過した。自宅や職を失い、生活の再建ができない被災者が多くいる。インフラの復旧だけでなく、生活の支援を含め、総合的な施策によって復興を加速させる必要がある。

大規模火災で焼けた建物の解体が進む石川県輪島市の観光名所「朝市通り」近くに住む二俣大輔さん(48)。犠牲者に手を合わせると、「子どもの頃によく遊んだ思い出の場所。地震が先月だったみたいに、あっという間に過ぎた1年だった」と振り返った=31日午後

 大規模火災で焼けた建物の解体が進む石川県輪島市の観光名所「朝市通り」近くに住む二俣大輔さん(48)。犠牲者に手を合わせると、「子どもの頃によく遊んだ思い出の場所。地震が先月だったみたいに、あっという間に過ぎた1年だった」と振り返った=31日午後

大規模火災が起きた石川県輪島市の観光名所「朝市通り」付近では被災建物の解体が進み、更地には花束が添えられていた=31日午後

 大規模火災が起きた石川県輪島市の観光名所「朝市通り」付近では被災建物の解体が進み、更地には花束が添えられていた=31日午後

12月に全面通行可能となった国道249号=31日午後、石川県珠洲市

12月に全面通行可能となった国道249号=31日午後、石川県珠洲市

大規模火災が起きた石川県輪島市の観光名所「朝市通り」付近では被災建物の解体が進み、大みそかには手を合わせる人の姿が見られた=31日午後

 大規模火災が起きた石川県輪島市の観光名所「朝市通り」付近では被災建物の解体が進み、大みそかには手を合わせる人の姿が見られた=31日午後

 不便な避難生活で心身をすり減らし、命を落とす人が後を絶たない。災害への備えだけではなく、発生後への備えを含め、普段から防災について考えなければならない。

 能登半島地震による犠牲者は昨年末で504人となった。避難生活のストレスなど間接的な原因による「災害関連死」の認定が続き、犠牲者数はさらに増える可能性がある。昨年9月には記録的な豪雨が被災地を襲い、復興は足踏みすることとなった。

 地震と豪雨によって仮住まいや避難を余儀なくされている石川県の被災者は昨年12月下旬時点で2万人を超えている。自治体は県外の親戚を頼って避難している人を正確に把握できておらず、自宅に戻ることのできていない被災者はさらに多いとみられる。

 災害関連死の抑制を急がなければならない。地震の際の建物の倒壊などで亡くなった直接死は228人。これに対して、避難生活中の心身の負荷によって亡くなる災害関連死に認定された方は276人で、直接死を上回った。災害関連死の認定審査は今も続いている。

 地震に豪雨と災害が重なったことが、心と体の負担となったことは容易に想像できる。能登半島6市町の住民を対象とした共同通信アンケートで、9月の豪雨被災後、4人に1人が体調が悪くなったと回答した。支援が整っていれば、失われることのなかった命だった可能性がある。

 避難所の環境やプライバシーの保護について、政府は国際基準に合わせて整備を進めていく考えだ。何よりも能登半島地震の被災者への対応は急を要する。関連死をこれ以上増やさないためにも、被災者ケアの見直しなど、短期的に取り組むべき要点を洗い出し、早急に取り組まなければならない。

 自然災害にいつ襲われるか分からない。普段から防災について考える必要がある。昨年末の共同通信アンケートで、全ての指定避難所にアレルギー対応食を備蓄しているのは都道府県庁所在地のうち半数に満たない22市区だった。那覇は配備済みだが、県内の他自治体はどうだろう。住民への周知が万全かについても検証しておきたい。

 能登の被災者にとっては、地震への全国的な関心の低下も心の負担になっている。災害に対する日本の支援制度は住宅再建が中心で、生活再建への支援は十分ではないとの指摘もある。万全な備えをするためにはまだまだ多くの論点があろう。

 能登の被災者に心を寄せながら、それぞれの地域特性に合わせ防災に関する議論をより深めたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月04日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌・01.04】:箱根に吹いた南風

2025-01-04 04:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【金口木舌・01.04】:箱根に吹いた南風

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・01.04】:箱根に吹いた南風 

 関東の大学のトップ選手が集う箱根駅伝は、全国的には新春の風物詩とも言える伝統の大会。これまでは県内の注目度は今ひとつだったが、今回は違った

 ▼沖縄の出身選手が6人もエントリーしたからだ。生中継をする地上波テレビ局がない中、どうにか彼らの活躍を見ようと、多くの県民がネットを検索したのではないか

 ▼3冠が懸かる国学院大は上原琉翔(りゅうと)選手に9区を託した。上原選手は大きなスライドで走り順位を上げた。後半に失速したが、中継地点の直前に再び盛り返した。優勝を逃したものの、上原選手の序盤の快走と終盤の力走が、国学院大の底力を印象づけた

 ▼国学院大の嘉数純平選手、日大の大仲竜平選手、専修大の具志堅一斗(いっと)選手も出場した。悔いを残した選手もいるだろうが、いずれも大学トップ選手には違いない。遠く離れた東京―箱根間に南風が吹いたようで誇らしい

 ▼「長距離不毛の地」という沖縄の風評をも吹き飛ばすような活躍だった。彼らのたすきは、沖縄の未来を担うこどもたちや指導者にもつながったはずだ。沖縄から日本の長距離界に旋風を巻き起こす日も遠くない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】  2025年01月04日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・01.04》:戦後80年 日本外交とアジア 安定へ役割を果たす時だ

2025-01-04 02:00:50 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

《社説①・01.04》:戦後80年 日本外交とアジア 安定へ役割を果たす時だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・01.04》:戦後80年 日本外交とアジア 安定へ役割を果たす時だ

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月04日  02:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《余録・01.04》:選択的夫婦別姓制度の…

2025-01-04 02:00:40 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

《余録・01.04》:選択的夫婦別姓制度の…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・01.04》:選択的夫婦別姓制度の…

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2025年01月04日  02:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《現代を見る・01.04》:「永遠の戦後」守る、新聞の役割=栗原俊雄

2025-01-04 02:00:30 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

《現代を見る・01.04》:「永遠の戦後」守る、新聞の役割=栗原俊雄

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《現代を見る・01.04》:「永遠の戦後」守る、新聞の役割=栗原俊雄

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《なるほドリ・01.04》:新春浅草歌舞伎って? 若手俳優の登竜門 古典の難役に挑む=回答・広瀬登

2025-01-04 02:00:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

《なるほドリ・01.04》:新春浅草歌舞伎って? 若手俳優の登竜門 古典の難役に挑む=回答・広瀬登

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《なるほドリ・01.04》:新春浅草歌舞伎って? 若手俳優の登竜門 古典の難役に挑む=回答・広瀬登

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